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第41話「16限目 : 姉弟氷上決戦――リコネクト」


 「迎えに来たよ、姉様」


メビウスの曇りなき一言が、彼の目覚めを認識させる。


我が名はブレイド。姉弟の行く末を見守る、皇帝専属騎士だ。


「姉様、姉様って……。もうやめてくれる……!?」


彼を弟と認識できないエルシアが、怒りを露にする。


「エルシア様、お下がりください」

同様に洗脳されたアイが、メビウスの正中線に構える。


「反逆者が、ブリッツ様に成り代わろうとするな……!」


『マギアノクス : “グラキエース・サジッタ”!』


高速で打ち出される氷の矢。だが、メビウスは一切動じない。


『ルティウス!!』


彼が神剣の名を唱えた直後、凍てつく爆風が階層全体をツンドラに変えた……。


「エルシア様、終わり――」

だが、アイの顔が再びこわばる。


「……嘘でしょ?」


振り向きざまに言葉を失う。


 なぜならその先には、金色の光がまだ終わっていないと言わんばかりに煌めいていたのだから。


「ごめんゲート君……アイさんのことも、君に任せる」


(僕には、姉様への愛しか……ないから)


同時に、光の鎖がアイを拘束する。


「――!あの一瞬で、何があったっていうのよ……!?」


彼女の困惑も驚くことではない。現実では一瞬、しかし精神世界では三万回も振り続けた事など、知る由もないのだから。


光が収まると同時に、メビウスの姿が現れる。


「姉様」


彼がエルシアを見据える。


――そうだ、僕は!!


「姉様……僕はもう、自分の不甲斐なさに苦しんだりしない!」



……そんな激闘を見守る私を見て、陛下が指でつつく。


「勝負あったわね……余計な真似をしてくれたけど、今回だけは見逃してあげてもいいわ」


「寛大なお気持ちありがとうございます。ですが、私はムチを打っただけです」


陛下の手を取り、毅然と答える。


「彼は自ら絶望を乗り越え、希望を掴んだのです。あなたが出来損ないと蔑んだあの子自身の手で」


その言葉に、陛下は静かに呟く。


「彼の事を見直さなくちゃいけないかしら……ね」


「ええ。ですから、今はただ共に見守りましょう。私達の子どもの行く末を……」



※       ※        ※



 「姉様が教えてくれた剣技、ブレイドが気づかせてくれた愛……!」


ルティウスを鞘に納め、メビウスは片足を一歩、退く。


「神剣ルティウスに誓う――偽りの心は、僕が断ち切る!!」


『マギアノクス:ソードライズ!!』


周囲の光が、彼の刃に集まってゆく。


もはや、言葉は不要。


【行け、メビウス――!!!】


――皆の声、聞こえてるよ。


『エモーショナル――』




『『『カンデライトッ!!!』』』



同時……黄金を纏ったメビウスが、流星の如く周囲の氷を抉り、エルシア目掛けて飛んで行く――!


「えっ――」


反応する間もなく、彼女の眼前で抜刀される。


――姉様を縛り付ける、ドス黒い鎖。


(見えた……!悪意の楔!)


ルティウスがそれに吸い付き、そして――。



「ああああああああ!!!!!」



消し飛んでいく、黒い霧――。



――剣を離し、姉様の手を取る。


――おかえりなさい、姉様……!!



笑顔と涙が、溢れてしょうがない。



僕も、姉様も……!



――ただいまっ……!メビウス……!!



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