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氷結の黒薔薇―世界を塗り替えよ、氷の少女と共に―  作者: 香辛凌
第3章『ホーリーナイトメア』
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第17話「彼に伝えろ/見えない強襲(ファントム・アサルト)」


 このデスゲームのルールを、根本から破るかのような手紙の内容に、私は憤慨する。

「屋敷にいないですって…?!本当にそうなら、私達は処刑待ちの囚人ってこと…?!」


いや、流石にあり得ないわ。だって…!


「アンタがいないんじゃ…ゲートとの約束が、果たせないじゃないの…!」

私はレイスさんに気を配りつつ、手紙の内容を考察する。

(「この私、ルシファー・レイス・ナイトメアは、この屋敷にはいません。」…。この屋敷にいないことを否定する部分が、何処かにあるはず…。)


「ア、アイさん…!だ…誰かに見られているような…気がするのよ…!」

レイスさんは怯えきっている。

「大丈夫です。必ずお守りしますから!」

私は気丈に振る舞う。


(「この私、ルシファー・レイス・ナイトメアは」…ルシファー・レイス・ナイトメア” は ”…)

私の脳に電流が奔る…!


「まさか…!」

そんなの…あんまりだよ…!


(一刻の猶予もないわ…!)

「レイスさん!急いでゲート達に知らせ―」


その言葉が言い終わらない内に―


熱い痛みが、私の脇腹をレイス夫人ごと貫いた…!


「ぐうッ…何で!?」

私は痛みよりも恐怖が勝つ。全く気配が感じられなかった…


見えない攻撃…迂闊だったわ…!


私は直感で悟る!

(マズい…また来るわ!)

私はレイスさんと共に身体を捻る!

その刹那、黄色い光が…私の頬を掠めた…!

レイスさんは、あまりの痛みで気絶してしまった…。

「ごめんなさい、レイスさん…!」

でも、今はそんな事を引きずってはいられない。

私は痛みを堪えながら、レイスさんを連れて物陰に隠れる…!

(あれは…ビーム?!しかも遠隔操作できるってことよね…。)

しかし、悠長に考えている時間はなかった。

突然、恐ろしいくらい清楚な声が、私の頭に直接響く…!

『気づくのが早いですね…アイさん。あなたは前々から鬱陶しかったし…いい機会です。』

『その手紙を置いて…蜂の巣になりなさい。』

その言葉と同時に、無数のビームが頭上から振り注ぐ!

「…! ルシファーァァァ!!」

私は氷でビームを防ごうとする。


しかし…


「ぐっ…!」

氷ではすぐに溶かされてしまう。

全身が痛い…!


(ごめんね……ソニアちゃん…メビウス…ゲート。せめて―)


私は最後の力で『女神の彗眼〈ディア・オクルス〉』を発動する…!


(お願い…誰か近くに…!)

私はビームに身体を貫かれながらも懇願する…。


…私は”持ってる”側だったみたい。


私の目が”彼”を捉える!


(よかった…!)


手紙に血を塗り、凍らせる!

ビームで弾き飛ばされた棚や食器が、落ちてくる…。 


「マギアノクス…」


私は詠唱する。


『グラキエース・サジッタ…!』


その刹那、私は凍らせた手紙を高速で打ち出す…!

「アンタに託すわ…!気づきなさいよ、」

家具とビームの餌食になる寸前、私は彼の名を口にした―。


「ゲート…。」


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