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06.最適解への挑戦

放課後。


昇降口は、帰る生徒で混み合っていた。


ローファーの音。

話し声。

風が、ゆるく流れ込んでくる。


その中で。


ピコン。


頭の奥で音が鳴った。


『パンツイベント発生予測』


――っ


視線が動く。


少し先で、女子がローファーを履き直している。

片足立ちで、体がわずかに揺れていた。


あれだ。


一歩、踏み出す。


この位置なら見える。


……あとは時が来るのを待つのみ。


女子が立ち上がる。


かかとが入らない。


バランスが崩れる。


……来た!


「っ……」


体が、後ろへ傾く。


その背後は、段差。


――いけ!!


「きゃっ!」


音が響く。


スカートが揺れる。


「……なっ!?」


見えない。


視線が通らない。


「……そんな馬鹿な」


足を止めたまま、考える。


今のは悪くなかった。


距離も、位置も、タイミングも。


それでも――


見えない。


「……」


小さく呟く。


「姿勢が崩れても、視界には入らない」


視線が落ちる。


女子は床に手をつき、起き上がろうとしていた。


一歩、前に出る。


「立てるか」


手を差し出す。


女子が戸惑いながらも、手を取る。


引き上げる。


体が起き上がる。


――だが。


見えない。


視線を細める。


女子が頭を下げる。


「あ、ありがとうございます……」


「気にするな」


手を離す。


一歩、下がる。


「……ふむ」


転んだあとじゃ遅い。


立つ瞬間でも足りない。


なら――


「……もしかして」


小さく呟く。


「先に動かないと、見えない」


そのとき。


ピコン。


頭の奥で音が鳴った。


『パンツイベント発生予測』


来た。


視線が動く。


少し離れた場所。


女子が一人、ローファーを履き直している。


片足立ち。

体が揺れる。


――あれだ。


今度は少し距離がある。

だが、条件は同じ。


「……」


迷わずに距離を詰める。


女子が立ち上がる。


かかとが入らない。


バランスが崩れる。


「っ……」


体が傾く。


――ここだ!


手を伸ばす。

腕を掴み、そのまま引き寄せる。


……来たっ!


視界に確かな色が入る。


「あ、ありがとうございます……!」


周りがざわついてる気がするが、

そんなことはどうでもいい。


それより――


「……やっぱりだ」


小さく呟く。


「手を出したことで、見えた」


一瞬、思考が整理される。


位置は関係ない。


距離も問題じゃない。


必要なのは――


「介入」


何もしなければ、成立しない。


最適解を選べ、ということか。


……おもしろい。


神よ。

その挑戦、受けて立とう。


「いや、挑戦してないから」


どこかで、ぼそりと声がした。


パンツにも最適解はあるらしいです。


明日も更新します。

次回もよろしくお願いします。

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