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魔王を殺した王子、私を救った恋人  作者: 凪塩 未来


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シーズン2 第6話 :蘇る闇の軍勢

シーズン2第6話「蘇る闇の軍勢」をお届けします!

北方の遺跡でペンダントの秘密と敵の恐るべき企みを知ったミリー。しかし、時を同じくして王都アストレア城にも魔の手が伸びていました。謎の黒い霧に包まれた故郷を救うため、ミリーは急ぎ帰路につきますが――。


それでは、シーズン2第6話のスタートです。

北方の凍てついた遺跡で魔導士との激しい攻防が繰り広げられていたその頃、アストレア王国の王都の上空は、異様な気配に包まれていた。


どこからともなく湧き出たドス黒い霧が、街全体をすっぽりと覆い隠し、太陽の光を完全に遮断していく。

かつて平和を取り戻したはずの白亜の王城は、今や不気味な紫色に明滅する魔法陣の光に囲まれ、まるで別の要塞へと変貌させられていた。


「な、なんだこれは……! 城の門が開かないぞ!」


王都の警備兵たちが慌てふためき、城門へと駆け寄る。しかし、城壁を伝う黒い霧に触れた者たちは、一瞬にして生気を奪われたようにその場に崩れ落ち、動かなくなってしまう。


城の最奥、玉座の間。

そこには、かつてロイと共に戦い、王国の平和を支えたはずの信頼厚き近衛騎士団の副官が、冷酷な笑みを浮かべて立っていた。彼の両眼は、半年前のエンペラー将軍と同じ、どす黒い紫色に染まっている。


「……フフフ、計画通りだ。北方の儀式が成功すれば、この王都は完全に我が君の足元にひれ伏すことになる」


彼の周囲には、城内の使用人や騎士たちが生気のない目で整列していた。誰もが精神を乗っ取られ、黒幕の操り人形と化しているのだ。


その絶望的な状況のなか、北方の遺跡から決死の思いで馬を走らせ、王都の門前へとたどり着いた人物がいた。

――ミリーである。


「……っ! この気配は……!」


遠くからでも一目でわかる、異常な黒い霧の立ち込め方に、ミリーは息を呑んだ。

馬を降り、城門へと近づこうとした彼女の前に、かつての仲間であったはずの近衛騎士たちが、音もなくずらりと立ちはだかった。その全員の瞳が、狂気的な紫色に光っている。


「そこまでだ、女王ミリー。これ以上近づく者は、たとえ誰であれ容赦はしない」


操られた騎士の声が、冷たく響く。

ミリーは悔しさに唇を噛み締め、護身用の短剣を強く握りしめた。ペンダントはまだ敵の手に渡ったままだ。聖なる盾を失った彼女の前に、かつて命を預け合った仲間たちが敵として立ち塞がるという、あまりにも残酷な現実が突きつけられていた。


(みんな……正気を取り戻して……!)


心のなかで叫びながらも、ミリーは怯むことなく一歩前に出た。

王国を、そしてロイが命を懸けて守り抜いたこの場所を、絶対に闇の手に渡すわけにはいかない。

シーズン2第6話「蘇る闇の総勢」をお読みいただき、ありがとうございました!

王都が黒い霧と洗脳された仲間たちに支配される中、単身で帰還したミリー。絶望的な状況のなかで、彼女が下す決断とは――?


次回、シーズン2第7話「失われた記憶のパズル」では、黒幕の正体と、かつての親友の騎士に隠された悲しい真実が明かされます。

ぜひお楽しみに!

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