シーズン2 第5話 :真実の眼の秘密
シーズン2第5話「真実の眼の秘密」をお届けします!
幻影の罠を打ち破り、遺跡の最奥へとたどり着いたミリー。そこで彼女を待っていたのは、『真実の眼』のペンダントに隠された、アストレア王家の血筋にまつわる驚愕の歴史でした。
それでは、シーズン2第5話のスタートです。
「幻影の回廊」を抜けた先は、かつて魔王の神殿であった場所だった。
天井は崩れ落ち、外の冷たい黒雪が静かに舞い降りるその中央で、元・宮廷魔導士が待ち構えていた。その足元には、黒く澱んだ魔法陣が描かれ、奪われた『真実の眼』のペンダントが奇妙な脈動を繰り返している。
「よくぞここまでたどり着いたものだ、女王ミリー。だが、もうお前の旅もここまでだ」
魔導士が不敵に笑い、ペンダントを掲げた。
その瞬間、ペンダントの青い宝石から強烈な光の柱が天に向かって噴き出し、周囲の空間をびりびりと震わせた。光の奔流の中で、過去の記憶の断片が、まるで幻灯機のように空間に映し出されていく。
それは、アストレア王家の祖先と、初代「真実の眼」にまつわる創世の歴史だった。
(これは……一体……?)
映像の中では、何百年も昔の王家の祖先が、魔王の強大な力に対抗するため、自らの魂の一部を宝石に封じ込める儀式を行っていた。
『真実の眼』とは、単なる魔王の封印道具や結界石などではなかったのだ。
それは、王家の血を引く者の魂と、異世界や別の次元に存在する「強い絆の気配」を繋ぎ止めるための、魂のアンカー(錨)であった。
ゆえに、このペンダントの真の力を引き出せるのは、血筋の魔力を持つ者だけでなく、「失われた魂を強く想う者」の純粋な執念のみ。
「気づいたか、女王よ」
魔導士が冷酷な笑みを深める。
「あの第一王子ロイが命を賭して将軍を滅ぼしたとき、彼の魂は完全に消え去ったわけではない。その魂の欠片は、このペンダントの共鳴によって、まだこの世界のどこかの狭間に漂っているのだ……!」
ビクリと、ミリーの心臓が激しく跳ね上がった。
「……なに……?」
「我が君は、そのロイの残された魂の欠片を利用する。このペンダントの resonance(共鳴)を利用して、彼の魂を引きずり出し、今度こそ完全に魔王復活の依代にしてやるのだ!」
ぞっとするような恐るべき企み。
ロイの魂がまだこの世界のどこかに残っているという事実への歓喜と、それを悪用されようとしている怒りと恐怖が、ミリーの中で激しく入り交じった。
「そんなこと……させるものですか……!」
ミリーは叫び、短剣を構えて魔導士へと突撃した。
しかし、ペンダントから放たれた強烈な魔力の障壁に弾き飛ばされ、彼女は冷たい石畳の上に強く打ち付けられる。
「無駄だ! お前のその無力な足掻きが、我が君を目覚めさせる最後の贄となる!」
魔導士が詠唱を最高潮に高め、ペンダントの光が最高度の禍々しさを帯びたその時――。
突如として、アストレア城の方角から、そしてこの北方の凍土の空から、信じられないほどの激しい地響きが轟いた。
王国の運命を揺るがす、さらなる異変が今、幕を開けようとしていた。
シーズン2第5話「真実の眼の秘密」をお読みいただき、ありがとうございました!
ペンダントの真の正体が、魂を繋ぐアンカーであることが判明し、敵の真の狙いがロイの残された魂を利用することだと発覚しました。
次回、シーズン2第6話「蘇る闇の軍勢」では、王都に戻ったミリーを待っていた、黒い霧に包まれたアストレア城の絶望的な光景を描きます。
ぜひお楽しみに!




