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レプリカトーン  作者: 三堂いつち
キツネの檻
20/40

幕間:そういや

ショートストーリーみたいな

「なんだか見られてる気がする」


 そう感じたのは、Fall Edgeの四人で町を歩いている時だった。


「気のせいじゃない?」

「いや、ほら」


 アカネの言葉に、俺はある方向指差す。その先には男がいて、俺が指を差すと顔をサッと明後日の方向に曲げた。


「な」

「確かにそうね。全然気づかなかったわ、アタシ」

「じゃあ俺が見られてるのか?」


 なぜ?という言葉が頭のなかに沸き上がる。

 これまで、こんな視線を感じたことはなかったのだが、防具を新調した辺りから急に感じるようになったのだ。

 不可解な話である。


「しかも、たまに睨まれてるみたいなんだよな」

「怖いわね」

「だろ?」


 中には明らかな敵意を向けてくる者もいる。それはもう、明確に。

 はて、何かやらかしてしまっただろうか。あいにく俺には心当たりがない。


「それは簡単な話ですよ」

「せやせや」


 俺とアカネが首を傾げるのに対し、シアンとソニアは「分からないの?」みたいな感じで話に入ってくる。


「姐さんはともかく、アキは分からんのか」

「アキくんにそこら辺の感覚を求めるのは間違いですよ」

「そやったな」

「オイ。何かは知らんが貶められてるのは分かるぞ」


 俺が不機嫌な声で言えば、2人はとぼけた顔をする。


「分かってるなら教えてくれよ」


 聞かなければずっとはぐらかされるだろう。なので早い内に聞いてしまうことにする。

 もう少しからかわれるかと思ったが、2人は案外すんなりと答えてくれた。


「そら、こんな美人3人に囲まれとったら嫉妬モンやろ」

「自分で美人って言うのは気が引けますが。まあ、男の子が女の子に囲まれてたらそうもなりますよね」


 …………。


「あっー!!」

「なんや!?ビックリするなぁ」

「どうしたんです?」


「そういやそうだった!!お前ら女だったんだ」


 そうだそうだ。

 今までが今までなだけに、そういう感覚が麻痺していた。一応女性の扱いはしていたが友人感覚が強くなりすぎて、うっかり女の子だってことを失念してしまっていた。

 もうそんなん関係ない位のゲーム仲間として思っていた。


「なるほど、そうかそうか。そうだよな、パーティメンバー女子ばっかだったんだったな……、っていない!?」


 腕を組んで、衝撃の事実に唸っていたらいつの間にか1人になっていた。




 ……視線を感じる。今度は哀れみの視線を。

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