幕間:そういや
ショートストーリーみたいな
「なんだか見られてる気がする」
そう感じたのは、Fall Edgeの四人で町を歩いている時だった。
「気のせいじゃない?」
「いや、ほら」
アカネの言葉に、俺はある方向指差す。その先には男がいて、俺が指を差すと顔をサッと明後日の方向に曲げた。
「な」
「確かにそうね。全然気づかなかったわ、アタシ」
「じゃあ俺が見られてるのか?」
なぜ?という言葉が頭のなかに沸き上がる。
これまで、こんな視線を感じたことはなかったのだが、防具を新調した辺りから急に感じるようになったのだ。
不可解な話である。
「しかも、たまに睨まれてるみたいなんだよな」
「怖いわね」
「だろ?」
中には明らかな敵意を向けてくる者もいる。それはもう、明確に。
はて、何かやらかしてしまっただろうか。あいにく俺には心当たりがない。
「それは簡単な話ですよ」
「せやせや」
俺とアカネが首を傾げるのに対し、シアンとソニアは「分からないの?」みたいな感じで話に入ってくる。
「姐さんはともかく、アキは分からんのか」
「アキくんにそこら辺の感覚を求めるのは間違いですよ」
「そやったな」
「オイ。何かは知らんが貶められてるのは分かるぞ」
俺が不機嫌な声で言えば、2人はとぼけた顔をする。
「分かってるなら教えてくれよ」
聞かなければずっとはぐらかされるだろう。なので早い内に聞いてしまうことにする。
もう少しからかわれるかと思ったが、2人は案外すんなりと答えてくれた。
「そら、こんな美人3人に囲まれとったら嫉妬モンやろ」
「自分で美人って言うのは気が引けますが。まあ、男の子が女の子に囲まれてたらそうもなりますよね」
…………。
「あっー!!」
「なんや!?ビックリするなぁ」
「どうしたんです?」
「そういやそうだった!!お前ら女だったんだ」
そうだそうだ。
今までが今までなだけに、そういう感覚が麻痺していた。一応女性の扱いはしていたが友人感覚が強くなりすぎて、うっかり女の子だってことを失念してしまっていた。
もうそんなん関係ない位のゲーム仲間として思っていた。
「なるほど、そうかそうか。そうだよな、パーティメンバー女子ばっかだったんだったな……、っていない!?」
腕を組んで、衝撃の事実に唸っていたらいつの間にか1人になっていた。
……視線を感じる。今度は哀れみの視線を。




