55話:学園都市ミネルバ
馬車に揺られること3日間。王立魔法騎士学園がある学園都市ミネルヴァに到着した。
「ここが王立魔法騎士学園」
「正確には、学園がある学園都市ミネルヴァだな」
王立魔法騎士学園を中心に1つの街が形成されている。学園に関わる物を全て購入出来る代わりに世界共通の貨幣については学生は使用不可になっており、独自の貨幣として学園ポイントを採用されている。
ここでは貴族・平民は平等と教訓の1つとして掲げられており、今まで甘やかされていた貴族程に厳しい仕様となっている。
「ここでは、貴族・平民は関係ない。もちろん、王族もだ。みんな平等にがモットーになっているからね」
ただし、何事にも抜け穴があるものだ。ここで言う平等とは貴族や平民の立場に関してだ。職業に関しては平等ではない。
学園ポイントの稼ぎ方は、月毎に1回配られる他に成績によってはボーナスが貰えたり、バイトや先生の手伝い等で稼ぐ事も出来る。
他には剣士科なら魔物の討伐、魔法科ならスクロールの作成して売買、錬金科ならポーションや魔道具の作成して売買が挙げられる。
「あれが王立魔法騎士学園だ」
「うわぁ」
「大きい」
王城と比べて、どちらが大きいのだろう?他の国からも留学してくるという。世界一大きい学校というだけはある。
「試験は明日だ。試験といっても実力によってクラスを分けるだけだ。落ちる訳ではないから気楽に行くといい」
「うん、パパ分かった」
「ここまでの護衛、第2王女の名において感謝致しますわ」
「アテナ様、勿体無いお言葉光栄でございます。我が娘がお世話になってる手前、当たり前の事をしたまでです」
うっ、恥ずかしい。友達と親が話してる様子は、王城でなら特に話していても羞恥心はないが、それが外だと急に恥ずかしくなる。
「今日泊まる宿はここだ。明日のクラス決めの試験が終了した後、その日から寮暮らしになるから頑張るんだぞ。荷物は既に寮の部屋へ運ばれてるはずだ」
「一人部屋なの?」
「俺が通っていた頃と変わっていなければ、二人部屋のはずだ」
「えっ?パパも通っていたの?」
それは知らなかった。
「言ってなかったか?ママのアリアと出会ったのも学園だしな。その当時、俺が剣術科の首席でアリアが魔法科の首席だ」
えぇぇぇぇ?!
「まぁ、では、ラピスも首席間違い無しですわね」
アテナの眼差しがキラキラして眩しい。アテナの期待が重くて潰れそうだ。
「俺とアリスの娘なんだ。首席なんて朝飯前だろうな」
パパまで、そんな事言うの!ここにママが居なくて助かったかもしれない。
「ラピス様、俺達の師匠なんですから首席なんて余裕ですよね」
パパの部下までもそんな事を言う。まぁ数年前にやった最初の模擬戦で見事に勝利を収めてしまってから、私(俺)のことを師匠と呼んでいる。
「ごほん、そ、そんな事より長旅の疲れも溜まっているはずよ。パパも皆さんも休んでちょうだい。アテナも部屋にいこ」
「うん」
仲良く手を繋いで宿屋の部屋に行った。二人部屋で、王城の部屋よりは狭いが、そこそこの広さだ。貴族の家族を泊まる事を想定してるであろう内装だ。
「明日楽しみ」
「試験は筆記と実技で分かれてて、午前は筆記、午後は実技みたい」
筆記は全部で三教科
歴史・語学・算術
実技は魔法科と騎士科と錬金科に分かれ、試験をやる。
魔法科は、得意属性の魔法を的に当てるという試験だ。詠唱の速度・コントロール・魔法の強さを見て採点する。
騎士科は、教官と模擬戦をし、武器を扱う技術・スタミナ・精神面・武器関連の技能・筋力等採点される。
「ここが大浴場みたい」
「流石、貴族御用達の宿屋」
身分が関係ないのは、あくまで生徒のみ。まだ、入学してない状態では、まだ生徒ではない。なので、今まで通りに金銭で今日までは泊まる事が出来る。
「ラピス洗いっこしましょう」
「えっ?!い、いいよ」
まだ10歳とはいえ、恥ずかしい。だが、相手は王女様だ。断る訳には行かないし、アテナの悲しむ顔を見たくない。
「城だったらメイドがいるんですもの。中々ラピスを洗える機会なんてないわ」
それはそうだけど、転生前は男だった手前、羞恥心が抜けきらない。
まだ、出会った当初の3歳時点では大丈夫だった。というか、その時点で興奮してたらヤバいだろう。
でも、10歳での状態は世間からしたら、まだ幼い部類に入ると思うが、流石異世界と言うべきか。成長が早い。大人の特徴が、もう表れてるのだから。




