もう一人の会長
お久しぶりの、本編更新です。
「平太?貴様なぜシズクと一緒に登校している?」
「あ、ね―――会長。おはようございます。昨日少々こっちに用がありまして・・・」
「平太さん、・・・その昨日は、痛い思いもしましたけど嬉しかったです。・・・最後は気持ちよくしてくれましたし・・・」
「待て、雫さん。それは誤解を生む!?」
「ちょっとOHANASIしようか、平太?」
「ご、誤解だ―――――――――――――!!・・・こうなったら、Which is?」
その瞬間、時間が止まる。僕の前にはあったことを正直に話すか、ごまかすかの選択肢が出ていた。
さて、その二つのどちらをえらうかの前に、なぜシズクがあんなことを言ったか。
それは少し時間を巻き戻してみよう!
―――昨日の夜。レース終了後の森の中
「それで、彼女はどこへ向かったのですか?」
「私の借りている家」
「こんな山奥にですか?」
「そうだよ~」
今現在僕はクイーンと共に森を歩いていた。この道はどこか整備されている気配があり、歩きやすかった。
「しかし、こんなことしているん手驚きですよ。雫先輩」
そう言ってクイーンは僕の方へ振り向く。
そこはちょうど月明かりが差し込み、彼女の美しさとも相まって幻想的な空間を演出していた。
彼女の顔を覆っていたフルフェウスは先ほど貸してしまい、手元にはなく今はここにはいないあの子の服を着ているため少し苦しそうになっている。(いろんな部分が)
正直目のやり場に困るのだ。
「先輩、少しキャラ違いません?」
「そーお?眠いとぽわぽわしちゃうんだ~」
なんかこんなふわっとした先輩は正直意外だった。
やがて森をぬけ、山小屋の多くあるポイントへと着く。
・・・こんな近道があったのか。おぼえておこう。
すると、近くのなかなかきれいなコテージの前に見覚えのあるバイクが置いてあった。
「あ、先輩!」
そう言って出てきたのはラフな格好にライダースーツを持った不審者ちゃんだ。
「・・・あなたもいたのですか」
「あー、ちょっといいか?僕の記憶が正しければここは君たちの校長の別邸だったと思うのだが・・・」
「そうですよ」
「っていうか、何時まで先輩と一緒にいるのだ!」
不審者ちゃんはそう言って僕と先輩を引き離した。
静香は楽しそうに笑う。
「君はいつまでその姿でいるのかな?確かにバイクの免許を持っていないから偽装する必要はあっただろうけど、そろそろ戻っていいころだろ?」
「あ、忘れてた」
平太はそう言うと指輪の宝石部分をはじく。
すると、再び魔方陣が現れ瞬く間に平太は高校生の伸長へと戻った。
服装は魔方陣によりぴったりのサイズに戻っている。
「・・・久しぶりといった方がいいのかな?ゆき」
「・・・」
「ユキどうし―――!?」
ユキからの返答がなく朋友が驚いて困惑しているのを見た雫はユキの方を見ると彼女は大粒の涙を浮かべ、ていた。
「・・・へいちゃん先輩?」
「ああ、そうだよ」
「センパ―――――――――――イぃ!」
彼女はヘイタにそういって抱き着き、その勢いに負けたヘイタはそのままうしろに倒れてしまった。
ヘイタはそのまま彼女をやさしく抱きしめた。
積もる話はあるものの外で話すのもなんだったので中で話すこととなった。
「クロノス、バイクのメンテナンスをしておいてくれ」
『自動修復と改善提案を翌朝に提出します』
クロノスにバイクのメンテナンスを頼んだヘイタをシズクは驚いたように見ていた。
「ヘイタくん、いまのは?」
「・・・トップダウン型序数列式プロトタイプAI 型式α クロノスですよね?」
「そのとおり。かつて『異端』と呼ばれた自分と『全能』と呼ばれた朋友、そして『天才』呼ばれた湊の三人で作り上げた、僕たちの補助AIです」
「そう…やはりあなたは中二病を空想で終わられなかった鬼才集団『白衣』のリーダー Doktor ZEROなのね」
「どうせ調べていたのでしょう。近衛六家 今井家 令嬢 今井 雫様」
「あら、あなたがそれを知っているとは意外…というほどでもないのかしら?家を勘当されても情報収集はしていたようですが?」
雫会長は蒼の女王と呼ばれると同時に冷徹なる女帝と呼ばれ、徹底した情報収集能力とカリスマ性で集団を扱うことにかけては一流企業の社長にも引けを足らない。話術もすごいが一番は武術・・・というか、身体能力。軍所属の軍人を5人相手しても彼女は余裕で無力化できる。
その彼女の威圧はすさまじく、向けれているわけでもないユキが恐怖を感じていた。
実は彼女はユキに恐怖を与えるの承知・・・というかわざと少し向けている。
というか殺気をコントロールしているのに少しヘイタは驚いていた。
先のコントロールは武の達人のほんの一握りの存在しかできない。大抵は消すぐらいだ。
それをこなして、なおかつヘイタには一般人なら向けられただけで心臓麻痺を起こしかねない殺気を向けてきた。ヘイタはユキが恐怖を感じていることに気が付くと、口をひらく。
「まあ、今回は瑞ヶ丘生徒会 会計としてきただけですから」
するとさっきまでむけられていた殺気が嘘のように消える。
ユキは安堵の息を吐き、ヘイタはユキに「お茶を頼めるかな?」と言って一旦この場から離れることをすすめる。
ユキは頷いて台所へと向かう。
ヘイタは再び雫会長とにらみ合う。
雫会長は相変わらず無表情でいるがヘイタはそれを見逃さなかった。
「シズクさん、ソファに横のなってください。・・・溜まってますよね?」
「・・・」
彼女はほほを真っ赤にして頷く。
「恥ずかしがらないでください。・・・すぐに解消してあげますから。・・・僕の手で」
ヘイタはそう言って雫会長の後ろへと回る。
そして彼女を後ろから抱きこむように手を回し・・・
「はーい、肘を伸ばして―」
彼女のからだをストレッチさせた。
「イタッタタタタ・・・あっ、もっとやさしくぅ」
「・・・そんな声生徒に聞かれたら幻滅されますよ?」
「はは、君はそんな事しない・・・と言うかできなと思っているからこの深夜モードの私を見せているのだよ。二人の秘密だな」
雫生徒会長はそう言ってまるで少女のように笑う。
その笑顔はこの間見た綺麗な笑顔では無く、幼い少女のようで、とても可愛かった。
その瞳は透き通り、引き込まれてしまいそうだった。
「へいたくん?」
そう呼ばれて我に帰ると、彼女の顔がまじかにあって思わず平太は後ずさってしまった。
するとそこには、おもちゃを見つけた子供のようなとろんっとした表情の彼女が平太をソファに押し倒し、「照れちゃって可愛いの〜」そのまま馬乗りとなりと頬をつつく。
「や、やめてください!」
「ふふ、ふーん・・・」
雫が頬をつつくのをやめたが降りてくれない。こうなっては文句の一つでも言おうかと、恥ずかしくて直視できなかった彼女の方を見ると、雫の頭がヘイタに向かってゆっくり振り下ろされるところだった。
「うわ!」
平太はおもいっきり振り下ろされそうになった雫の額を抑えた。
「私は〜、寂しいぞ。あーちゃん…」
それは彼女の寝言だったがそれはヘイタに罪悪感を抱かせるのには十分な一言だった。
今年最後の更新となってしまいました。では続きは、また来年。




