夏休み前は少し面倒です
遅くなりました……
時が過ぎ、長期休暇の季節になろうとしていた
「しかし、お前らの噂が広がらねえなんてな。」
「どういうことよルイス?」
「いや、あれだけ規格外の力を持っていて、他の同級生はおろか、俺らにかかわりのない先生も知らないなんて馬鹿げているぞ」
「そうよね……それは私も思っていたけど」
「しかし、今期はいいが来期が……」
「何かあるの?」
「ああ、二期生からは全員期末に行われる演武に参加しないといけない」
「演武?」
「お前、本当に貴族の娘か?」
「悪かったわね、無知で」
「それはおいておいて、演武というのはこの大陸にある国の学生を集めて行われる競技会だ」
「へえ」
「各国は戦争をしなくなってからこの演武でお互いの国力を誇示するようになってる」
「それと私たちに何の関係が?」
「お、お、あ、り、だ!」
「ひっ」
「シル、いるか?」
「何ー? ルイスー」
「ちょっと話があってな」
「?」
「まあいい、アルシー、シル、お前たちはどうしたい?」
「そういうことね」
「どうしたの? アルシー?」
「ルイスはね、私たちが静かに過ごしたいなら、参加するなって言ってるのよ」
「そうだ」
「?」
「まあ、シルには後で言っておくわ」
「ああ、そうしてくれ」
「で、出ないのは可能なのかしら?」
「俺の親父の特権使えば楽勝だが……」
「そうよね、Sクラスのうちの二人が参加しないっていうのは厳しいわね」
「そういうことだ」
「私たちに覚悟が必要というわけね」
「いや、そういう訳じゃないんだ」
「?」
「手加減するんだ」
「無理よ」
「は?」
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数期前
「アルシー、シル、私の弟子ならこれだけは守ってほしいことがあるの」
「なんですか! 先生!」
「いい反応ねシルちゃん」
「へへ」
「アルシーもいい?」
「うん」
「私の教えを乞うたものはどんな時でも全力を尽くしなさい、それが自分の不利益となろうとも」
「母上?」
「アルシーはわかってるんでしょ?」
「ああ」
「それを踏まえてもね、私は力を抜くべきじゃないと思うの」
「私は良くても、シルは!」
「アルシー、気づいてるのでしょ、シルちゃんも十分規格外よ」
「……」
「外では自分たちがふつうだと思っておきなさい、でも事実も知るべきよ、あなたたち二人が普通じゃないと」
「……それはわかってるそれに……シルは、俺が絶対守る」
「アルシー……」
「アルシー? どうしたの? そんなくらい顔して?」
「シルちゃんなんでもないわよ」
「ええ、気にしないで」
「うん」
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「だから、私たちは手を抜けない」
「教授は……いや、なんでもない」
「意図しているところはわかってるわ」
「そう、だな」
「ねえねえ二人ともどうしたの?」
「ふ、なんでもないわ、ねえ、ルイス、今からお茶にしない?」
「ああ、ではお呼ばれしようか」
アルシーとシルベリータ両名がこの世界に知られるまであと少しになるのだった




