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与太話 その1

ジャンヴァルディ侯領


「アルシーの報告だとこれか?」


「そうですね」


「ルナン、先ほどから気になるのだが」


「なんでしょうか?」


「なぜそこにいる?」


「奥方様より言付かっていますので」


「なんと?」


「視察中に別の(ひと)に現を抜かさないようにと」


「……あいつ、まだ根に持っているのか……」


「旦那様、あの事ばかりはいくらなんでも許せるものではありませんので」


「しかしだな」


「しかし?」


「い、いや、なんでもない」


「はあ、私を奥様と間違えて押し倒すなど……」


「ルナンーーーーーー!」



閑話休題(それはともかく)



「しかし、これから本当に油など取れるのか?」


「知りませんよ」


「まあ、そうだよな」


「領民も知らないのだ、この木に関してはどこでも生えているから誰も気に留めることはないのだ」


「確かに、この木は領内なら何処でもありますね」


「まあよい、帰ったらジャックに頼もう」


「また、懐かしい名前ですね」


「最近では息子に職を譲ったらしいからな」


「ではなぜ今?」


「隠居中で暇だとこの前手紙が来てな、暇つぶしに研究させるつもりだ」


「そうなのですか」


「学校の時の同期はおまえ(・ ・ ・)も含めて皆優秀だったからな」


「そうですね……なんせ、5000年に一度の大魔女も居ましたし」


「いつも思うのだが聊か誇張が過ぎんか?」


「いえ、正当な判断です」


「まさかと思うが……アルシーもなのか?」


「報告に上がっていませんでしたか? アルシー様が測定器具を破壊してしまったということを」


「聞いてはいたが……」


「あの器具、魔力値5000までは余裕に測れる機材だったんですよ?」


「5000? たかがそれだけか?」


「旦那様、まだ10の少女がですよ」


「…………」


「確かに5000と言えば宮廷魔術師の平均値です、しかし、アルシー様はすでにその値を超えておられたんですよ、それにシルベリータ様もです」


「何!」


「王国で上位に入るか入らないかの侯爵家ですが、旦那様方の役職等を考えますと大公に次ぐ力をお持ちだとそろそろ自覚してください」


「いや、それとアルシー達の話に何の関係が」


「大ありです! 旦那様は確かに情報に鋭く、政治的な目も持っておられますが自分の周辺の評価が甘すぎます!」


「うっ」


「いいですか? そのような力のある家に大魔道師が生まれたということです、ですから、旦那様は・・・・・・・・・・・」



この後ドルイは長々と説教を食らうはめになるのだった


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