あの日、あの時の記憶
アルシーこと安見安吾が己の性が変わっていたことに気付いたのは実は生まれて直ぐではなかった
これは、アルシーが初めて己を男ではないと認識した日の記録である
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[ドルイ・ラ・ジャンヴァルディの日記]
皇紀4046期 アルダーノの月 二つ
今日は我の娘の1歳の誕生日である
この国の風習では子供が長生きするように15歳の時の服を送る風習がある
我もその風習に則りアルシーにドレスをプレゼントした
アルシーはまだ生まれてまだ一期
ようやく自分でいろいろな場所へ這って動けるようになってきたところだ
しかし、あのプレゼントを見たときののアルシーにはなんとも言えない表情が浮かんでいたのは見間違いなのだろうか?
少し、驚愕が混ざった表情をしたように思うのだが……
アーシャに言ったところ
思い違いだろうとのこと
釈然としないが、我の娘がこの先も元気に成長することを祈って今日の筆を置こう
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俺が生まれてそろそろ一年か……
赤ん坊の体ってのも変な感じだなほんと
最近はようやくいろいろと見回ることができるようになったし
やれることも増えて楽しい!
そして大人の会話の内容もおぼろげながら理解できるようになってきた
こればかりは赤ん坊の頭の柔らかさに感謝だな!
言語体系のまったく違う言葉の会得なんて直ぐにできるわけないからな!
それはそうと、今日は俺の誕生日らしい
プレゼントなんだけど、どうやら15歳の時の衣装? らしい
大人の言っていることの推測だし、まだ意味もおぼろげだから確実じゃないけど
一応、俺の名前と思しき言葉はわかっているし、誰が父親、母親なのかもわかっている
ただ、少し話がかみ合わないというか、なんか大きな部分を見落としている気がするのは偶然なんだろうか?
あ、母親がやってきた
「アルシーちゃん、今日も可愛いわね」
「ばぶばぶ」(本当に綺麗な人だよな)
「さてさて、今日はアルシーちゃんの誕生日! ドルイ、早く持ってきて」
「ああ、そうあわてるでない。 アルシーよ、今は何が何だかわからないと思うがこの服は将来お前が成人した時に着ることになる服だ、それまでもそれからも元気に育ってくれ」
「ば、ばぶ」(え、え、え、何? この服?)
「この服本当にきれいよね?」
「ああ、魔法で将来の体格が大体わかるから将来のアルシーに合う服を仕立ててもらったのだ」
「貴方はそういう仕事は本当に早くて正確よね」
「む、それはどういうことだ?」
「ふふ、私の時もそうだったって言いたいだけよ」
「ば、ばぶばぶ 」(え、ちょっとちょっと待って!)
「どうした? アルシー、この服が気に入ったのか?」
「きっとそうよ」
「ばぶ……」(これ、これ、女の服だよな! ちょっとまて、俺って男の筈……)
「さて、もう一つプレゼントだ」
そう言って彼が取り出したのは
「あなた……本当に抜け目ないわね」
「む? 今着れない服だけではさみしいと思ってな、今の服もついでに作ってもらった」
「さあ、アルシーちゃん、初めてと思うけど鏡で確認しましょうね」
「アルシーは自分の姿を見たことがないのか?」
「そうなの、鏡は壊れやすいから近くに置いてなかったの」
「そうなのか」
「じゃあ、部屋をうつりましょう」
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この時の俺の心境がわかるか?
そのあと、鏡で姿を確認
そして……
あの悪夢の時間……
赤ん坊の手は案外短く、自分でついているかを確認することができなかった
なので……脱いだ
後は、想像してくれたらわかると思う……
赤ん坊なので叫べなかった俺は
大泣きしたのだった
いつもありがとうございます!




