アーシャの杖
翌日
「アルシー、シルベリータちゃんよく来たわね! 後ろの子達は誰?」
「母上、私とシルのルームメイトです」
「あらそうなの! よろしくね、私はアルシーの母親のアーシャよ!」
「は、はじめましぃて……私はアルシーと同室のミーナ・ロマーネといいましゅ……」
(かみかみだな)
(ミーナ、ガンバレ! って、私もか)
(どうしたの?)
「ふふ、そんなに緊張しなくてもいいわよ」
「は、はい!」
「そちらの子は?」
「はい! 私はシルベリータ様と同室の」
「様付しないっていったの!」
「あ……シルと同室のルーネ・ヴァルイといいます!」
「あら、皆Sクラスなのね、どうしようかしら……これはアルシーとシルベリータちゃん用の課題なのだけど」
「母上、少し見せてもらっても?」
「いいわよ、どうせ後で見ないとできないものね」
「えっと……ああ、母上これは私とシルしか出来ないよ……」
「やっぱりそう思う?」
「うん」
「なら、二人はこれを最初の授業までに完成させておいてね! えっと、そこの二人には……」
((な、何!))
「杖あげてもいいかしら?」
「どうせ、最初の授業で渡すつもりじゃないの?」
「そうよ、もう渡しておくわ」
「え? ええええ!」
「どうしたの、ルーネ?」
「シル! 杖だよ! 杖!」
「そうだけど……それがどうしたの?」
「シル、実は杖ってすごく高いの」
「え? そうなの?」
「そうなのよ」
「でも、アーシャ先生はオル(リンゴもどき)を投げるみたいに私に渡してきたよ?」
「みんな考えすぎよ、これは私が作ったものだから」
「母上が作っていたのですか?」
「そうよ」
「「えええええええ!」」
「ちょっと、二人ともどうしたのよ」
「皆知らないの! 今一番高い杖って」
「アーシャさんが作ったものなの!」
「そうなの?」
「ふーん」
「二人ともまるで興味がないよ……」
「私たちの親の収入の100倍以上するのに」
アーシャの作った杖は素材、仕上げともに超がつく一級品として認知されているのだ
その値段は平均的な市民の一期の収入が金貨10枚であるのに対して白金貨10枚に相当する
白金貨一枚は金貨100枚にあたる
「へえ、そんなにするんだ」
「アルシー、それってどれくらいなの?」
「えっとね、私たちのお菓子の100年分ぐらいかな?」
「ええ! そんなにするの!」
((お菓子に毎年金貨10枚って……))
「先生! そんなに高いの受け取れないです!」
「いいのよ~、これの代価は学校から受け取ってるのよ」
「そうなの?」
「そうなのよ」
「シル、多分この課題、今までの杖じゃちょっと難しいよ」
「流石アルシーね」
「わかった!」
「それと、そこの二人には……この杖はまだ早いわね、アルシー、シルベリータちゃん二人の使っていた杖をあげてね」
「「はい!」」
((何、何が目の前で起こってるの?))




