ルーミアの授業その2
アルシーとミーナの部屋にて
「さて、お二方、準備は良いですか?」
「「はい!」」
「いい返事ですね、今から教えるのは基本的な食事のマナーとアルシー様とシルベリータ様両名の食事時の注意事項となります」
「覚えられるかしら……」
「だ、大丈夫だよ」
「心配しなくても私が覚えこませるので」
「「…………」」
(そういえばアルシーがルーミアさんに程々にとか言ってなかったかしら)
(シルベリータも頑張ってってすごくいい笑顔で言っていたよね)
((……))ガクガクガク
「どうかしましたか?」
「「い、いえ!」」
「では、始めましょう、まずは……席に着くところからですね」
そう、貴族のルールは食堂に入ったところからすでに存在していたのだ
(これ、マジでヤバい奴じゃないの!)
(うえーん)
ルーミアの容赦のない授業が幕を開けたのだった
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「違います! そこでするお辞儀は角度30度、次が45度です!」
「は、はい!」
「ミーナ! 椅子に座る前にお辞儀をしなさいと何度言えばわかるのですか!」
因みに2度目である
「は、はいいい!」
訓練は一人ずつ行われることになっている
なので……
(無理無理無理無理! あんなの絶対耐えられないよーーー!)
ルーネは恐慌状態だった
そして……
「まあ、それぐらいでいいでしょう」
「は、はいい……」バタン
ミーナの訓練が終わり
「さて、ルーネさん、ずっと見ていたのだから少しはわかりますよね?」
ルーネの訓練が開始されるのだった
(ルーミアさんが……すごく怖いよーー!)
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「先ほど、あなたは何をしていたのですか! まったく分かっていないじゃありませんか! そこは両手でお手拭を受け取る!」
「は、はい!」
「スープを飲むときは音を立てない!」
「はい!」
因みにミーナはぶっ倒れたまままだ起き上がっていない
そして漸く……
「まあ、食事は基本的なルールはこんなところです、お二方覚えられましたか?」
「「はい!!」」
「それは良かったです、次はアルシー様の家のルールですが……」
((いったいどんなルールなの……))
「楽しく賑やかに食べましょう」
「「え?」」
「それだけです」
「「…………」」
「そしてシルベリータ様のルールは」
((ごくり))
「静かにゆっくり食べましょう」
「「え?」」
「それだけです」
(なんだかすごく拍子抜けなんだけど……)
(ほんとだよ)
「ですが、先ほど教えたルールの上に成り立つものですのでくれぐれもお忘れのないように」
「「はい!」」
しかし、彼女たちは知らなかった
基本的なルールを成り立たせた上でアルシーの家のルールを適用することの難しさが
考えてみたら分かるが、にぎやかに食べないといけないのに、スープを飲むときは音を立てず、会話の声量の限度も決まっている
つまり、雰囲気に流されて基本ルールをおろそかにできないということだ
それを若干10歳ほどの子供が行うのだから
食堂にて
「でもアルシー」
「何?」
「アルシーの家のルールで食べるならアルシーが教えた方がよかったように思うの」
「それもそうなのだけどね、ルーミアの方が教えるの上手なのよ」
「俺はそのルーミアとやらに会った事はないな」
「確かにお茶の席に入ってはいけないというルールはないけれどもルイス、貴方、ごく自然に居ないでもらえるかしら?」
「さっきまで話していたんだ、お茶の席ぐらい同席するだろう」
「まあ、そうなのだけどね」
「ルイス、向こうで呼ばれてるよ!」
「うわ、あいつらかよ……」
「あからさまに嫌な顔ね」
「そりゃな……」
「アルシー、なんか嫌な視線を感じる……」
「あん? どこのどいつだ!」
(こいつもぶれねーな……)
「俺と話してるのに嫉妬してる女子どもだろう」
「よし! シルちょっと待っててね! 今すぐに」
「お、おい、何をする気だ」
「ちょっとお話しようかなって」
「やめとけ」
「あら、どうして?」
「俺が言っておくから」
「そこまで言うなら任せるわ、シル、部屋に戻りましょう!」
「うん! ルイス、またねー」
「おう」
「またね、ルイス」
「おう」
(アルシーがお話? 絶対脅迫になるぜ……)




