ルーミアの授業その1
最近忙しくて……すみません、言い訳です……
アルシーが向かった先は自室であった
「ルーミア、お願いがあるの」
「なんでしょうか?」
「私たちと一緒にいた平民の娘たちに食事のマナーを教えてもらえないかな?」
「問題ないですよ」
「ごはんもって此処に連れてこようと思ってるのだけど大丈夫?」
「任せてください、必ず習得させてみます!」
「ありがとう! じゃあ、ちょっと一緒に来て」
「はい!」
その頃食堂では
「アルシー遅いね」
「そう? そんなに経っていないと思うのだけど」
「私もそう思いますけど」
「アルシーが私を5分も待たせるなんて事今までなかったのに……」
「「え?」」
アルシーこと安見安吾は約束の時間の30分前に行動するとかいう類いの人間だった
それはこの世界に転生した今も変わることはなかった
この世界において、時間厳守という風潮は無く、基本的に10分遅れぐらいが日常的であった
そんなことを知らないシルベリータにとっては5分という時間を待ったことがなく故に長いと感じていたのであった
「シル、それはいくらなんでも……」
「そうですよ」
「嘘じゃないもん! アルシーは……」
「お待たせー! あれ? どうしたの?」
「アルシー! 遅いよ!」
「ごめんね、これでも急いだのよ」
「アルシー様、早くしないと周囲の目を惹きます」
「ああ、そうね、早くしないと」
因みに既に惹かれている
「アルシー様からあなた方二人に作法を教えるように要請されました、料理は私が運びますので、アルシー様とミーナ様の部屋に移動していただきます」
「「は、はい!」」
「では、アルシー様、シルベリータ様、また後程」
「うん! 二人ともがんばってね!」
「ルーミア、程々にね」
「はい」
そして三人が席を去った
「一気に淋しくなってしまったわね」
「うん……」
「ルーミアのことだから今日中には二人は大丈夫な状態にはなると思うわね」
「ルーミアさんの本気は怖いの!」
アルシーとシルベリータはルーミアに一度本気で怒られたことがある
その時、二人は恐ろしさのあまり泣き出したとか
「さて、冷める前にいただきましょう」
「うん!」
基本的に二人の食事はアルシーの家の作法になっている
「アルシー、あの二人のことどう思ってるの?」
「急にどうしたの?」
「アルシーはどう思ってるのかなって」
「いいお友達になれそうね、そういうシルはどうなの?」
「私もそう思う!」
「ふふ、それは良かったわ」
「貴族の生活が長いと自分を隠してしまう癖が出るからな」
「本当にそうよね……ってルイスか」
「あ、ルイス!」
「お前らかなり目立っていたぞ」
「「本当?」」
「自覚なしかよ!」
(こいつら、自分らが静かに佇んでいても注目を集めるってことを分かっていないな……)




