ふぇ! た、大公殿下!
何だか出てくる10歳児がみんな大人に見える……
その後アルシーはミーナを連れて食堂へと現れた
「あ、アルシー! こっち、こっち!」
「シル! 連れてきたよ!」
「初めまして! ミーナ・ロマーネって言います! よろしくお願いします!」
「シルベリータ・イル・フォンダーといいます、よろしくね!」
「る、ルーネ・ヴァルイといいます、平民の方ですよね?」
「そうです! シルベリータ様も貴族でしたか、無礼な物言い……」
「アルシーも言っていると思うけど私たちに対して敬語とかはいらないよ! みんなで楽しくやりたいもの、ね、アルシー」
「ふふふ、そうよ、後約一名もそういうのは気にかけないと思うけれど貴方達には少し抵抗が強すぎるかもしれないわね」
「ルイスの事?」
「そうよ」
「「大公殿下のご子息様ですか!」」
「ほら、流石に皆知ってるもの」
この国で大公ジャコバン・カロム・オルナンダルとその一族を知らない者はほぼいない
それは女王エリザベーラ二世に次ぐ実権を持ち、オルナンダル大公領における善政による名声が理由である
因みにアルシーとシルベリータの父親たちも彼に次ぐ善政を行っているのもかなり知られている
「シル、それよりも今日の夕食は何なのかしら?」
「そろそろ運ばれてくると思うの」
「あ、あの、ここは貴族様の席ですよね? 私たちが居てもいいのでしょうか?」
「その時はアルシー達が何とかしてくれると思う」
(もう、諦めるしかないよ! この人についていけばなるようになる!)
「ふふふ、そうよ、まあ規則にはここは誰でも使っていいって書いてあったけれどもね」
最早悟りじみたものを開いているルーネは心配なんてするだけ無駄という態度をとっている
「アルシー、誰か来たよー」
「あら、ルイスじゃない」
「おや、気付かれてしまいましたか? こちらの方々は?」
「私たちのルームメイトよ」
「ほう、そうなんですか。 初めましてルイス・カロム・オルナンダルと申します、同じクラスで末席を汚す物ですがどうかよろしくお願いします」
「ふぇ! た、大公殿下! 私たちはたかが平民の者です、そんな恐れ多い事申されると……」
「ああ、いいんですよ、そこのアルシー嬢やシルベリータ嬢と考え方は同じですしね」
「そ、そうは申されても……」
「アルシー達は良くても私は良くは無いのでしょうか?」
「そ、それは!」
「ちなみにアルシー達の爵位は侯爵ですよ」
「ふぇ!」
「え!」
「みんなどうしたの?」
「シルはぶれないわね……」
「ええ……」
「こ、侯爵……おしまいだああ」
「だから、なんでそうなるのかしら?」
「そ、そうよ、それなら私なんてもうこの世にいないじゃない!」
「面白い方々ですね」
「?」←シルベリータ
実はシルベリータは自身の地位についてほとんど知っていない
まあ、アルシー一筋の彼女にはどうでもいい事なのだろうが
「まあ、あなた方二人もついていませんね、よりによってこの二人と知り合うなんて」
「ルイス、それはどういうことよ?」
「どういうことですか?」
「いえいえ、常識が(いい意味で)通じないというのは少々大変そうですから」
「そういう貴方のルームメイトはどうなのよ?」
「私ですか? 一人ですよ」
「え?」
「そうなの?」
「地位も地位ですからね、あのくそ親父……あ、失礼、父上にはそのような心遣いは必要ないと申したのですが……無理やり認めさせたようで」
「(一瞬素が見えたのだけど)そうなの、ということは部屋には使用人が?」
「いえ、それは認められませんでしたので、父上は大勢の奴隷を用意しまして……」
「うわ、地味に嫌ね」
「私はサーシャがいるから!」
(そういう意味じゃないんだけどね……)
(まあシルだからいいんじゃねー?)
(そうだな)
因みに平民の御嬢さんたちは話についてこれず呆然としていた
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