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ONIGOKKO ―Human Hunt―  作者: 山犬
第1走
11/12

最初の目標

「とりあえず送ってみる」


美穂はそう言ってスマートウォッチを操作した。

旦那の名前を検索する。


メッセージ画面が開く。


『無事?』


短い文章だった。だが今はそれで十分だった。


萌子も友人へメッセージを送っている。

震える指で何度も画面を確認していた。


返事はまだない。


紗月もスマートウォッチを見つめる。


そして陽菜の名前を選択した。


『陽菜、大丈夫?』


送信。胸がざわつく。


だが今は待つしかなかった。


「返事来るかな……」


萌子が呟く。


「来てほしいね」


美穂も不安そうだった。

紗月は話題を変えるように別の画面を開く。


すると。


「ポイント交換……」


商品一覧が表示された。


三人は自然と画面を覗き込む。


ロープ        1P


酒          1P


タバコ        1P


懐中電灯       1P


ライター       1P


高級ワイン      2P


双眼鏡        3P


簡易地図更新データ  3P


高級弁当       5P


銅像エリア案内アプリ 5P


寝袋         8P


折りたたみスコップ  8P


高性能双眼鏡     15P


防刃ベスト      20P


ドローン探知機    20P


サバイバルナイフ   20P


鬼の位置情報断片   25P


地図拡張データ    30P



「なんかゲームみたい……」


萌子が呟く。

だが誰も笑えなかった。


紗月は商品を順番に見ていく。


防刃ベスト。ナイフ。地図拡張。


どれも魅力的だった。


だが今はポイントがない。


そして紗月の視線がある項目で止まる。


「これ」


指差したのは。


銅像エリア案内アプリ 5P


「どうしたの?」


美穂が聞く。


「これがあれば」


紗月は画面を見ながら言った。


「ポイントを集めやすくなると思います」


二人も画面を見る。


「確かに」


美穂が頷いた。


「銅像探す時間減るもんね」


「うん」


紗月も頷く。


「七日間あるなら、最初にこれを取った方が後々有利になる気がします」


銅像を見つけなければポイントは増えない。


ポイントがなければ装備も手に入らない。


つまり。


ポイントを稼ぐための投資だ。


「なるほど……」


萌子も納得したようだった。


だが。


すぐに別の問題を口にする。


「でもさ」


二人が見る。


萌子は不安そうな顔だった。


「安全エリアにも入りたくない?」


沈黙。


それは三人とも考えていた。


安全エリア利用には5ポイント必要。


しかも利用できるのは今日だけではない。


毎日必要になる。


「そうなんだよね……」


美穂も腕を組む。


萌子は続けた。


「集合したの10時くらいだったよね?」


「うん」


「だったらもう4~5時間くらい経ってる」


現在は午後2時過ぎ。日が落ちるまでそこまで余裕はない。


「今日の安全エリアに入るための5ポイント」


紗月は指を1本立てる。


「それと銅像エリア案内アプリの5ポイント」


さらに1本立てた。


「合わせて10ポイント」


3人の視線が自然と重なる。


10ポイント。


口で言うのは簡単だが実際には十個の銅像を探さなければならない。


しかも鬼がいる島で。


「少なくとも」


紗月は真剣な顔で言った。


「今日は10ポイント欲しい」


美穂もゆっくり頷く。


「私もそう思う」


それに萌子も頷く。


紗月は静かに言った。


「まずは10ポイント」


3人は小さく頷き合った。


この島で初めての目標が決まった瞬間だった。

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