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王女が落ちてくる予感はしていた  作者: 蒼井みつき


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第37話 王女、村を満喫し始める

 翌朝。


「リオ! 朝です!」


 扉の向こうから、

 妙に元気な声が響いた。


「早い……」


 まだ眠い。


 だが。


「起きてください!」


 どんどん叩かれる。


「わかったから!」


 仕方なく起き上がる。


 扉を開けると、

 エリシアが朝からきらきらした顔で立っていた。


「今日は村を案内してください!」


「朝から元気すぎるだろ」


「楽しみなので!」


 その後ろでは、

 レティシアがすでに疲れた顔をしている。


「殿下、あまり走り回らないでください」


「走りません!」


 信用できない。


 居間へ行くと、

 ガルドがすでに朝飯を食っていた。


「うまっ!」


「お前なんでもう食ってんだよ」


「早起きした!」


「子どもか」


 すると母さんが笑う。


「ガルドくん、朝から三杯目よー」


「食いすぎ!」


「育ち盛りだからセーフ!」


 何がだ。


 一方。


 セシルは眠そうに椅子へ座っていた。


「村って朝早いね……」


「農村だからな」


「便利な言葉だね、それ」


 その横で、

 ダインは普通に起きていた。


 しかも妙にすっきりした顔である。


「よく眠れた」


「お前どこでも寝れそうだな」


「意外と」


 強いなこいつ。


 そのとき。


「おはよ」


 カヤが普通に入ってきた。


「お前ほんと毎日来るな」


「来ちゃだめ?」


「いや別に」


 するとエリシアが、

 少しだけカヤを見る。


 昨日よりは自然だ。


 でもまだ少し気にしてるのがわかる。


 一方。


 母さんは朝から上機嫌だった。


「今日は天気いいわよー!」


 窓の外は快晴だった。


 青空。


 畑。


 静かな風。


 王都とは違う、

 ゆっくりした空気。


 その景色を見ながら、

 エリシアが小さく息を吐く。


「……いいですね」


「何が」


「なんか全部近いです」


 人も。


 家も。


 生活も。


 王都みたいに遠くない。


 すると親父が、

 畑のほうから顔を出した。


「暇なら手伝うか?」


 一瞬。


 エリシアの目が輝いた。


「やります!」


「おい」


 嫌な予感。


 かなり強いやつだった。


 一方。


 ガルドまで勢いよく立ち上がる。


「俺もやる!」


「絶対畑壊すだろ」


「壊さねえよ!」


 その直後。


 ガタッ!!


「あ」


 椅子が倒れた。


「もう壊しかけてる!」


 リナが吹き出し、

 セシルは肩を震わせている。


 一方。


 ダインだけが静かにスープを飲んでいた。


「騒がしいな」


「今さら!?」

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