第18話 平民、問題児チームを組まされる
翌日。
「却下だ」
クローディア先生は即答した。
「なんでですか!?」
「問題児しかいない」
教室の空気が妙に重い。
現在、職員室。
俺たちは並ばされていた。
俺。
セシル。
ガルド。
リナ。
レティシア。
そしてなぜかフィナまでいる。
「お前はなんなんだ」
「記録係です!」
「帰れ」
クローディア先生が深いため息をついた。
「まずガルド」
「はい!」
「暴走する」
「はい!」
「認めるな」
次。
「リナ」
「はい!」
「空で暴走する」
「否定できません!」
素直だな。
「セシル」
「なに?」
「面白がって余計なことをする」
「信頼されてるね」
「されてない」
次。
「レティシア」
「……なんでしょう」
「リオ絡みだと感情的になる」
一瞬、空気が止まった。
「…………は?」
レティシアが固まる。
珍しい。
クローディア先生は真顔だった。
「否定するか?」
「そ、それは……」
レティシアが詰まる。
周囲がざわついた。
「えっ」
「マジで?」
フィナのペンが火を吹いてる。
『氷の令嬢、ついに――』
「書くな!」
レティシアの顔がほんのり赤い。
貴重だ。
セシルがにやにやしている。
「へえ」
「笑わないでください」
低い声だった。
怖い。
でもちょっと動揺してる。
クローディア先生は最後に俺を見る。
「そしてリオ」
「はい」
「お前は騒動を呼ぶ」
「俺ぇ!?」
「自覚を持て」
「理不尽!」
だが先生は腕を組む。
「……とはいえ」
教室が静かになる。
「実力だけなら、確かに悪くない組み合わせだ」
おお?
「セシルが前衛指揮。ガルドが突破役。リナが機動。レティシアが制圧」
全員それっぽい。
「じゃあ俺は?」
「囮兼トラブル発生装置」
「扱いひどくない!?」
セシルが吹き出した。
「否定できないのがまた」
「お前味方か?」
クローディア先生は机を指で叩く。
「だが問題が一つある」
嫌な予感。
「連携が終わってる」
「それはそう」
即答だった。
ガルドとリナは絶対暴走する。
レティシアとセシルは自由。
俺は帰りたい。
先生は立ち上がった。
「よって、これから実戦訓練を行う」
「え」
「チーム戦だ」
ガルドが燃え上がる。
「おおおっ!」
リナも笑う。
「面白そう!」
レティシアは静かに眼鏡を押し上げた。
「合理性はありますね」
セシルだけが俺を見ていた。
「頑張ってね、リーダー」
「は?」
全員がこっちを見る。
嫌な予感。
「いや待て」
クローディア先生が頷いた。
「リオ。お前が指揮を取れ」
「なんで!?」
「お前の予感は全体把握向きだ」
「初耳なんだけど!?」
「それに」
先生が静かに言った。
「この問題児どもを、唯一自然に動かせているのがお前だ」
教室が少し静かになる。
え。
俺?
セシルが肩をすくめる。
「まあ、確かに」
ガルドが頷く。
「リオの声は聞きやすい!」
リナも笑う。
「なんか流れ掴むのうまいよな!」
レティシアだけは少し考え込み、
「……否定はしません」
と言った。
なんでだ。
全然わからん。
フィナだけが超興奮していた。
『平民主人公、問題児軍団の王に就任!!』
「だから書くな!」




