179話 S3攻略者vs竜人族
ーー女神の神殿、1層にて
「おいおい柴崎、この状況かなりまずくないか?」
「ああ、かなりヤバいよ、てか蘭方くんは?」
「み、見てねぇな」
近くにいる神宮寺とそう言葉を交わすと、俺は辺りを見渡して蘭方くんの姿を探す。
すると、蘭方くんは竜人族のボス見たな入れ墨だらけのヤバめの人に絡まれていた。
「おい、お前変わった気をしているな、女神様を思い出させる」
「女神?おっさんもしかして、あいつの知り合いなのか?」
「あいつ?」
なんか話してるみたいだけど、良くない雰囲気を感じるな。
蘭方くん、わりと天然だし怒らせていないと良いんだけど……。
「おう!女神には散々世話になってるからな」
「……様だ、女神様だろ地上の猿が!」
『ギンッ』
な、なんだろう蘭方くんのほうで何かまずい事が起きている気がする。
『グオオオオ』
その時、先ほどの神宮寺の一撃で気絶したドラゴンネグロが目を覚ました。
「ま、まずいな……おい柴崎!竜人はお前と蘭方のバカに任せるぞ!」
『ゴウッ』
そう言って神宮寺はドラゴンネグロの方へと向かう。
「任せろって言われてもな……」
取り囲む竜人族の数はざっと数えて5人ほど、数では負けてるけどこっちには蘭方くんもいるし、勝気はある。
『ドゴォン』
その時、蘭方くんのいる方で轟音が響く。
「ぐはっ」
「え、蘭方くん?」
轟音と共に宙を舞う蘭方くんの姿が見えた。
そんな嘘だろ。
『ドサッ』
「蘭方くん!」
俺は近くに落ちてきた蘭方くんの元へと駆け寄った。
「し、柴崎さん……」
「大丈夫かい?」
「ええなんとか」
『ムクッ』
そう言って蘭方くんは起き上がる。
「柴崎さん、あいつら変な力使いますよ」
「変な力?」
「ええ、なんか行動を先読みされるような感じっす」
「先読み……」
「赤核眼の能力だね」
俺と蘭方くんの話を横で聞いていた槙島がそう答える。
「赤核眼は筋肉の動きまで見ることができるからね、おそらく蘭方くんの言ってる先読みは、筋肉の動きを読まれているんだろうね」
「筋肉の動きを読むか」
赤核眼は、話を聞く限りSSSレアだしかなり厄介な代物なのだろう。
ここは頭数を増やすためにも、あいつを呼んだだほうがいいかもな。
「ねぇ槙島、筋肉の動きがわかると先読みできるの?」
「ええできますよ、筋肉は動かそうとするとき脳から命令を受け筋肉が縮んでから動きます、故にその伸縮を見ればどこの筋肉を動かすのか先読みできるのです」
「へぇなるほどな」
蘭方くんは槙島の説明を聞いて理解したかのように頷いた。
ほ、本当に理解してるのだろうか。
てか槙島、よくそんな事を知ってるな。
「本当にわかってるんですか、蘭方くん?」
「おう、要は筋肉を見ればいいんだろ」
「いやそうなんだけどね蘭方くん、筋肉は僕らには見えないんだよ」
「え、でも俺目を凝らしたら筋肉とか骨とか見えるよ」
「は?」
蘭方が真顔でそう答えると、槙島は目を点にしてそう返す。
こんな反応する槙島初めて見たな。
「わかんねぇけど、普通は見えないの?」
「見えねぇよ……ふざけんなよクソガキ、あと槙島さんだろ」
槙島は小声でそう呟く。
「え、見えねぇのか、それじゃあ先読みできねぇじゃん」
『ブチッ』
「あっはははは、確かにそうだね蘭方くん、じゃあ蘭方くんにあの竜人全部任せるよ」
「おう任せろ槙島!」
『ギュン』
そう言って蘭方くんは前方にい竜人族5人に突っ込んでいった。
「あっはははは、蘭方くん……いや蘭方!槙島さんって呼べよカスが!」
「お、落ち着けよ槙島」
「はは、やだな柴崎くん、僕は落ち着いてるよ」
そう話す槙島の眉間にはシワが寄っており、無理して笑っているのが一目で分かった。
根本的に槙島と蘭方くんって多分だけど、相性悪いんだろうな。
まぁ槙島の気持ちはわからなくはないけどね。




