175話 合同会議
ーー夜22時 ホテルの宴会場にて
「よしそれじゃあ、女神の神殿攻略会議をはじめるぞ!」
元S3攻略者である若織詩音の掛け声が宴会場に響き、柴崎班、神宮寺班の合同会議が始まった。
「よっしゃあ!はじめよーぜい!」
「うわっ……神宮寺、酒臭い」
神宮寺の隣に座る麗奈はそう言うと、神宮寺から距離を置いた。
「お、おい神宮寺お前、まさか酒飲んでからここに来たんじゃなかろうな」
麗奈の発言を聞いた柴崎は恐る恐る神宮寺へそう確認した。
「はぁ?飲んでるわけねぇだろがぁ、シラフだよーん」
「はぁ、シラフで酒臭いわけないだろ……」
柴崎はため息混じりにそう話す。
「柴崎落ち着け!神宮寺はあとで私がボコしておく、それよりもまずは会議だろ」
『バシッ』
若織はそう言うと、ホテルの人に用意してもらったホワイトボードを勢いよく叩いた。
若織詩音、現S2特別攻略者。
特別攻略者とは、攻略者としてランキング査定を行わない攻略者のことであり、若織の他に祭や花園が該当する新たな制度である。
「りょ、了解です……」
柴崎は若織の迫力に押され、引き攣った顔でそう答えた。
「よし、それじゃあ攻略プランの説明に入るぞ、兵藤!説明しろ」
若織に呼ばれ神宮寺班所属、兵藤皐月が小走りでホワイトボードの前に現れた。
「は、はい!ここからは私兵藤が、ご説明いたします」
兵藤皐月、Bランクのいわゆる下級攻略者である。
回復系スキルを得意としているが、それ以外のスキルやダンジョンアイテムは大して持っていない。
ではなぜ彼女が、攻略者ランキング3位の神宮寺班の班員に選ばれているのか、それは。
「あの子が噂の鬼神の子」
柴崎はそう小さく呟いた。
「き、鬼神だなんてやめて下さいよ、私はただ他の方よりも身体能力が少し高いだけなんです」
そう言って兵藤は手を横に振り、力強くないアピールをした。
『パキン』
しかし、兵藤は手に握っていたマーカーペンを粉々に砕いてしまう。
「や、やだこのペン壊れてるー」
兵藤はそう言うと、粉々になったマーカーペン静かに持っていたハンカチで拭き取った。
今はもう全滅してしまった鬼神族と人間の間に産まれた忌み子、それが兵藤皐月の正体である。
「い、いやいやそれは無理あるでしょ」
國枝は兵藤のそんな様子を見てそう言った。
ーー蘭方サイド
ー同時刻、首里城にて
「よっしゃあ見つけたぞ、ここが女神の神殿だぁー!!」
蘭方は、無断で侵入した首里城の上に上りそう叫ぶ。
「おいコラァ!そこのバカ降りてこーい」
しかし、そんな蘭方の周りを無数の警備員が囲んでいた。
「お、降りてこいだと?ていうかなんで、一般の人がダンジョンにいるんだろう、あ、もしかして首里城と勘違いしてるのか!」
蘭方はそう言うと警備員達の方へと向き直った。
「おーいおじさん達ぃ、ここはダンジョンだから早く出て行った方がいいよー」
その発言を聞いた警備員4名は、口を開けたままその場に固まってしまう。
しかしその場にいた警備員の1人が開いたままの口が閉じ話し始める。
「お、おい何がダンジョンだ、ここは首里城だぞ」
「え?」




