164話 魔神の止め方
『ズガァン』
伊地知鏡花の放った斬撃は、サタンの鉄のように硬い皮膚に弾かれてしまった。
「やっぱり硬いな」
「い、痛えぇぇぇ」
鏡花の斬撃を受けたサタンは痛みのあまり大きな声を上げる。
"聖剣"ファフニールによる斬撃は威力が高く、大抵のダンジョンモンスターや魔族は両断できる。
しかしサタンの皮膚には傷一つついていない。
この事実を鏡花は受け止め、サタンにはもっと高出力なスキルが必要なのだと確信する。
「あの一撃でも無傷、でもまだ伊地知ちゃんにはまだエクスカリバーがある、あれなら対魔属性が強いから……」
御影は伊地知の斬撃が通らなかったのをみて、何やらブツブツと呟く。
「さぁ、もう飽きてきたし、終わりにしようか」
サタンは斬られた傷を気にしながらそう言った。
「終わらせるってそんな簡単な相手じゃないと思うけど?」
伊地知はサタンを煽るようにそう言い放つ。
「いや終わりだ、そもそもな聖剣の女よ、俺とお前らの間には絶望的な差があるんだよ」
「絶望的?」
伊地知は、その言葉に小首を傾げた。
「はぁ、やれやれ、わかっていないようだな」
『シュッ』
その言葉を残し、サタンは姿を消した。
「まずい、御影先輩気をつけてください、サタンが消えました」
「わかった、伊地知ちゃん私の方にきてくれる?互いにカバーし合おいたいからさ」
「了解です」
そう言って伊地知は近づき、御影と背中を合わせサタンに備える。
『ピトッ』
「これならどこから来ても対応できますね」
「……うんそうだね」
御影にはわかっていた、サタンを仕留めるにはどちらか一方がサタンの動きを止めなければならない事を。
『シュッ』
「よぉ、聖剣娘!」
そしてサタンは伊地知の目の前へと現れる。
「くっ」
あまりの速さに伊地知の反応が遅れる、そしてその隙をサタンは見逃さない。
「腹に穴ひとつ、アルティメットスキル発動、王拳!」
サタンは左拳人金色オーラを纏わせ、そのままその拳は伊地知鏡花の腹めがけて放たれる。
その時、伊地知の背後にいたはずの御影が鏡花を押し退けるのだった。
『ポンッ』
「え?」
「バイバイ」
『ドスッ』
そうして入れ替わった御影の腹をサタンの拳が突き破る。
「ゴフッ」
吐血する御影、そしてそれをみたサタンの表情に笑みが満ちる。
「おいおいおいおい、最高じゃねぇか、攻略者ぁぁ」
『ギュム』
御影は吐血しながらも、自身の腹を貫通するサタンの腕を強く握る。
「……つかまえた」




