155話 ルシファー戦
「お、お前なぁ……さては馬鹿だろ水使いの攻略者よ」
「え、あーしのこと言ってるん、それ?」
雛菊は"は、マジ?"みたいな顔をして驚いている。
しかし、長谷川はそのルシファーの発言に心の中で"何を今更と"思っていた。
「お前以外に誰がいるんだ!」
「え、橘っちとか?」
「お、俺ですか!?」
「会話の文脈おかしいだろ!お前だお前!水使いって言葉も足したろ!」
「マジか……」
雛菊は初めて言われたかのようなリアクションをした。
厳密に言えば、わりと皆バカとは陰ながら言っていたが、面と向かって言われたのはこれが初めてである。
「あーしってバカなのかぁ」
ルシファーは思わぬダメージを雛菊へと与える事に成功し、雛菊は放心状態となってしまった。
「な、なんだかわからんが、動きが止まったのならその隙突かせてもらうぞ」
『シュッ』
ルシファーはそう言うと雛菊へと殴りかかった。
「あ、危ない!」
咄嗟に橘が放心状態の雛菊を守るため、2人の間に入った。
「ふっ、なんだカッコイイじゃないか女を守るとは」
「お、俺だって自衛官だこれくらいするに決まってる」
「そうか」
『ポフ』
ルシファーはそんな橘へ優しく拳をぶつける。
「え?な、なんともないぞ」
「ふっ、ほんとにそうかな、エンドスキル発動、プロミネンスインパクト」
『ボカァン』
橘の身体は爆発により胴体と脚が別々に吹き飛んでいった。
「た、橘様!!」
その様子を見ていた長谷川が思わず声を上げる。
「え、何これどういうこと?」
目の前で消し飛ぶ橘を見て、雛菊の意識が戻った。
「紳士を殺すのは気が引けるが、仕方ないこれも戦争だからな」
ルシファーはそう言うと、雛菊の方を見つめる。
「た、橘っち……」
目の前で散っている橘を見て雛菊はそう呟く。
「お嬢様!!橘様はお嬢様を守るためにそのようなお姿に……」
長谷川がそう言うと雛菊は悲しいそうな顔を浮かべた。
「……あーしのせいで橘っちが」
そう話すと雛菊は下を向いてしまった。
「本当だぞ、お前がそんなんだから早速1人死んだんだ、これはお前のせいだ」
「……そうかもね、でも切り替えなきゃ」
ルシファーの口撃に対し雛菊はそう答え、顔を上げた。
雛菊碧は考えるのが苦手である。
しかしそれは何も悪いことでは無い、むしろそうする事で余計な事を考えずに前だけ見ていられる。
それこそが雛菊の強みなのだ。
「いやいやお前、後悔とかしないのかよ?」
「後悔?そんなんしてどうなるの?」
「……」
「答えられないじゃん、ならさ、そんなんしなくて良くない?その時間でやる事やった方があーしは良いと思う……だよね玄ちゃん」
『ズオオオ』
雛菊がそう話すと、隣に巨大な亀が現れる。
『よぉーす!!呼ばれて飛び出て玄武様のご参上ー!』
SSSレアダンジョンアイテム玄武。
守護と水の精霊であり、雛菊の相棒である。




