152.5話 攻略者とスポンサー
現代の攻略者活動において、最も重要なことは、ダンジョンを踏破する事である。
しかしこれを実現するには、資金面からとても一人の力では不可能。
故に攻略者達は、民間企業にスポンサーになってもらう事により、資金面でのサポートを受けダンジョン攻略を行なっている。
ーー組合本部、祭の書斎にて
「いやぁどうも祭さん」
「おお柳澤さん今回はどうしたの?」
株式会社ドリンクファンタジーの柳澤は、自社開発の新作ドリンクのPR活動を、組合の攻略者に頼むべく祭の書斎を訪れていた。
ちなみに株式会社ドリンクファンタジーは、組合の数あるスポンサー企業のうちの1社である。
「いやね祭さん、今回うちで新作ドリンクを出す事になりましてね」
「ほほう」
「その広告にそちらの攻略者さん、そうだな仙道さんか雛菊さんあたりを使いたいなと思っていまして」
仙道遥と雛菊碧、この両名は業界では有名な売れっ子タレント攻略者である。
故に柳澤は、この2人目当てで今回訪れていると言っても過言ではない。
「……うーん、仙道と雛菊か」
しかし祭は柳澤の提案に難色を示す。
"な、なぜそんな嫌そうなんだ?"と柳澤は思い、その理由を確かめるべく口を開く。
「どうされました祭さん、この2人なら影響力も申し分ないでしょ、もしかして誰か他に良い人いるのですか?」
「おお!よくぞ聞いてくれたね柳澤さん!」
『ガシッ』
柳澤がそう訊ねると祭はパァと明るい表情になり、柳澤の肩を掴む。
「そ、それならそうと早く言ってくださいよ、それで誰なんです、祭さんイチオシの方は?」
「ふふ、それはな最近うちのランキング入りした伊地知鏡花という攻略者なんじゃがね」
「……ほう」
祭が提案してきたのはゴリゴリ自分の見内である伊地知鏡花。
鏡花は容姿的には申し分無いし、祭の姪っ子という事で話題性も十分、だがここにきての身内押しとは……柳澤はそう思っていた。
「どうです、いいキャスティングでしょ?」
「え、ええまぁ」
柳澤は目線を祭から逸らした。
「わかりました、仙道も雛菊もつけます、だから伊地知もお願いします」
そこまでして自分の身内の知名度を上げたいのかと柳澤は思ったが、まぁ仙道と雛菊が使えるならいいかと割り切り、腹を決める。
「ええいいですよ、ぜひこの3人で行きましょう!」
「ありがとう!お願いしますね!!」
後日その新商品のためのCMが完成し、無事放映を開始すると、伊地知人気がめちゃくちゃ上がり、そのお陰で新商品はバカ売れするのだった。




