146話 嶺王
魔神サタンの能力は、神速と剛力。
最も強く、最も早い魔神。
「さぁ防いでみろ、嶺王ぉぉぉ!!」
『ドゴォン』
魔神サタンの一強力な撃が嶺王を襲う。
かろうじて嶺王はその一撃を両腕のガードで受け止め、すぐさまディレイ効果の付与するべく、右拳を振り上げる。
『痛えじゃねぇか、この脳筋猿が!』
『ゴツン』
そう言って嶺王はサタンを殴りつけた。
『ズンッ』
「くっ、重いな」
嶺王の拳が当たった事により、サタンに強力なディレイ効果が付与される。
『相変わらずの阿呆さ加減、笑止千万よな』
「くっそぉぉ、受けちまったぁぁぁ」
サタンの慟哭が中央区中に響くのだった。
ーービルの下にて
「うぁぁぁぁ、ちょ、死ぬ、ほんとに死ぬってぇぇ」
ビルの屋上から落とされた御影小夏は、物凄い速さで落下していた。
このままの速さで下に落ちれば、間違いなく死ぬであろう。
その時、ちょうど真下に人影が現れる。
『ガシッ』
そうしてそのまま御影は真下の人へと衝突するが、ぶつかる事なく、御影は受け止めらるのだった。
「え?」
「思わず受け止めてしまったけど……ええっと大丈夫ですか?」
「伊地知ちゃん!」
上から落ちてきた御影をキャッチしたのは、不死王との戦闘を終えた伊地知鏡花であった。
「御影先輩、どうして上から落ちてきたのですか?」
不思議そうに鏡花はそう訊ねる。
「え、えっとね、もうよくわかんなくて、急に嶺王が離れろって言ってぶん投げてさ」
「……ほう」
「何その顔!あんまし納得いってないよねその感じ」
「い、いえ、でもそれはどんな状況かと思いまして……」
御影の説明に鏡花はあんましピンときていない、しかし理由はすぐにわかった。
『ドゴォン』
「は、はじまったぁ」
「ん?今のはなに」
ちょうどその時、サタンの一撃が嶺王を襲い大きな轟音が響く。
「何かいますね」
鏡花はビルの屋上を見上げてそう呟く。
「う、うん、なんか激ヤバなやつがね」
そんな鏡花を御影の激ヤバな語彙力が襲う。
「激ヤバなやつとは?」
「わかんないよ!!」
「先輩、それだと私はもっとわかりません……」
鏡花はやれやれと呆れてしまう。
「くっそぉぉ、受けちまったぁぁぁ」
『!?』
「い、今の声だよ伊地知ちゃん!」
「……この声、もしや魔族か」




