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永劫の勇者  作者: 竹羽あづま
第4部オルフェウスの挽歌
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第91話:至高の罰、永遠の罪

──死者がここにいるはずがない。それは当たり前だ、死者はこの世界においても等しく死んだ者に変わりはなく、動きも蘇りもしない。だからギュンターの用意したこの場所、生者を阻む為に展開された場所が俺には適用されないのはいわゆる仕様の穴を突いた物のはず、だけど。


 葵の中の違和感、使徒にとって死者が何故ここで無視されるのかという事だ。彼にとっても死者にはも強いこだわりがあるはずだ。亡くした妻、亡者による報復の能力、その2つだけで証明になる。

 しかし、同時に花嫁といい、亡者といい、彼にとって死者のどれもが禍々しいものになっていたり、挙げ句の果てに葵という明確な死人は想定の外になっている。


──そのどれもに共通してる事があるとすれば、死者から、いや……死から目を背けている。


 死者そのものに目を背けているというには、彼は死者を強く思っているが故に、邪神の甘言を聞き流したりする事も、勘違いで済ませる事もなかった。なにより、その場合だと愛する家族を亡くしたという事実を話す事もないだろう。


 彼の能力は罪に対して、最終的に死という最大の罰が与えられる物が大半だ。

 死は罰で、死は平等で、しかし罰に相応しい程に相手からすれば不条理になる物。


──自分が罰と定義して与える事で辛うじて見ている物だけれど、自分の関わらなかった死には薄目を開けてでしか見れない。そうでなければ、納得も出来ず、耐えられもせず、自分自身が冥府へと、愛する人の所まで会いに行きたくなるから


 理性、あるいはそれと正反対の激情が、彼の行動を決める。自分をそうして押し留めて、自分の為だけの物にしておけば使徒として彼自身の心を守れるのかもしれない。

 だが、それは必ず溢れると分かっている水を無理矢理蓋をして閉じ込めているに過ぎない。


『どこまでも現実的で、全てと向き合わなければならない。祈りも、願いも、叶いも届きもせず、起こる結果と起こった物と、ただ折り合いをつけなければならない。だが、誰もが簡単にそれを割り切れるわけでも、誤魔化せるわけでもない』


 使徒ギュンター自身が地球での事をそう言った。折り合いをつけられないから、彼の作る奈落には綻びがある。本来タルタロスは神々に敵対した者達の牢獄。同等に語るには不敬な事かもしれないが、使徒達の立場からすれば葵達は1人も余さずその判定に引っ掛かるだろう。

 しかし、そうならない。彼自身も分かっているからだ、地球との縁が切れないからこそ願いがあり、地球との縁があるからこそ、今戦っている事。何より、自分自身が罪人だと理解しているから。別荘で見えた裏のない善性が実質的にそうであるという自供になる。


 葵は、彼のそんな思考が隙になる可能性を考えた。



 片腕だけになり、心器である棺の1つも腕共々手元から離れて再回収にも向かえない。挙げ句、一度目の交戦の際に、リンドが行った木の薙ぎ倒しを受けた傷も軽くはない。この状態で本丸に自ら飛び込むのはあまり得策とは言い難いが、それすらも野暮だ。彼は自分の手で潜在的な罪人達を狩らねばいけないと定めたのだから。

 それでもなお、衰え、ただ弱体化してくわけもなく、こんな追い詰められた状況でなおも、男の精神は弱っても怯えてもいない事を、彼の心器が表していた。ヒビ1つ入る事もなく、強靭な盾として、時には鈍器として、今も葵達の前に脅威として立ちはだかっている。


「はああぁっ!!」


 転移を駆使した機動力で何度も斬ろうとした。棺の影に隠れるタイミングで転移を使い、相手の死角から攻撃をしかけたりもした。それでもなお男は吸った命の数だけ強くなった感覚で、防ぎ、受け流し、避ける。


「そんな攻撃では届かん!!」

「ちっ!!」


 意識を失ってる砲兵隊、傷を負ってるライ、なんとしても守らなければいけない人々を背に、今ここを抜かれたら船内への侵入を許すことになるという状況。一歩も引けないわけだが、何せ攻撃が通らない。

 純粋に身体能力が高い相手には葵の持つ心器と現時点の能力で考えた場合、自力の差が大きく出る。弱体化を無効化は出来ても、敵の強化は無効化出来ていない以上、このまま戦えば無駄な時間をかけてしまいかねない。


「!!」


 葵の頭上から来る棺をかわす為にスライディングでその場を切り抜けるが、足元に鎖が絡まっていた。どちらに逃げようがそうする準備があったらしく、葵の足に巻きついたそれを自分の方へと引き寄せる。


(くそ、速度が、早い!!)

「貴殿もここが痛むだろう?」


 抜ける間もなく、ギュンターの至近距離に引き寄せられ、空き缶でも紐で引っ張るかの様な軽さで持ち上がった葵の身体に瞬時に脇腹へ腰を入れた一撃。

 丸太に巻き込まれた時の傷の名残。棺の中である程度修復したとはいえ、確かにそこへの一撃は有効だった。骨の軋む音、圧迫される内臓に、思わず葵は吐きそうになる。


「ぐ、ぉ……ッゔ!!」

「軽ければ、甘い。貴殿の弱さだ、レンリを取り逃がすはずだ」


 そして、間髪を容れずに二撃目、腹にむけて入れられた回し蹴りはまた横っ腹に刺さる。鉄の塊が突っ込んできたのではないかと錯覚する重さを受け、吹き飛ばされながらその途中で棺が弧を描き、丁度葵の背に激突する位置に来たのだ。避ける隙もなく、軋むに留まった骨にヒビが入り、そのまま吹き飛ばされて柱にぶつかるしなかった。


「アオイ!!」


 リンドの叫びを横に、使徒は更なる追撃を加えようと、鎖で棺を寄せながら地を蹴る、が。


「む──」


 使徒の下で葵の刀がひび割れていた、以前の戦闘と違い、ひび割れ方がやけに綺麗な形だった。

 それに危機感を覚え、ギュンターが飛び退く前に葵が刀を指差す。


「ッ、鏡面には他者の悪意をお返しする場合もあるらしい。返すよ、この痛みを!」


 刀が弾け、使徒を映したその鏡面は刃となってギュンターに襲いかかり、避け切れずに眼帯の 紐は切られ、腹部に浅く刺さり、肩を擦り、片膝にも突き立てられた。


「っく、ぐ……ぅう!!!!」

「その能力によって貴方の身体は俺達よりも強いかもしれない。でも、貴方は罰を受けるべきという意識がある。ある限り、貴方の防御能力はそれの恩恵を受け難い」


 柱でぶつけ、骨をやられたと同時にどこか内臓を悪くしたのか、口から鼻から顔を血だらけしたまま、葵は再展開した刀を杖代わりに立ち上がる。

 痛みがなんだ、自力の差がなんだ、彼にとってはそれを負ける理由にしてはならない。負けが人類の敗北なのだから、なんと軽い一撃なのかとすら。意識すら奪えない一撃を、気に止める必要は今の彼にはない。勇者と呼んだのは当の使徒だ。


「そうとも……これもまた罰だ。罰は受け入れる。だが、こちらもまた罪を裁く力を持つ、妻の受けた、我が子の受けた不条理を、彼女達を守らなかった世界に、怒りを示すまでは死なない!!」

「いいや、それを許すわけにはいかない!!」


 刀を破裂させた際に混ぜた刃達。破裂した刀の破片の場合、刀を再展開したら消えてしまうが、遠〜中距離に使用している技である刃の攻撃は残す事が出来る。

 帆桁の破片を巻き上げた際に、その破片に刺したままにしていた刃。そして、今放った刃がまだ地面に落ちきらずにそこにある。それ等がまだ死んだ攻撃ではなかった。それぞれがもう一度だけ使徒に向かって飛来し、全方位からの攻撃を行う。


「しつこい!!」


 自身の周囲を振り払うように棺を振り回す。だが、その最中にもう1つの狙いが動く。


「今!今よ!!」

「ドンピシャだな……ッ!」


 ライが無茶なタイミングで能力を使ったり、使徒の狙いがこっちに逸れないようにリンドが引き金を押さえていたが、ここで力を緩める。ライからすれば、突然見えないストッパーがなくなったという異常が起きているわけだが、今はそれを気にかけている場合ではない。葵に完全に狙いが向いているこの時が、狙撃が成立する瞬間。

 葵が言葉を言い切る前に放たれた1発。


「!!」


 その攻撃に気付いた瞬間には棺での防御が追いつかない。回避も間に合う速度では当然ない。やれる。首ぐらいならば。


──極めてまずい、これを喰らえば、この心は、晴らされないまま?


 頭に向かって飛んでくるまでの一瞬、コンマの世界で走馬灯のように過ぎる、ギュンターの頭の中の時間は極めて早く回り、彼の周囲は相対的に遅くなったようだった。


──ディーケ、ディーケ、やはり、弱い事こそがいけないのか?いいや、弱きを守れなかったから、君を失った。なら、何が悪い、教えておくれ


 しかし、死者は言葉を持たない。彼女が何かを語りかける事が出来るのなら、その肉体を失っても語りかける事が出来るのなら、ギュンターという男は使徒にならず、こんな凶行には至らなかった。


──否……否!否!!


 弾丸が顔に向かってくる。あの日の様に。彼にとって最も忌々しいあの日の様に。希望の未来、その象徴である子供を失った日、妻を失い始めた日、自身の未来を見る瞳を失った日、夢が削れ始めた日。


──このままでは、このままではまだ、悼みは終わらなければ、痛みは消えない!!与えた痛みに相応しくも、抱いた痛みに相応しくも!!


 意識が今に追いつき、拳を握り締める。


「やらせはせん!!!」


 誰かに言うでもなく、ただ自分の意地に対して鼓舞をする為の雄叫び。しかし、それは彼の意志をより強固にする物であったのは確かだ。

 鎖の巻かれた手の甲が徹甲弾を弾いた。弾き飛ばしたのだ。


「はぁ!?」

「嘘でしょ!?肉体だけで防げるはずが……いや、心器で防いだのね!」


 側から見れば、葵が刃を操作し、ほぼそこから間を置かずにライが発砲。その間に考える時間がない以上回避や防御に判断を割く時間もないはずだった。そして、その場合は肉体で受ける事になるが、そうだとしても何らかの防御手段を持たなければ助かりはしない。

 それが、どういう事だろうか。確かに生身だけで受けたわけではないが、心器で受けるにしても徹甲弾を防ぎ切るのはやはり非常識なのだ。


(ただ、直線に来た物を受け止めたんじゃない。殴って、ライの弾丸を相手に殴ったんだ!アレは、心器による攻撃行動!それを成立させるだけの心の力がまだ秘められているのか、この状況で!!)


 罪を裁く者であり、罰を受ける者。ギュンターという男もまた裁かれるべき罪人であったとしても、ライもまたその判定に入ってるのならば、ライに裁かれる理由もなければ、自分に罰を与えるに値しない。

 罪人であると同時に、この奈落を呼び出した断罪者であると言う自覚を強めた結果、心器は彼の精神性と共鳴した。心の在り方で力が上下する心器という物がどれ程理不尽なのかを見せたのだ。


(これが出来る奴を、このまま攻勢に移らせてはならねぇ!!)


 ライは急ぎ再装填するが、ギュンターの棺が彼の横っ面を首ごと吹き飛ばさんとするほどの勢いで迫ってくる。


「ライ!!」

「こっちは任せて!!貴方はそいつをっ!!」

「うおぉっ!?」


 リンドはまだ頭痛に苦しんでこそいるが、それを問題にしている時ではないと、自分に言い聞かせてライの首根っこを引っ張って鼻先を掠めるか否かの差で辛うじて回避する。

 彼女のその言葉を信じ、葵も転移でギュンターの頭上に出て体重をかけながら刀を振り下ろす。


「単純な、攻撃だ!!」

「ゔふっ!くぅ!!」


 手の甲で攻撃を受けながら、そのまま葵の顎を突き上げる。刀越しとはいえ受けた一撃は重い。

 だが、これでやられっぱなしになるわけにもいかない。


「っぐぉ!?」

「どれだけの腕力があっても、腕が使い物にならなくなれば、無意味だよね!!」


 その突き出された腕に足を絡め、相手の腕に捻りを全力で加えつつ、そのまま葵から見て前方に体重をかける。腕を切り落とすのは警戒されるが、へし折るのはまだ警戒されていないはずだと。

 腕に生じる瞬間的な痛み。折られてこそいないが、そうする為の動きをされて痛みがないわけがない。


「なる、ほど……!それはその通りだな!!だが、こちらが棒立ちのままならばの話だな!!」


 故に、使徒もまたその状態のまま自分から仰向けに倒れる。葵もまた甲板に激突する事になるが、それで姿勢が安定したことから刀を突き立ててやろうと考える。

 しかし、使徒の手首から先が微かに動いていた。


「罪人に裁きを、棺は、持ち主にも例外なくそれを翳せる」

「なっ──」


 振り上げられた棺が2人に向かって落ちて来る。何度も攻撃を受け、傷だらけになった甲板。こうする為にあえて使徒が何度か空ぶった攻撃がここで芽吹く。


「しまっ!!」


 棺が2人の元に叩きつけられ、その衝撃は甲板にも通じ、まるで奈落そのものが口を開けたかの様に空いた大穴が2人を船内に落とす。


「アオイ──」


 叫び出しそうになるのを堪えて、リンドは大穴に駆け寄る。

 葵が棺に忍び込む前、そして棺から出る瞬間、何かの確信を得たかの様な顔をしていた事を忘れていない。彼には、まだ何か秘策があるのだとリンドもまた確信を持っていた。



 船上で使徒を相手に攻防が繰り広げられていた頃、その下では使徒の呼び出したケルベロスと交戦する人々の姿があった。


「っ、嫌な場所だねぇ。アタイの愛用の剣が、いつもより重いんだからさ!!」


 空が不穏な色を見せ、集落の結界内が奈落に落とされた時にヴィルガ達は船の方に、急ぎ帰還していた。ミハエル等の技術者組を船内に退かせる為に防御隊とヴィルガが最前線で押し留めた。


「ッ骨の隙間を狙え!!蛇共相手ならば槍も通る!!」

「アタイを見本にしな!!っらあぁぁぁ!!!」


 複数の蛇による捕縛攻撃に対し、身を低くして回避しながら大剣を振り上げて蛇の首を飛ばし、その次には懐に潜り込んで骨の隙間に大剣をぶち込んでいた。


「防御隊!続けええぇ!!」


 ノイバートも彼女に負けじと盾を前方に構えながら、その横から顔を出そうとする蛇の頭に槍を突き立てる。彼の部下も毒液を吐かれる前に突き立て、時にはあえて槍に巻き付かせて他の仲間に倒してもらい、ケルベロス本体からの攻撃は3人で盾を構えて受ける。弓兵達も目を狙い、時には蛇を狙い、各々で支援を行い、皆が皆それぞれで連携しながら応戦した。

 仲間の死に方はどれも悲惨で壮絶だ、ヴィルガとノイバートが率先して前に出ている様子を見ていなければ、あるいは彼等もまた足がすくんでいたかもしれない。


(思いのほか良い調子だ、このままやれれば蛇の数を減らしてより攻勢に転じられるかもしれん!)


 この場所と、ケルベロスの雄叫びで恐怖に支配されかけているノイバートの心に希望が湧き始めていた。


 しかし、ただこれだけでいけるならば、使徒の心器の一部になどなれない──


「!!」


 突如としてケルベロスの首がそれぞれ分離したのだ。身体も含めて綺麗に首から三等分された。誰かの攻撃とかでもなく。


「何がっ、あ!?」


 ミツ首だったケルベロスは、大きさこそ劣るが特性をそのままに3体に分かれたのだ。加えて、分離する際に頭上を首が飛び越えてきた影響で防御隊の背後、そして弓兵隊の前に飛び出た番犬は存分に暴れる。


「う、うわあぁぁぁ!!」

「ぎゃああ゛あ゛あ゛!!溶ける!!皮膚が、溶けるうぅぅ!!!」


 毒液を直に浴びて生きたまま溶かされる者。


「ぐあぁぁぁ!!!」


 蛇の鞭を受けて一斉に吹き飛ばされる者。踏み潰され、時には喰われ、時には刃の様に研がれた爪に切り裂かれる者。盾の上からでも通せる毒液と物理的な火力が彼らを苦しめていた。


「ち!!船に近い方はアタイが引き受ける、ノイバート。アンタは……っ!!」


 ノイバートが怯まない様に声をかけたヴィルガだったが、その隙をついて彼女の片腕に蛇が巻きつき、強制的に彼等から引き離される。


「ヴィルガさん!!」

「アタイに構うな!!目の前に集中しろ!!」


 しかし、ノイバート達防御隊の前方と後方、挟む様に立ち塞がる番犬。そして、それ等は別々の思考を持って襲いかかって来る。ヴィルガ1人に3体の内の1体を請け負わせるわけにもいかない。だが、弓兵隊がこのままでは餌となるばかりになる。


「防衛隊、半数はヴィルガさんの背後をつくケルベロスの相手を!残りの半数は我に続け!!船から引き剥がす!!」


 ノイバートは下唇を噛み、ヴィルガの言った通り船に近い方のケルベロスに向かって走る。

 今にも喰われようとしている弓兵の1人をまずは助ける様に口の隙間から槍をねじ込んで口を無理やり開く。


「あ、あぁ……」

「い、今の、間に!!撤退しろ!!防御隊、囲め!!」


 その間に言われた通り弓兵のうちの1人は退き、ノイバートに言われた通りケルベロスを包囲した防御隊。

 一先ず第一段階の時間稼ぎは出来た、が──


「っく……!!」


 番犬の顎の力は強靭かつ凶悪、人間の骨を生きたまま噛み砕ける程に。故に、ノイバートの槍がテコの原理も利用された上で折られたのだ。

 そこに追撃を加える様に彼の盾に毒液を浴びせ、その隙間から首に向かって蛇の1匹が巻き付かんとする。


「副隊長!!!」


 巨体に反してその判断も動きも素早く、防御隊が動くよりも先にケルベロスは動く。


(これは、まずい──)


 何かを言葉にするも、何か行動するも、考えるも、上手くいかずに死ぬかもしれないという直感だけが何者よりも先に動いていた。

 いや、何者よりもと言うのは語弊があった。


「ふッ……!!」


 弓兵隊や防御隊の隙間を縫い、頭上を飛び越えながら彼等に攻撃を加えようとしていた蛇の首を、剣とそれに接続された短剣で斬り裂いた人間がいたからだ。


「あ、アダムさん!!」


 別働隊隊長、ノアの中でも実力者と言える男、アダムが到着したのだ。


「よく頑張ったな、これより私も参戦しよう」

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