第114話:墓前に凶器を
「ベルタ」
水辺の方にまた向かおうとしていた葵はふと虚空に向かって呼びかける。
間もなくそれに応えたベルタが音もなく彼の背後から姿を現した。
「若葉さんを襲おうとしていなかったか?」
「訂正。襲おうとはしていない、貴方を守ろうとしただけ」
「アレは俺自らやった事だよ。彼女自身にやる気はなかった」
「刃物は刃物。やる気か否か、それよりも貴方の身が優先。敵対行動、暴力的行動、必要なのは迅速な制圧。貴方が怪我をしてからでは遅い」
「……ここからお互い出なければいけない。少しでも心身共に無理なくここを出られた方が良いから。でも、俺をいつも優先してくれている君の気持ちを思えば、良い方法ではなかったと思う……ごめん」
「貴方の命令は優先する。だけど、貴方の命令がなければ彼女を始末していた」
無感情ではない事を匂わせる。葵の約束を守っていなければどうなったか、葵の約束ありきで皆を守ってるに過ぎないという事を、強調しているのだ。
薄氷の関係。ベルタの気持ちは無論、葵としてもベルタの気持ちについて考える程度には彼女について思うところはある。だというのに、互いの立場のみならず、葵の利他的な面はベルタの望まないところでもあるから、この関係は薄氷なのだ。
「──ベルタ」
「なに」
「戦いに行く前の約束、俺ちゃんと覚えてるから。そこは安心して」
だから、申し訳なさを少しでも埋めたくて、埋められるだけの時間が取れない分の為にも、せめてとこの場で浮かんだ言葉がこれだった。
彼女の望みの形が分からず、葵がそれに報いる事が出来る範囲はひどく狭い。立場が違う、世界の存続を求める方と破滅を望む方なのだから。
(彼女は、何故使徒なんだろう)
一度だけ足を止め、ベルタの方を振り向いてみれば、彼女は小首を傾げていた。先程までの殺気を若葉相手に放っていた少女と、同じ少女である事に驚くほどに無垢な反応だ。どちらも紛れもなくベルタなのは間違いない。
「君は、どんな人なんだい?」
「?」
先程よりも首の角度が傾いたのを見て、唐突すぎることを言った自覚が追いつき、もっと正確な言葉選びをする為の微かな間が生まれる。その時間には恥じらいを落ち着かせる為の時間でもあった。
「ご、ごめん!変な言い方して!だから、その、君がどんな場所から来て、どんな人なのか、もっとちゃんと知りたいなって事で……」
「好奇心?」
「違っ……くない、かも。でも、そんなの失礼だから、口だけでもそうじゃないって言えないとだったのに。君ばかりが俺の事を知ろうとしたり、理解しようとしてくれてるのは、不公平だから……」
「そう?」
「そう、俺的にはそう。だから、俺が戻ってきて、落ち着いてからでも良いから、教えてほしいな」
小首を傾げたまま、しばらくの間を空けているのは彼女なりの困惑に思えた。
「困惑、わたしはすぐにでも返答したい。しかし、情報が不足している」
「前も言っていたね、それ」
「そう。わたしはそうした物であるから、あるだけに……考えておく」
「無理に考えさせるのも悪い気がするけれど、ありがとう。ベルタ」
首を振り、ベルタはスカートの裾を少し破った。その行動に前後の繋がりが感じられず、今度は葵が困惑する事になり、何が起きたのかを理解してから顔ごと彼女から逸らす。
「ちょちょちょっ!?なに!?どうしたの!?どうして!?」
「回答。貴方のため」
「おれ、俺の為ぇ!?」
どういう事なのか、彼女の出会った時の第一声もあっただけに、どういう意図なのか正確に読み切れず、更に顔を逸らすがベルタに顔の位置を戻される。
そして、スカートの一部だった布切れは葵の首に当てられた。
「血、止まってない。貴方が倒れたりしたら、わたしは正常に機能出来なくなってしまう」
どうやら自分のものすごい勘違いと早とちりだったと気付いてしまい、気分だけで言えば恥じらいから走って逃げたくなるほどだ。
だが、そんな恥じらいは息として吐き出す。逃げ出す必要もなければ、恥じらいよりもやるべきは彼女の気遣いに応える為に、その処置を受け取る事だ。布を彼女に押さえ続けさせないように、会釈してから自分で布を押さえる。
「なんだか悪いね……俺の行動のせいで君の服を破かせてしまった」
「訂正の要求。貴方のお陰で微粒子ながら涼しくなった」
「それは違うと思うけど……?でも、ありがとう。君の気遣いに頼ってばかりだ」
「わたしが自主的にやった事。貴方が若葉杏菜との対話を選択したのと同じ、わたしはそうしたいからそうした。これはわたしだけの衝動」
「……なら、俺のせいでとか、迷惑かけたとか思うと君に失礼になるね。君の思いがそうさせたのなら」
「ニュアンスは異なれど、肯定。思うだけなら自由、素晴らしい」
尚更、彼女が誰で、何故葵なのかという疑問は強まるが、そこも含めて彼女から聞けたら良いなと思う。そこに友人の様にそう思う気持ちと、ほんの少しの敵情の把握というした心を交えて。
そんな自分に呆れを通り越して、不快感すら覚えてしまう。必要な思考である事だとしても、俯瞰して物事を見れている様な、そんな驕りに感じてしまう。彼の自己肯定感の低さの影響で、特に自分に関わる事は歪んで見える。
そんな自分の思考を少しでも早く感謝の気持ちで覆って、見えない様にする為にも貰った布を自分で首に巻く。調査に行く事自体は彼女も止めないのも、葵の意思を優先してくれているからだ。その為にもベルタ自身は皆の護衛に徹してくれている以上、外に繋がるルートを見つけるのは最優先だ。
(俺1人の抜け道なんてものも、あくまで潜んでる人に対する焦りと俺への狙いを集中させる為の嘘。実際にはまだ見つかってなんかいない。急がないと)
葵は小さく頷き、ベルタも同じ様に返す。互いのやり取りはそれだけで済まされ、葵はまた死体だらけの水辺の方へと行く。
「──葵」
彼が去ってからベルタはただ彼の名前を呼ぶ。あまり呼ばない様にしていた分を、隠れてお菓子をつまみ食いする様に呼ぶ。
ベルタという存在は、自己を上手く定義出来ていない。そうした存在でありながら、彼を個人的に愛おしく、彼といる時間を求める気持ちもまた、本物であるという確信もあった。その確信がどこから来るのか、思い当たる節はあれど、曖昧なままだった。
*
そして、葵は既に水辺に辿り着いていた。辺りの遺体を視界に入れない様に、水面を見つめながら胸に手を当てる。
(うん。やっぱりこの深さならある程度潜れる気がしている。身体がそう順応する様になっている)
魚人の魂を受け入れた分、彼等の水陸両方で活動可能な性質を取り込めたという事だろう。時間が経過して馴染んだのか、先程までと違って出来ると思える様になっていた。
息を吸い、水の中に飛び込む。辺りの視界も良好、お試しの様に底に向けて軽く足を動かすが、地球にいた頃の打ち上げられた魚の様にはならず、スムーズに泳いでいける。
(この調子なら魚人達の侵入ポイントもすぐに見つけられそうだ)
水を抜きにすればここは、まるで人工物の様に真っ直ぐ縦に出来ている穴だった。この遺跡そのものの様に、異世界の中で急ごしらえで作られた様な印象を受ける。
壁面に藻や苔はついているが、この場所にはこう言うものがあった気がするという曖昧な認知のまま、飾り立てた様なものだった。邪神にとって重要な物も、邪神の魔導書も、ここにある事を思えば、唯一ここだけは誰かの違う意思で作られた場所なのではないだろうか?
(間違いない。ここには重要な秘密が隠されている。それはきっと、俺に関わる事として)
魔石との同調で入った記憶のことしかり、勇者葵という人物は中心にあくまであり、こうした部分のヒントにもなり得る。それがヒントと気付くのも本人でしか分からないことが多い。
先代ではない、ここにいる滝沢葵の役割なのだから。
(!あそこか)
無理矢理こじ開けた様な穴が見えた。辺りの岩壁がヒビだらけになっており、魚人達も力づくでしか入れなかったらしい。ここから第二波が来ない様に、他の経路も作られない様に対処しなければならないが、まずは穴の外を確認するべきだ。外と繋がる場所かつ安全ならここから皆で出なければならない。
穴の先から微かに光が漏れている。流石に完全に水を克服した身体になったというわけでもないから、息継ぎ出来る場所がある事を願って、横穴に滑り込んだ。
「!?」
その瞬間、横穴を通る前と後とでどんな境があって、何が起きたのか分からないが、突如として一滴も水のない黒い廊下に出されたのだ。背後を見ると、先程までの水がここの入り口で膜の様になっていた。この膜を通ればまた水中に戻れることは間違いないだろう。
「げほっ、かはっ!!すぅ、はぁ……今更大抵の事では驚かないつもり、げほっ!だった、けど、とことん道理と合わない世界、だ」
何で出来てるのかも分からない、ただ真っ黒で硬質なもので構成された廊下には、壁に蝋燭が掛けられていた。それ以外はやたら長い廊下に見える事以外何も変わった点はない。
濡れた服を絞りながら歩みを進める葵。しばらく歩いて歩いて、この場所のその先を知ろうと歩みを進めるが、やけに長い。どこまで歩いたのか、真ん中まで来たのか、これでも実はまだまだ入り口なのか。この廊下に対して流石に強烈な違和感を既に抱いていた。長い廊下という点は置くとしても、先に気になる点が彼にはあった。
「魚人が通った跡、水滴とかも落ちてない?」
彼等がこの遺跡に来るまでに陸路を通っていて、濡れる事がなかったならおかしな話でもないが、遺跡の地下の中でも地下、最深部に至る場所だと考えれば、この遺跡を囲う魔石等を無視して侵入する手段があるとすれば、それより深いところ。遺跡に来るまでの崖下に水が流れてるのが見えた事を思うと、そこから遺跡内部に潜って侵入
したと言われた方が分かる。
その場合だと、彼等の水滴が落ちていてもおかしくはない。しかし、それが一切ないというのはどういう事だろうか。ここは侵入路ではなかったのだろうか?
(だとすれば、転移で送り込めるとかか?そんな事が出来るならこんな形で送り込まず、直接遺跡の何かを取りに来てるか)
「葵君!!」
葵の思考を割く様に、漆黒の廊下の陰鬱さを吹き飛ばす様に、明るい声が突如として奥から聞こえてくる。
聞き間違い、あるいは葵を助けに来た仲間、あるいは罠か。そんな思考から葵は声のした方に視線だけ向けて、更なるアクションを待つ。咄嗟に返事だけして動かずに確かめるとかも出来ない理由があった。
「葵君?葵君!!あれ、聞こえてないかな」
その声は確かに葵のよく知ってる声だった。その声を聞いた時間は生涯の中で考えれば短くとも、忘れられるはずのないものだった。
「──宮井?」
有り得ない。死人は戻らない。死人は都合よく前に現れてくれない。例え異世界であっても。それをよく知っていて、この瞬間にも分かっている葵は、なんて悪趣味な疑似餌を用意するんだと考えて、動かずに声の先を睨みつけていた。
その割に、宮井と呼ぶ声は、不釣り合いなほどに優しく、悲しい音だった。ギュンターの様に死者に縋って、死者に引っ張られてはならないのに。
「優奈って呼んで欲しいのに、改めて呼んでもらえると……なんか、泣けるぐらい嬉しいな」
ああ、彼女の言いそうな言葉だ、子供の頃の声のまま。声変わりを経験して、その不便さと変化後の自分の成長を笑い合うことが出来なかった宮井優奈は、子供のまま笑っている。
声しか聞こえないが、高校生になった滝沢葵を、小学生のまま時が止まった少女が手招いている。この廊下の先へと。
(これは、まずい。魚人が通ったって事は、邪神の影響範囲内でもあると考えてもおかしくなかった。これはきっと精神攻撃の類、一時撤退するしかない。皆の脱出路には使えないって事だけが確かで──)
「葵君!」
しかし、考える暇もなく、廊下の奥から、暗闇という恐怖と未知の象徴から、声をかけてくるだけだった少女が葵の目の前に立っていた。
頭を隠す様に深く帽子を被った、ピンクの入院着の少女が、あの時と変わらない笑顔で立っていた。あの時は目線が合ってたのに、今では見下ろすしか出来ない高さになってしまった。
「えっとね、遅くなったけど……はい!」
「──」
「まさか、忘れちゃったの?だとしたら、寂しいな……」
「忘れる、わけがない。だからこそ、俺はずっとそれを、待って」
少女がおずおずと差し出した学校配布のプロフィールカード。お友達紹介カード。
学校の課題で出されたのは、このカードを渡して、その友達に埋めてもらったプロフィールカードを提出して教室に貼り付けるという物だった。当時の葵は、彼に書いてもらおうとする友人が多かったが、その分だけ葵は誰に書いてもらうか悩んでいた。その末に、入院した時に仲良くなった同じクラスの少女、宮井優奈に託した。
どんな事が書かれていて、どんな夢や、好きなものがあって、渡し主たる葵にどんな思いを持っているのか、テンプレートに沿って書くなら必ずそこに書かれているものは、ついぞ葵が知り得なかった彼女なのだ。
(違う、まやかしだ!宮井優奈はいない、この世にいない!だって霊柩車が、泣いてるご両親が、学校に来たんだ。隣の人はあくびしてた、他の人も普通に談笑してた、覚えてる、忘れるはずもない……!そうだ、俺はそのカードはずっと未提出のままだ!!)
一瞬だけプロフィールカードの方に視線は向いたが、その中身を見る事なく葵は刀を振って幻影を払う。幸いだったのは、幻はあくまで幻だったから霧の様に姿が消えた事だろう。
その一瞬、ほんの一瞬だけ見えた少女の顔は、笑顔のまま動いていなかった。悲痛な顔をされるよりも、葵の知ってるその顔で止まっていたことの方が、ある意味で葵にとってダメージが大きかった。
「っ……う、うぅ、ぐ」
彼女は葵が死に至らしめたわけではなく、あくまで病で亡くなった。手にかけたわけではない以上、今のは本当にただ投影された映像を消した様な物だ。
しかし、物理的な傷を負っていないのに、葵は呻き、額を押さえ、自分のした事を無意識に責め立ててしまうのだ。優奈と共に過ごした時間はだんだん彼女のいない時間よりも、圧倒的に後ろにある物になるが、どこまで走っても過ごした時間の色彩は足跡に滲んでいる。
だからこそ、これだけの事だとしても葵の気持ちとしてもこれだけでという事では済まなかった。
「何だ、なんなんだよ!くそっ、くそ!!こんな事に時間をかけてる場合じゃ──」
振り返った瞬間、葵が手にかけた使徒、それに加えて連理がこちらを見ていた。責めたり、あるいは優しくしてきたり、そんなまやかしらしく何か言うでもなく、ただ葵の方を見ていた。その視線の中に込められた感情が正確に読みきれず、葵の中で不安が増幅する。
「ッ悪趣味だ。死人を利用して、俺を惑わせようなんて、卑怯なやり方だ……!!」
口に出す事で不安と動揺を落ち着かせようとするが、それでも幻だと切り替えられていない。先程振り切ったからと言って、それを継続出来るかは別なのだ。
死を見届けられず、約束も守れなかった少女が宮井優奈。使徒は葵が殺めてしまった不可逆の大罪の証拠、全く別ベクトルなのだ。
「落ち着け、落ち着け。ただ見てくるだけの幻に攻撃性はない。そうだ、見てくるだけじゃないか」
額に手を当てながら、彼等を見る。死人の様に表情は変わらず、恨みも怒りもその先にはなく、蝋人形の様だ。
不気味だ、こんなに無機質なのは彼らではない。無機質ならば魔王の陣営になどつく理由はない。彼等にはいつも激情があった。それは共感出来ずとも、相手が人間であると葵が認識するには十分なほどのものだった。
(だから、こんなのは彼等ではない)
刀を振るう、斬るのではなく、幻への拒絶の意思表示をする為の行為に近い。しかし、葵はもはや癖の様に心臓のある位置に向けての刺突。幻に痛覚などなければ、血も出ない霧を斬り裂く様に容易い。
事実として、1番先頭だったギュンターの幻が消えて、クライルが消える時も何も言わずに消滅した。だって彼等は自分で殺した、彼等の魂は自分の中にあるのだから、ただの投影された物に怯える必要はない。だから次から次へと作業の様に。
「ねぇ」
そう思っていた時。最後に残った少年、飛鳥翼の幻だけが口を開いた。
「ギュンター兄ちゃんは?」
何か言う前に武器を振れば良かったが、手が止まってしまったのだ。
「お姉ちゃんも、僕みたいにいじめるの?」
聞き終える頃にはもう刀を振り終えた後だった。いや、聞き終えるまでは出来なかったと言う方が正確だろう。
「っはぁ……!はぁ──」
葵の記憶にはないはずの連理の弟を見て、翼の首を斬った感覚が戻ってきた気がした。連理が言っていたのも先代のことで、実際に使徒としての彼と対峙したのは先代のはずなのに。
小さい子供だった。小学生の子供だった。自分よりも小さく、制服も着た事がない様な幼い子供だった。
(それを、首を……?しかも、彼の家族の前で……?)
子供だからダメなのか?そうではない。そうではないが、まだ1人で生きていけるほどに、多くの知識も力も持っていない年齢の、守らなければいけない立場の子供を殺したという感覚は、やはり強烈なまでの罪悪感になるのだ。
先代の気持ちに近付いた気がしていた魚人達との戦いの後に、先代がどんな気持ちでこの子供を殺したのかについて考えると突き離された気持ちにもなった。
だが、同じ立場なら、自分もやらざるを得ないならば、今の自分はそうしたかもしれないという事実は葵の体温を奪いそうな程の恐怖だった。
「……」
幻はもういない。使徒達も、宮井優奈も、葵自ら消した。
「──平気だ。どこも痛くないし」
自分の頭から発せられた幻かと思ったが、この場所の特性だと思えば平気だと、自分のこめかみをガリガリと必要以上に掻きながら己を納得させる。
「うん大丈夫、大丈夫、大丈夫。ここの通路は、何かに阻まれてるんだ。大丈夫、早く、切り替えて戻らないと──」
首を振って去ろうとした時、今度は何かの引きずる音が聞こえた。
「敵」
振り向きざまに刃を飛ばそうとした。その敵が実体を持つ物であろうとなかろうと、幻も含めて敵だと判断した。
しかし──
「──ぁ、あ゛ぐっ」
その瞬間に今度は異なる音、か細い声が聞こえた。そこでようやく手を止め、その主が何なのか目を凝らす。
「た、たすけ、て、ぐ、れ゛」
それは幻でもなんでもない、本物の生きている人間だった。




