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「2.5次元世界」にて、スキル「フレーム回避」を手に入れたゲーマー俺氏、無双開始秒読みな件について  作者: 木兎太郎
第二部 第四章 これで

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53話 いや、まずない?


 軍隊同士がぶつかった。

 衝撃音などはほとんど聞こえないが、怒号などが辺りに響き渡る。

 それに草木などが全くない枯れ地なので、砂煙も巻き上がった。

 もしも今雨が降れば、色が変わったことだろう。

 

 俺たちは軍隊から少し離れ、遠くから様子を伺っている。

 軍隊同士がぶつかり合い次第、回り道をして城に潜入する作戦だ。

 戦争が始まった今、中が手薄になっているはず。


 慎重に遠回りした。

 敵にもばれずに古城の側に来ることができた。

 近寄ってようやくわかるが…でかい。

 魔法で短時間建築出来るとは言え、ここまでの規模は流石にドン引きだ。

 それこそ国立競技場くらいはあるかもしれない。

 窓などはなく、全部鉄格子だ。

 城といよりも、要塞化されている。

 地球と戦争しようとしているのだから、ある意味当然か。


 入り口は正面の一つしか見つからない。

 でもそこには五人ほど兵士が立っている。

 俺と新木さんなら恐らく問題なく無力化できるだろう。

 でも他の兵を呼ばれては厄介なので、他の侵入方法を考える。

 思い付いた着いた手段は、最も単純なものだ。


「じゃ、行くよ。」


 爽さんが剣を数回振るった。

 音すら鳴らさず、古城の壁面を撫でる。

 そして最後に壁面に剣を突き刺した。

 それをゆっくりと奥へと倒す。

 音もなく、侵入経路が完成した。


「…この壁、魔力反応がありますぞ。恐らく魔法で強度を強化されていましたぞ。」

「でも…斬れちゃったね。」

「…うん。」


 夢豚さんが後からそんなことを言った。

 でも爽さんにかかれば魔法は意味をなさないらしい。

 まぁ当然か…と思える爽さんすげぇ。


 俺たちは早速中に侵入した。

 爽さんは壁をもう一度所定の位置に嵌めた。

 これで侵入経路がばれることもないだろう。


「にしても広いな。でも闇雲に探している暇はない…どうするか。」

「ここは吾輩に任せて欲しいですぞ。一応遠隔外装にはソナー機能も入れいるのですぞ。」


 夢豚さんはこめかみに手を当てて、しばらく目をつぶった。

 集中しているように見える。

 いつの間にか、遠隔外装に表情が追加されていた。

 たぶん目をつむっていることになんの意味もないと思うけど。

 正直驚いたけど、そんなことを気にしている局面では無い。


「ふむ、想像していた以上に人が少ないですな。どうも外に出ているのが大半の兵士のようですぞ。」

「…?以外に少ないですね。」

「だから戦いを避けるような作戦を行使していたのかもしれませんな。」


 なるほどな。

 確かにパーストの作戦は、どちらかというと戦意を削ぐものだった。

 兵力が十分じゃないから、そんな作戦を選んだのか。


「この古城、地下へと続く経路がありますぞ。」

「ここ最近の地下ブームには驚かされますね。」

「いや、おそらく核弾頭を警戒しているからだと思いますぞ。」

「本当の意味の、シェルターってことですか。」


 本当に地球との戦争を計画していたのか。

 こうして設備などを見ると、恐ろしさが増す。

 もしもう少し俺たちが気付くのが遅ければ、事態はもっとひどいものになっていたのかもしれないな。

 おそらく敵が強硬手段に出ていないのは、まだ剣が手に入っていないからだ。

 もしも何もかも遅ければ、"剣"による強硬手段すらあったのかも…。

 でもそれは逆に、まだ柵魔さんが生きている証拠にもなる。

 必ず助けるぞ。


 夢豚さんの案内に従い、俺たちは地下へと向かった。

 敵兵に見つからないルートで、丁寧にスニーキングした。

 歩いてみると分かるが、現代の警備設備みたいなものは、あまりない。

 結局夢豚さんのソナーに頼りきりなので、来てもらって正解だったが、同も警戒しすぎていたらしい。

 そしてとうとう、スニーキングできない場面までたどり着いた。


「やはり地下への入り口は、警備がいますな。」

「そうですね。二人か…俺と爽さんでどうにかなると思います。」

「そうだね、いけると思う。」


 爽さんが腰に差した紫雲木に手をかけた。

 俺も夢霧無に触れる。

 すると俺の隣から、唐突に爽さんが消えた。

 例の"縮地"を使って、一瞬で敵の方まで行ってしまった。

 エルフは種族として、知覚機能が非常に優れているらしい。

 視力も動体視力もいいので、爽さんの動きを目で追っていたようにも見えた。

 でも体は付いていけないのか、そのまま爽さんに峰打ちされてしまった。

 俺が出るまでもなく、二人の兵士を無力化してしまった。


「あぁ…流石だな。」

「うん…相変わらずだね。」


 描絵手は爽さんが戦うところをよく見ていたらしい。

 あのライブ配信の時に。

 爽さんは水無瀬さんも千里さんも全く寄せ付けず、無力化したらしい。

 確かに戦いが終わった時に無傷だったので、恐ろしさが良くわかる。

 味方だから心強いけど。


「それじゃ地下に行こうか…。」

「何があるんだろう…。」

「…とりあえず降りた箇所に敵はいないようですぞ。」

「分かりました。」


 俺たちは早速地下へと向かった。

 石造りの階段が、ロウソクで薄暗く照らされている。

 有名ゲーム"生物危機"の洋館を歩ているみたいだ。

 生物危機は人間をゾンビにするウイルスが、とある研究施設から世界中へ蔓延したという斬新かつ面白いゲームだった。

 それはさておき、俺たちはそんな不気味な雰囲気の中、先へと進んだ。


「おかしいですな…地下に敵兵がいませんぞ?」

「いない?…人間の反応がないんですか?」

「…いや、一人分だけは…熱検知出来ましたぞ。」


 す、凄い数のセンサーが搭載されているんだな。

 ゲームに必要ないから使ってなかっただけかな。

 さらに先へと進むと、やがて広い空間へと俺たちは出た。

 そこから見える景色は、少しだけ意外なものだった。


 その空間はまるで太陽に照らされているかのように明るく、地下だというのに地面には少なくない植物が実っていた。

 花を咲かせ、葉を生き生きと光に反射させている。

 この場所だけで、地表にあった城がすっぽり入りそうだ。

 それくらい広い。


 さらに奥を見渡せば、そこには玉座があった。

 そしてそこに、一人の老人が座っている。

 顔はどこか傲慢そうで、髪も目も、その全てが真っ白だ。

 一般的な白髪は透き通った感じがあるが、彼はそうではない。

 まるで空から降り積もった雪のように、その髪は白かった。

 髭も同様に真下へ伸ばし、腹部を悠々と覆っている。

 玉座は木でできた非常に奇妙な様相をしている。

 おそらく彼がパーストで間違いないだろう。


「ふ、…文歌。」


 描絵手が横で小さくつぶやいた。

 玉座に座るパーストの横に、柵魔さんが倒れている

 ひどく傷ついており、とても無事には見えない。

 柵魔さんの真下で、魔法陣のような紋章が薄く光っている。

 何かを現在進行形でされているみたいだ。

 ここからでは呼吸をしているかすら確かめられない。

 俺たちが柵魔さんを見つめていると、パーストがゆっくりと口を開いた。


「安心せよ。この娘は生きておる。」

「…彼女に何をしているんですか?」

「…この娘の、スペシャルスキルを取り出しておる。もうじきスキルは取り出され、娘は死ぬがな。」

「…は?」


 パーストは当然のようにそう語った。

 俺たちにわかったのは、時間がないことだけ。

 もうじき柵魔さんは死ぬらしい。

 俺はすぐに踏み出そうとした。

 しかしそれは、爽さんに止められてしまった。


「濃密な殺気が充満している。パーストからじゃないみたいだ。…これ、まだ誰かいるよ。」


 周囲をいくら見渡しても、敵は見えない。

 でも爽さんの言っていることだ。

 警戒を怠らないほうがいい。

 考えなしに踏み込めば、殺されていたのかもしれない。


「チッ。経験値のある引率を連れているらしい。」


 唐突に空間に裂け目が出来上がり、そこから黒装束の男が出てきた。

 夜に溶け込めそうなほど、真っ黒なロングコートだ。

 まるで誰かの喪に服しているかのようにも見える。

 釣り目の特徴的な目をしており、その視線には迫力がある。

 強大な猛禽類に、目をジロリとみられているかのようだ。


 さらにその奥から、もう一人出てきた。

 彼の髪の毛は真っ白だ。

 その白さは、パーストの髪を彷彿とさせる。

 ただ顔立ちは、大きな垂れ目である以外は、黒髪の男に似ている。

 真っ白なTシャツに真っ白な半ズボンという、少年のような格好だ。

 でも少なくとも、俺よりは年上だろう。

 たぶん兄弟…なのだろうか。

 すると白い髪の彼が、口を開いた。 


「初めまして、僕の名前は"斎条さいじょう 秋葉あきは"。こっちの背の高い方は、僕の兄で"斎条 春樹はるき"。君のことは知っているよ。少なくとも僕は、君…いや、無夢霧のファンだ。」

「…何普通に話しているんだよ。お前ら、自分達が今何をしているのか分かっているのか?」

「理解しているさ、ちゃんとね。そこにいる"朝比奈 描絵手"の従者である"柵魔 文歌"を殺そうとしている。でもそれは計画の一部でしかなくて、僕らは世界を滅ぼすことになる。」

「世界を…滅ぼす…?何を言っているんだ?」


 俺たちが想定していたことよりも、遥かに危険なことを、秋葉は淡々話して始めた。

 もはや秋葉の一動作でも危険なものに思えて、俺たちは一瞬たりとも彼から視線を外さなかった。

 そんな中、秋葉はゆっくりと首元からネックレスを取り外した。

 それを口元に近づけて、再び話始めた。


「《安心せよ。この娘は生きておる。》」


 秋葉がしていたネックレスが変声機だと、直ぐに理解できた。

 そしてそこから聞こえた声は、確かにパーストのものだった。

 俺たちは先ほどまでパーストだと思っていた者を、再び見た。

 先ほどまで確かにパーストであったそれは、いつの間にか一本の木へとその姿を変えていた。

 そうか、確かに夢豚さんはあの時、


 熱検知には"一人"分だけ反応がある…と言っていた。


 つまりその反応は柵魔さんのもので、ここにパーストはいない。



質問して頂いた方、ありがとうございます。

最後まで読んでくれるか分かりませんが、一応全部の質問に共通する回答を書いておきます。

この小説の設定は、それなりに練っていますが、至らない点もあると思います。

その辺は読者の想像で埋めて頂けると幸いです。

お手数ですが、よろしくお願いします。


いやぁ、急に質問が来て驚きました。

嬉しいことですが、これもコロナウイルスの影響ですかね。

今って学校が休みだから…なのかな?

そうしてできた時間を、この小説に割いてくれて本当にありがたいですけどね。


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Twitterアカウント:@SKluMYkhIpMoZ2I◆Twitter始めたので、良ければフォローお願いします。といっても、今の所フォロワーZEROですけど。
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