表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「2.5次元世界」にて、スキル「フレーム回避」を手に入れたゲーマー俺氏、無双開始秒読みな件について  作者: 木兎太郎
第二部 第三章 真実の最寄

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/63

44話 天才なる者、夢豚1


 さて、無事に帰国した。

 柵魔さんが誘拐されてから、すでに一日が経過してしまっている。

 なるべく早めに助けてあげたいけど、まだ調査が足りない。

 敵の組織を特定して、アジトを突き止める必要がある。

 マジでスピード命だ。


「ただいま。」

「お帰りなさい。」

「現状は電話で説明した通りなんだ。」

「あぁ、描絵手ちゃんの侍女ちゃんが攫われたんだよね。大変だ。」


 爽さんの表情が少しだけ暗い。

 彼は非常に優しい人なので、描絵手の気持ちを察しているんだろう。 


「僕的にもそれは同意だけど、生きている確率が高いんだよね?」

「そうだけど、よくわかったな。トット。」

「ま、君の表情である程度分かるさ。」


 俺はまず自宅に帰った。

 描絵手もそれは同じはず。

 とりあえず旅行用の荷物やらなんやら、色々整理が必要だし。

 ちなみに事前に電話で爽さんやトットに事情を説明しておいた。

 二人の力が必要になる場合もある。

 爽さんは強いし、肉体的な力を借りる場面もあるだろう。

 そして多分送った荷物がもうそろそろ…


 ピーン、ポーン!


 うん、ぴったりだ。

 俺はすぐに玄関に出て、荷物を受け取った。

 俺の背と同じくらいの段ボールで、宅配業者も台車で運んでいた。

 想定通りの荷物なら、それくらいの重さが余裕であるはず。

 俺も持つことはできないので、早速段ボールを開け…ようとした。


 ボスンッ!!!


 という音が段ボールから鳴り、穴が開いた。

 そこから紫色の手が突き出ている。

 もちろん中身は"遠隔外装"だ。

 今回の一件に、夢豚さんの力は必要不可欠だろう。

 彼は俺に開けられることなく、自力で段ボールから脱出した。

 遠隔外装は夢豚さんの体形に合わせ、太っている。

 私夢叶の時にも胸を再現していたし、当然お腹も再現可能か。

 リアリティに凝ったゲームデザインなんだろう。

 背も私夢叶の時よりも少しだけ低い。


「ふぅ~、夢霧無氏。さっきぶりですぞ。」

「夢豚さん、いらっしゃい。」


 俺たちが適当な挨拶を済ますと、トットと爽さんが唖然としながらこちらを見ていることに気付いた。

 それはそうか、これが突然家に来れば、誰だって驚くだろう。

 紫色の太ったロボットが突然しゃべっているんだ。


「説明するよ、こちら夢豚さん。」

「夢豚…?申し訳ない、僕の記憶では彼は人間だったはず。」

「爽さん、もちろんその通りなんだけど、これは彼の開発した機械で、"遠隔外装"っていうんだ。ゲームハードといってもいいかもしれない。」

「遠隔…外装?」

「人の意識をこの遠隔外装に入れて、機械を疑似的な体とする仕組みがこの"遠隔外装"で、夢豚さんはこの遠隔外装を元に、現実世界をゲーム化しようとしているんだ。」

「む、難しい話だね。」

「爽君、君は相変わらず頭が弱いな。この世界には魔物がいるんだから、ゲーム化するのはそこまで難しくない。でも実際に人間の体を使うのは普通に危険だから、機械の体に危険を代理してもらう…つまりはこういうことだよね?」

「その通り。」


 流石はトット、理解が早いな。

 神様らしく、なんでもそつなくこなすんだな。


「おぉ、頭がいいですな。夢霧無氏、そちらの方は?」

「こちらは"トット"っていう神様。」

「か、神様!?」

「それでこっちは"新木 爽"さん。今は夢霧無活動のマネージャーをしてくれています。住み込みで。」

「ほう、前はなんだったのですかな?」

「一応シェルでしたね。」

「そうでしたか、新木さん。吾輩のこの遠隔外装については、決してシェルターへの告げ口はなしでお願いしますぞ。」

「分かりました。といっても今も連絡を取っているシェルは、ほぼいないんですけどね。」


 爽さんがそんなことを言うから、部屋中が静かになった。

 全員の同情するような視線が、彼に向けられる。

 決め手があの"変態紳士"だったら、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。 

 俺の責任もあると思う。 

 まぁでも今は後悔している場合じゃない。

 一刻も早く敵を特定しなければ。

 帰国するまでの間に、というか昨夜にいくつか準備をしておいた。

 それが順調なら、もう少しで電話が入るはず。


 プルルル、プルルル。


「もしもし、一色です。」

『織田だ。』


 織田さんには大規模魔法の調査を依頼していた。

 でも実際は夢豚さんが発見したワンクリックマジックが答えだった。

 そのため、グランディア界隈の調査はお姉ちゃんに任せ、織田さんには帰国してもらうことにした。

 というのも、彼の権限で出来ることと水無瀬さんの権限で出来ることには差があるらしい。

 それも結構大きな差だ。

 そのため、俺がやりたいことを実行するには、彼に頼るしかない。


「電話ありがとうございます。それで、どうでしたか?」

『あぁ、お前の言った通りだった。』

「つまり…?」

『ライブ配信翌日の朝、大量の細かい魔力反応があったぞ。薄い魔力の反応が、世界中に雲みたいに広がっていたらしい。』

「やはりそうでしたか…。」

『つまりシェリーに手が加えられたのは。前日の夜か、翌日の朝が怪しそう…だ。もっとも、一色の言っていたワンクリックマジックを準備するのに一晩必要だっと見積もるのが普通だが。』

「つまり、翌朝怪しいわけですね。それで、もう一つの件の方は?」

『あぁ、父に許可を取っておいた。』

「これでシェリーのサーバールームに入れますね。」

『誰が来る予定なんだ?』

「僕ともう一人、ドワーフの女性と一緒に行きます。」

『わかった。その旨を入り口の受付に伝えておく。本部の位置はもちろんわかるよな?』

「スカイツリーの地下…でしたよね?」

『その通りだ。表向きは東京ドームをぶっ壊して建てたことになっているが、あれはシェルターの上澄み…というか支部だ。分かりやすい広告塔みたいなもんだな。』

「贅沢な広告塔ですね。」

『だろ。リヒトを表に待機させておくから、あいつと入るといい。』

「分かりました、ありがとうございます。」

『それと、俺たちを顎で使うんだ、…例の件を忘れるなよ。』

「もちろんです。かなり良いシステムでしたから、旨味しかありません。」

『ふん、それはこれから俺が判断するさ』


 プツン。


 通話が切れた。

 今の所計画通りに進んでいるみたいだ。


「契躱、今の電話は?」

「爽さん、敵を特定するために、織田さんにいくつかお願いしていたんだ。

 まず前提として、描絵手の記憶改竄は、一個人単位で魔法を使った結果というのを夢豚さんが突き止めたくれたんだ。

 だから人々の記憶がおかしくなり始めた日に、大量の小さな魔力反応があるはずだと考えてみたんだ。

 そこでいくつか段階的に計画を立ててみたんだけど。

 ①織田さんに魔力反応局を使ってもらう。

 ②魔力反応からシェリーに細工された日を探る。

 ③日付に当たりを付けたら、サーバーでその日のログを調査する。

 ④不審点から、シェリーの改竄者を特定。

 とまぁ、敵のアプローチが現代的だから、こっちもその方面で攻める。」

「なるほど、今回は僕にも分かりやすいよ。」


 一連の流れで、敵の本体がつかめれば万々歳だ。

 かなり順調な滑り出しなのは間違いないだろう。

 夢豚さんが突き止めたワンクリックマジックが、かなり大きな手掛かりになっている。


「それじゃ俺は、早速ミルさんの所に行ってくるよ。」

「あぁ、さっき電話で話していた女性ドワーフはミルさんか。」

「その通り。…よければ夢豚さんも来ますか?」

「女性ドワーフ…合法ロリ…萌え…行きますぞ!」


 前半何かボソボソ言っていたけど、良く聞こえなかったな。

 でもミルさんと夢豚さんは気が合いそうな気がする。

 遠隔外装なんてオーバーテクノロジーにそもそもミルさんが食いつくし。

 俺だってあれは相当興味がある。

 おっと、それよりも夢豚さんの変装か…。

 流石に遠隔外装むき身じゃ、技術が流出しちゃうな。

 この家に変装できそうなもの…そうだな…。

 俺は変装道具を探しに行くために、取りあえず二階に上がった。

 そして少し大きめの服を探すために、父さんの部屋へ入った。

 まずはこの黒いフード付きレインコートだろ…それにお面で何とかなるかな。

 それにしても、どうして父さんの部屋にひょっとこのお面があるんだ?

 まぁいいや、ありがたく借りよう。


「夢豚さん、これを来てください。」

「確かに変装が必要ですな。ありがたくお借りしますぞ。」


 夢豚さんが黒いレインコートと、ひょっとこのお面を身に着けた。

 トットや爽さんが、そんな彼へと同情の視線を向ける。

 もしかすると俺は、二人目の変態紳士を生み出してしまったのかもしれない。

 少なくとも、まともな精神を持つ者ならこんな格好はしないだろう。

 フードまでガッツリ被るので、なんとなく恐怖心をあおられる。

 かなり不気味だし。


「ふむ…ま、これなら問題なさそうですな。夢霧無氏、それでは早速ミルさんの元へと向かいましょうぞ。」

「は、はい…分かりました。」


 当の本人は気にしていないみたいだが…罪悪感が凄い。

 隣を歩くのも少しだけ嫌かもしれない。

 でも俺が用意した服だし…これは自然な格好だということにしておこう。

 なんかこう、趣がある…的な!


この話のタイトルにある通り、夢豚さんに少しだけスポットが当たるかもしれません。

"3"までは確実にあって、2と3の間には少しだけ間があると思います。

私が蛇足したくなれば、"4"もあるかも…いや、ないかもしれません。


レインコートにひょっとこのお面、想像するとやばいな我ながら…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Twitterアカウント:@SKluMYkhIpMoZ2I◆Twitter始めたので、良ければフォローお願いします。といっても、今の所フォロワーZEROですけど。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ