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「2.5次元世界」にて、スキル「フレーム回避」を手に入れたゲーマー俺氏、無双開始秒読みな件について  作者: 木兎太郎
第二部 第三章 真実の最寄

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41話 されど彼はその思いを決する


 描絵手は今日あったことを一通り教えてくれた。

 内容は衝撃的なものだった。

 話を聞けば聞くほど、結論は一つだ。


「ごめん…完全に俺のミスだ。離れるべきじゃなかった。」

「契躱君、違うよ。契躱君はあの場にいなかったんだから。」

「いいや、本当に守るべきものが何か、見落としていたんだ。実際"遠隔外装"は俺にとっても魅力的だった。だから…簡単に描絵手と離れる選択をしたんだよ。」

「そんな…それは。」

「俺に君を守る資格はないのかもしれない。俺は所詮…ただの子供だよ。」

「でも…そんなこと…。」

「今すぐ日本に帰るべきだ。シェルターの庇護下に入ろう。最初からそれが最善だったのかもしれない。俺には…もう。」


 バチンッ!!!!!


 大きな音が鳴った。

 風船がはじけるような、そんな音だった。

 頬が熱い。

 余りに一瞬の出来事で、何が起きたのか理解できなかった。

 ただ目の前に立っているピースさんと、その振り切った手で状況を悟った。

 俺は彼女に、ビンタをされた。

 頬が消し飛んだのかと思えるほどの威力だった。


「目は覚めましたか?」

「一体…何を?」


 バチンッ!!!!!


「…い、痛いです。流石に。」

「目が覚めたのか、私は聞いたのです。」

「何が…言いたいんですか?」

「ハァ…目を開けているだけで、まだ寝ているようですね。」


 ピースさんは俺の胸倉をつかみ、いとも簡単に片手で俺を持ち上げた。

 そして俺の目を睨みつけるように見る。

 その瞳の奥には、どこか優しさにも似た感情があった。


「あなたの正体はもうわかっています。まさか私が、あなたみたいな下らない人のファンだったなんて。」

「…?」

「あの時の、あのライブの時の威勢はどこへ行ったのですか?」

(夢霧無…のことを言っているのか。)

「分からない…です。」

「本当に都合よく、あなたは子供に戻るのですね?覚悟を決めたはずです。何かを守ろうと決めたその時、あなたは覚悟決めたのです。あの場に立つことは、胆力無き者にはできない。あなたには、確かに覚悟があった。」

「俺は今日、彼女から大切なものを奪ったんですよ。覚悟とか、もう事態はそんなレベルじゃない。俺は…俺は彼女から家族を奪った。」

「奪ったのは本当にあなたですか?見つめるべき敵を誤ってはいませんか?」

「見つめるべき…敵?」

「あなたが今睨むべきは、鎌を持った男です。その男は今、あなたが戦うべき男でもあるはずです。それに彼女の話では、まだ魔人の侍女が死んだなどという話は一切出てきていないはずです。」

「そんなの…理想論だ。現実から…目を背けているだけだ。」

「なら、諦めるのですか?救えるかもしれない命を?彼女の家族の命を?」

「ち、違う…俺は…ただシェルターに…大人に…任せた方が…。」

「そうですか、まさかここまで下らない男だったとは。なら彼女の前には二度と現れないことです。あなたのような下らない道化の話に惑わされては、人生の無駄になるのです。」


 ピースさんは、パッと俺から手を放した。

 俺はそのままソファへと落下した。

 ソファに尻餅をついた。

 どうってことはない、描絵手が柵魔さんを失った痛みに比べれば。

 俺が一度選択を誤ったから、柵魔さんは消えた。

 俺のせいなんだ。

 俺が…。

 俺の…。

 俺は頭を抱えて、その場にうずくまった。

 もう何も聞きたくなかった。

 考えたくもない。

 この先に、何が起きるかなんて。


「これは少し前に、私を救ってくれた友達の話なんだけど。

 私はあの日、死ぬことを決めていたの。

 誰にも救われずに、誰にも見られずに、ただ人生を終えようとしていた。

 それが正解だと思ったから、それにもう生きているのが辛かったから。

 いつか私を殺しに来る誰かを恐れて、ずっと隠れているのも。

 でも死ぬ寸前の私の心の中に、いつの間にか彼がいたの。

 彼は私の大切な友達で、彼の顔が浮かぶたびに私は苦しんだ。

 どうして私はこんなにも生に執着しているのかと。

 私は…その時に気付いたの。

 私は本当は死にたくなんかなくて、生きたかったんだって。

 当たり前のことだけど、私の中でそれは、当たり前じゃなかった。

 でも私がそれに気づいた時にはもう全部遅くて。

 そして私は、違和感に気付いた。

 必ず来るはずのその瞬間が、いつまでも来ないことを。

 だから私は、ゆっくりと前を見たの。

 そしたら彼がいた。

 嬉しかった。

 あの一瞬がどれだけ嬉しかったのか、きっと誰に話しても分からないと思う。

 ねぇ、聞いて。

 私を救ってくれたあなたに、私にまた生きたいと思わせてくれたあなたにだから、聞いて欲しいことがあるの。

 今まで生きてきた人生の中で、私が正解だと思えることが二つだけあって

 一つが生きると決めたこと。

 

 そしてもう一つは…契躱君を最初の友達に選んだことだよ。

 誰よりも優しくて、誰よりもかっこいい、あなたを選んだことなの。」


 描絵手は俺のことを、そっと抱きしめた。

 うずくまる俺を、つつみこむように。

 不意に雲間から射す、日差しのように。

 俺を優しく温めた。

 心に出来上がりかけた氷が、溶けていくのが分かった。

 俺だって同じなんだ。

 最初の友達が、描絵手でよかった。

 なんの意識もしていなかったけれど、俺は不意に俺の肩に置かれた描絵手の手を、強く握っていた。

 

 俺は今、何をしていたのだろうか。

 目が覚めた気分だった。

 あの時、俺は決めたはずなのに。

 ただ守りたいものを守ると。

 描絵手を、必ず守ると。


「ごめん、俺…目が覚めたよ。」


 俺は握りしめた手に、しっかりと力を込めながら、彼女を見つめた。

 その手の中に握っているのは手だけではない。

 

 決意だ。


「愛…ですな。(豚)」

「愛…なのです。(ピ)」

「愛…です。(モ)」

「愛…羨ましい。(水)」


「誓うよ。仮に世界中が描絵手の敵になっても、俺が必ず君を守る。」

「契躱…君。」

「…描絵手。」


 俺が彼女にそう誓うと、なぜか数瞬の間が開いた。

 そして彼女は少しだけ困った顔をすると、もう一度口を開いた。


「契躱…君…‥‥それだけ?」


「せ、攻めましたな。(豚)」

「攻めたのです。(ピ)」

「攻めますね。(モ)」

「う、羨ましい。(水)」


「えっと…とりあえずそれだけだけど。」

「あの…さ、自分の手に胸を当てて、少し考えてみようか。」


「ね、粘りましたな。(豚)」

「粘るのです。(ピ)」

「粘りますね。(モ)」

「カスですね。(水)」


「ハハハ、大丈夫だよ。心配しなくても、必ず守るから。」

「ち、違くて…そうじゃないんだけど、…もういい。」


「馬鹿ですぞ。(豚)」

「馬鹿なのです。(ピ)」

「馬鹿です。(モ)」

「おいコラカス死ねや。(水)」


 ようやく周囲を見回せば、俺に対する視線がかなり厳しい。

 わかる、確かにさっきまでの俺はカスだった。

 もう大丈夫だ。

 あの日の決意を思い出したから。

 そうだな…だからまずは。


「それじゃぁ早速、手始めに柵魔さんを救おうか。」


 俺は周囲の視線を振り切り、高らかに宣言した。


短くて申し訳ないです。

これが一番区切り良かったんですよ。

…嘘です。間に合わなかったです。


それと今日はもう一つ、実はツイッターやってます。

良ければ好きな漫画やゲームに関して話しませんか?

フォローしてくれたらフォロー返します。

是非よろしくお願いします。

アカウント:@SKluMYkhIpMoZ2I

(ツイッターの使い方もよくわかっていません。よければ教えて下さい。)

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Twitterアカウント:@SKluMYkhIpMoZ2I◆Twitter始めたので、良ければフォローお願いします。といっても、今の所フォロワーZEROですけど。
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