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11-6[マモリルート]
私は走る。
特に当ても無い。
けれども立ち止まっていることはできない。
行かなきゃ。
行かなきゃ、行かなきゃ、行かなきゃ。
我主の下へ行かなきゃ。
何故私はあんなところにいたのか。
何故私の手に誕炎帝が無いのか。
何故私の体はこうも傷付き重いのか。
全く持って分からないけれど、そんな事に構っていられない。
急いで、急いで行かないと。
「おお、敵が来たぞ!」
「クックック、我々の秘蔵武器、砂糖剣で倒してしまおう!」
前方に粗大ゴミがある様子。
……掃除をしなければ。
駆逐をしなければ。
操水皇しか無いけれど、ゴミを消すには十分過ぎる代物。
さあゴミとゴミを滅ぼそう。
「憑依、ミズチ」
剣から溢れ出た水が、私の身体を覆い凍らせていく。
腕、身体、足。
顔以外の全て。
氷が包んだ。
「な、何てカッコイイんだ!」
「もしかして同類かもしれぬ。歓迎しーー」
「黙れないの?」
私は絶対零度の冷気を敵に吹き付ける。
床が凍り、天井が凍り、敵が凍り、全てが凍り。
通路は氷の道となった。
「さあ急ごう」
急いで、急いで、急ごう。
偶に現れるゴミを掃除しながら。
行って、行って、奥へと行く。
扉を開け、広い部屋を抜け、また通路を進み、扉を開け。
辿り着いた先には、我主を拐った憎きフード男と、謎の剣使い。
そしてボロボロのショウがいるだけであった。




