11-4[ミーシャルート]
ーー私は愚かだ。
完全に油断しきっていた。
だからこそ主君を拐われるという失態をしてしまった。
本来守らないといけないのに、ちゃんと守らないといけないのに。
自分が憎い。
ちゃんと出来なかった自分を許せない。
ーーそれ以上にこのふざけた連中に対して怒りを感じている。
我が主君を傷つけ誘拐しようとしている、ふざけた名前の連中らに。
「正直これは大人としては駄目な事だとは思うわ。自分のミスを他の人に押し付けてるから。でも、しょうがないよね」
けれど、許すことはできない。
甘かった私自身も、我が主君を襲った連中も、何もかも。
だからこそ誓うのだ。
「私自身を殺しつつ、敵を滅ぼさなきゃ」
自分の体はどうでも良い、我が主君の痛みを知ることができるならば。
自分の感情を殺しても良い、我が主君の苦しみを感じられるのならば。
自分は死んでも良い、我が主君を救い出すことができるならば。
けれどそれは私だけではない。
私の体が崩れると共に、敵は倒さなければならない。
私の精神が壊れる前に、敵の心を破壊し尽くさなければならない。
私が死ぬ前に、敵を虐殺しなければならない。
敵は私と共に滅ばないといけない。
「だから、だからこそ、この技を使わないといけないの」
この武器を手にした時、教えられたが使うなと言われた禁断の技。
自身を焦がし、凍らす代わりに、敵を燃やし、凍てつかせる。
まさに今の私にぴったりだ。
ならやっぱり使うしかない。
「ーーミズハカグツチ」
私は炎と氷に包まれた。




