11-3[宇佐美ルート]
一人で奥に進む事数分。
未だ誰とも会う事なく、順調に進んでいました。
ここまでスムーズだと、ちょっと不安になってきますが……ちょっと運が良いんだと思いましょう。
「あれ、扉?」
奥に進んでいくと、そこには扉がありました。
他に道や扉は無いようです。
「と言うことはここを通るしか無いということでしょうか?」
罠な気がするのですが、引き返す訳にもいきません。
ここは意を決して行きたいと思います。
まず開ける前にノックを3回。
特に変化はないようです。
今度は扉を少しだけ開けて様子を見てみます。
中は広い部屋になっていて、誰もいない様子でした。
これだったら入っても大丈夫かな?
私は特に足元を警戒しながら部屋の中へと入りました。
改めて見るとここの部屋、ビルの一室のように無機質なコンクリートになっています。
家具もそれに合わせているのか、オフィス用のデスクや書類の棚がありました。
……それにしても思うことがあるのですが、この部屋一度来たことあるような気がします。
デジャブというものでしょうか。
ちょっと不安を感じてしまいます。
そう思っていると何処からか糖党の笑い声が聞こえました。
はい、いつもの「クックック」です。
「クックック、我がフィールドへようこそ」
そう言いながら奥から現れたのは、太く長い電源コードを持っている敵さんの姿でした。
あれ、どこかでお会いしたことがあるような気がします。
お部屋といい、この方といい。
もしかして以前、このようなシチュエーションで戦った事のある方なんでしょうか?
うーん、どうも思い出せません。
「また俺の高貴な技、錯乱目で混乱させてやろう!」
敵さんは目をまん丸に見開いて、持ってる延長コードを振り回して近づいてきます。
技名も出ましたがやはり思い出せません。
察するに目を見ることがトリガーとなって、混乱とかになってしまうようですが、いまいち分からないです。
とりあえず敵さんの目線に気をつけながら戦うとしましょう。
「送電雷光鞭!」
先手を打ってきたのは敵さん。
延長コードに雷を纏わせてブルンブルンと振り回しています。
これは当たったらとても痛そうですね。
武器で防いだら感電しそうですし、ここは素直に回避をしましょう。
「ふ、甘いな!」
斜め後ろに下がって避けた筈なのですが、何とこちらを追いかけて伸びてくるではありませんか。
少し転びながらも更に後ろに下がったことで、何とか避けることができましたが……これは厄介かも。
私は体勢を直し、月天を構えます。
「ほう、その武器は見たことがある。月天複品だかという最強武器の模造品だったか」
「……ええ、その通りです」
「確かに模造品といえ、強ランクの武器。喰らったらひとたまりも無いだろうが、ただ避けて攻撃すればいいのみよ!」
そう言って敵さんが取り出したのは、もう一本の延長コード。
むぅ、二刀流もとい二本流ですか。
更に面倒なことになってしまいました。
これですと確かに近距離の月天では攻撃がしにくいです。
ですが私には遠距離技完備なのですよ?
「なら、これが避けれますか?重力砲撃!」
重力の塊を飛ばす重力砲撃。
これならコードの範囲外から攻撃することができます。
威力も十分ですし、これなら問題がない筈です。
「ぬぅん!!」
ですが私の攻撃は、二重の電気を纏った武器によってかき消されてしまいました。
思っている以上に攻撃が強いのでしょうか。
これは本格的に困りました。
「さあどんどんいくぞ!!」
敵さんはそう言うと二本の延長コードを使って攻撃してきます。
私の技を消されたことを見るに相当高威力の攻撃であることは確か。
なら頑張って避けるしかないでしょう。
私は左右後ろに何とか避けます。
「ほらほら、攻撃しないのかい!?」
そう言われましても、なんともできないのですよね。
遠距離技はダメでしたし、敵の懐に潜り込む隙はありません。
永久に亘る罪の物語は飛行船を破壊しかねないですし。
どうしましょう……。
「ほらほらほらほら!!」
敵さんは相変わらず連続で攻撃をしてきます。
疲れて攻撃をやめてくれるかと期待していましたが、どうやらまだまだ元気な様子。
隙が全くありません。
早くエイレ様を助けないといけないのに。
……しょうがありません、ここはこの技まで使ってしまいましょう。
私は重力防壁の応用で、敵の周囲に高重力地帯を作り足止めします。
「ふふ、予想どおりだ!」
しかし敵さんは対策していたようで、ちょっぴりしか足止め出来なさそうです。
ですがここは予想どおり、少しだけでも時間が稼げればいいのです。
私は懐から石を取り出して、それを月天に取り込ませます。
すると月天は変化を始め、月の形を模倣した杖へと変化しました。
「そ、それは、まさか!!」
敵さんは何か気がついたようですが、もう遅いですよ?
私はその杖を握り、上空に向けて掲げます。
すると杖が光出し、一点に集中。
細い光線となって敵さんを貫きました。
「くそ、まさかそんなことが起こるとは!」
ですが急所を僅かに逸れてしまったようで、まだ生き残っているようです。
むぅ、久々で焦点外してしまったのでしょうか。
これは訓練が必要ですね。
そう思いながら、私はまた杖を掲げました。
「ひ、ひぃ!!」
敵さんは逃げ出そうとしますが、逃す訳にはいきません。
「月光!」
今度は少し太い光線が敵に向かい、敵の体を完全に消滅させました。
なんとか戦闘終了です!
「と、ゆっくりしている場合ではありません、急いで探さないと!!」




