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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
ドキドキ採掘場防衛戦 敵 砂糖 黄金いっぱい
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10-2

「はッ!!」


俺は目を覚ました。


起きた場所はどうやら基地の中の様だが、誰もいる気配がない。


一応体を起こし、その場に立ってみる。


うん、特に変なところはない普通の部屋なのだが、やっぱり誰もいないようだ。


はて、何でだろう。


まさかとは思うがスライムに負けたから?


んな訳ないか、あの強さは間違いなくスライムではないし。


それこそユーザーか何かだろう。


「……ん?」


ここで俺は一つ気付く。


扉の前に誰かいるな。


誰かまでは分からないけど、気配を感じるし間違いない。


俺はもしもの為に定規を構えて開くのを待つ。


「ショウーいるー、ってここにいたの」


扉をガチャリ開けて入ってきたのはマニであった。


「ああ、マニ……いや、シーメルか。良かった、仲間と合流できて」


「いつまで経っても来ないから探してたのよ。……その感じじゃあ、ただ遅れたんじゃなくてなんかあったようね。どうしたの?」


「実はなーー」


俺はログインしてからの事を歩きながらシーメルに話した。


最初は「何言ってんだこいつ」みたいな表情だったが、最後の方は真剣に聞いてくれている。


もしかして心当たりでもあるのだろうか。


「ーーという訳なんだが、もしかしてそのスライムを知ってるか?」


ダメ元であるが、何となくスライムについて訊ねてみる。


シーメルは表情を少し曇らせつつ、何かを言おうとした。


だがそれはこの声でかき消えてしまった。


「遅いわよ、ショウ!」


ご立腹な王女様の怒声である。


「ごめん、ちょっと立て込んでな」


俺は素直に謝罪をし、そのままチームに参加する。


スライムの件も気になるが、まぁ後でも良い事だ。


それより今はイベントが大事、そっちが優先。


「ところで、今はどんな状況?」


「他のチーム含めた全員のログインを待っているところですよ。揃い次第説明が始まるとか」


俺の疑問にいち早く宇佐美様が答える。


成る程、じゃあ何となし今から説明始まりそうだ。


なんて思ったら目の前にディスプレイが現れ、そこに巳渡が映し出される。


やっぱりイベントの説明の様子。


ここまで毎回毎回タイミングいいと疑っちゃうよな。


少々疑心暗鬼になりつつ、巳渡の話をよく聞くのであった。


なお今回も勿論省略俺説明でお送りしよう。


・最初の説明通り、waveは10で耐えればクリア、破壊か全滅で終了。


・最初に作戦時間タイム、配置タイムとして5分確保してある。


・大体のwave時間数は5分〜10分。


・2wave毎に休憩時間3分を取る。


・使えるアイテムは巨大エネミー戦と同じ内容。


・休憩ターンまで生き残ればポイント、最後まで生き残ればポイント、討伐数も換算される。


最後にサポートNPCを用意するので是非役立ててくださいとの事。


こういう時のサポートキャラって弱いのが多かったりするけどどうでしょう?


嫌な感じがしていたが、どうやらそれは杞憂に終わったようだ。


【何か久しぶりな感じがしますね、皆様。お元気でしょうか?】


そう、俺の相棒とも言えるナビ子さん、もといリティルだった。


これは素で嬉しい。


リティルは単純に強いし、オールラウンダーな性能だからどんな局面でも戦えるってのもあるのだが。


一番は苦楽を共にした相棒とイベントができる事に素直に嬉しかった。


「凄い信頼感ねぇ」


読心したのか、シーメルが若干ニヤニヤしながら言ってきた。


でもそりゃあ信頼するに決まってるさ。


このゲーム始めてからずっと支えてくれてるし、助かってるし、魂の非リア兄弟だしな。


マニ以外で信頼できる唯一の相手さ。


「あらあら、お熱いことで」


うるせーやい。


「リティル久しぶり。今までずっと復旧作業の手伝いか?」


俺は気持ちを切り替えてリティルに話しかけた。


【はい、その通りです。他にも色々とあったんですが、無事目処がつきそうだったのでサポートに参加してみたんですよ!】


「成る程、それはお疲れ様ですな」


んな感じで話に花を咲かせていたのだが、途中乱入してきたKYなお方が1人。


「NPCとは思えない程の美しさネ。どうだい、後で電脳カフェでお茶でも?」


そう、見境ないナンパ男惰之である。


君のナンパは次元を超越するものなのだね。


まさかリティルにまでしてくるとは、ここまできたらある意味尊敬してしまうレベルかも。


でもナンパ構文が同じようなものばかりだからやっぱり尊敬しないわ。


【そうですね……】


リティルの事だからスルーだよな、と思っていたら何やら熟考し始める。


これはもしや、リア充になれるチャンスだからと、誘いを受けようとしてる?


んなまさか、リティルに限って……あり得るな。


「はいはい、そーゆーのはやめてくれない?いい加減にしないと外すわよ、ナンパ野郎」


俺1人わたわたしていると、シーメルが2人の間に入り、話をぶった切ってくれた。


おお、ナイスシーメル!!


「……話を戻すけど、今は何タイムになるのかしら?まだ作戦タイムではないわよね?」


【はい、現在はただの交流時間。その時になりましたらアナウンスが流れます】


ホッと胸を撫で下ろす俺をよそに、元のイベントの話に戻したシーメル。


む、俺も話に入ろーっと。


「あ、交流ってNPCとの?」


【その通りです、ショウ。流石に初対面ではと、運営が配慮した訳です。まぁ私の場合は面識ある方々が多いのですが、これもまた一興でしょう】


「確かに交流は大事ですからね!あ、因みにですけど具体的な開始時間って分かります?」


そうマモリさんが聞いた時だった。


突然、ヴィーンヴィーンとサイレンのような爆音が部屋中に響き渡った。


「な、なんでしょう!?」


「もしかし無くても開始の合図?後で巳渡に文句言ってやるわ」


ものの10秒ほどで止むが、次はアナウンスがスピーカーから流れた。


『管制塔から各セクションガード隊に告ぐ。現在大量のエネミーがこの基地に向かって進行中!おおよそ3分で会敵との予測。速かに各自持ち場へと付け!繰り返す。現在大量のエネミーが……』


「ワァーオ、随分と凝ってるデース!これはミーも燃えてきたネ!!」


「確かにこれは熱いッス!」


「けど、ボリューム大きいわ。確かに少し小さめでもいいのだけど」


アナウンスが流れる中、目の前の扉が開く。


中からは採掘施設職員だろうNPCが、機械の前で待っていた。


『済まないが急いでこの機械に入ってくれ!最前線までテレポートさせる!!」


「くーぅ!これは男にはタマラン!!こういうギミック、やっぱり好きネ!」


「私も何となくわかる気がしますよ、惰之さんでしたっけ?」


「名前、覚えてくれたの嬉しいネ、ラギリさん!どうだい、今度一緒にお茶でもーー」


全員、機械の中へと入り終わると、また施設職員の人が話し始める。


『我々には送り出すことしかできない……。済まないがこの施設をどうか頼む!!」


そう言うと、彼は機械のスイッチを押す。


機械が光で包まれたと思うとあら不思議、気付けば屋外にいた。


広大な土地、機械で囲まれた床と塀、そびえ立つ5つの採掘機械。


「ここが採掘施設内部って訳か」


ここで今から戦うのか。


うん、俺も楽しみになってきたぞ!!


「作戦指揮、誰がとればいいかしら?」


エイレが全員に訊ねる。


ここは大人やマニとかにしたいところではあるが、王女の顔を立たせてあげてもいいような気がする。


俺は「エイレに任せるよ」と本人に伝えた。


みんなもそれに賛同してくれる。


「なら、この私が指揮をとるわ」


エイレは坦々とそう言った、が凄い嬉しそうな表情をしている。


多分やりたかったんだろうなぁ。


ここで俺がマモリさんやマニが良いって言ってたらオフ会の二の舞になっていただろう。


俺の勘、そんなに悪くないな。


「では時間がないから簡単に言うわ。宇佐美、マモリ、シーメル、惰之、ブンコの以上5名はそれぞれ採掘機械について防衛なさい。他は周りを見ながら要所要所で5名の補助をすること。最初のwaveだからこの作戦でも問題ないはずよ。後は状況見ながら指示を入れていくわ」


「一つ確認」


「何、シーメル」


「最初から飛ばしても?」


「良いわよ。ただし最終waveまで最強技を打てる余力だけ残してなさい」


「りょーかい!」


「さて……。皆、行くわよ!」


「「「「「おおー!!」」」」」】



こうして次のイベント、採掘基地防衛戦が始まったのであった。


この後起こる出来事など知らずに……なんて言ってみたり。

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