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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
ドキドキ採掘場防衛戦 敵 砂糖 黄金いっぱい
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10-1

えー……皆様こんにちは。


今絶賛困惑状態となっているショウでございます。


理由は丁度数分前、チーム決めが終わりプレイ部屋に移動し、いざゲームを起動するぞ!という時だった。


「あら、もう揃っているのね。早い事は良いことよ?」


「…………」


例の2人、エイレとマモリさんが部屋に入ってきたのだ。


俺らのチームではある意味慣れた状況ではあるのだが、他の面々はお初な訳で。


「お、おお王女様ッスかー!?」


「これはエマージェンシーネ!マナーを守らないとデース!!」


「…………ブルブル」(マナーモード中)


「ま、まさか王女サマが来るとはネ。驚きダネ……」


という具合に大慌ての大混乱。


鎮静化に5分を要したが、それから少し経った今でも、何かおかしい状況になっている。


例えば。


「お王女様は喉乾いてないッスでしょうか!?」


「そうね、今は大丈夫よ」


「何かおありましたらお自分を呼ぶッスです!!」


後輩的尊敬語という謎言葉を生み出し続けるブンコさんとか。


「オーゥ、こういう時はどうするデース!?数字デース?シープデース??ルームのネジの数デース!?」


すっかりテンパって独り言祭りのミーコさんとか。


「……………………」(ブルブルブルブルブルブルブルブル)


永久マナーモード機関になったイイレとか。


「ヘェ、R.P.Gの人ナノカ!こんな美人サンなのに凄いネ!!」


「いや、私はそれ程の人材じゃありませんよ」


「何を言っているのネ。マモリさんは十分凄いヨ!!」


平常運転ナンパ野郎とかとか。


これには困惑を隠せません、わたくしは。


イイレの気持ちはよーく、深い海の如く理解しているけど。


それ以外は、何なのだこの状況は!という感じ。


「以下同文でも良いかしらショウ」


「思っている以上にエイレって人気あるんだな。あとそういうのは自分の口でちゃんと言いなさい。他の人には伝わらんよ」


「そりゃあ容姿端麗の美少女で、『黄色のあくま』の(きみ)よ?シンパもいるらしいわ。後、コミュ障なのにそのセリフ言っても説得力ありませんけど」


「成る程な、二つの意味で」


確かによく覚えていないが、国を滅ぼしかけたから悪い力があるだの、逆に神聖すぎて国の力量が足りなかっただの、よく分からない話が出回っていた気がする。


それの影響がいまだに続いているのは……やっぱり辛いだろう。


「……何でも良いけど、そろそろログインできないかしら?他はもう終わってるのよ」


複雑な感情を抱いている俺だったが、一方の本人はこの現状にイライラ。


明らかに不機嫌な声色で、全体を睨めつけながら言い放った。


流石の王女の一声、みんな一斉に機械の中へ入り、ゲームを起動し始めた。


シンパって怖。


「あの、ショウ君。ちょっと良いかな?」


さて、俺も怒られる前に起動するか、と入ろうとした時。


意外にもマモリさんから話しかけられた。


しかも勤務中の筈なのにオフモードで。


「あっ、ど、どうしました?」


「先程のエネミー戦を謝りたくて。共に戦うって言ったのに、結局出来なかったから」


成る程、それを気にしていて俺に声をかけてくれたのか。


流石大人だなーと思いつつ、「べっ、別に大丈夫ですよ」と当たり障りのない返答をした。


できればその理由も聞きたかったところだけど、聞く時間はなさそうだしな。


「そう言ってくれて嬉しいかな。……よーし、ショウ君!お姉さん、この防衛戦でいつも以上に頑張っちゃうからよくみててね!!」


そう意気込みつつ、マモリさんは機械の中へと入っていった。


何か本当に嬉しそうだったな、マモリさん。


おそらく出来なかったあの時、本当に色々とあったのだろう。


それなのに心配させまいと、俺を不安にさせないと謝罪をし明るく振る舞った。


なんというか、大人って凄いなぁ。


そう思いながら、俺もゲームの機械に入るのであった。











目を開けると、そこは海辺だった。


正確には小規模な島の海辺、もとい採掘基地であろう施設の目の前に立っていた。


他の人は……よく分からないがいない様だ。


先に行ってしまったかな?


そう思い、俺も施設内に入ろうとしたのだが、問題発生。


「ぴぎー」


魔王(スライム)が行手を(さえぎ)っていた。


なんでここにスライムがいるんだ?


まぁいい、あれから俺はスライムより若干弱いところまでは強くなった。


それに多くのスライムを(ほふ)った最強技、石投げというものがある。


今更怯える事はない、倒してしまおう。


(もし……もし……)


「ん?」


早速倒してしまおうと動き出した時、謎の声が聞こえてきた。


女の子っぽいけど、周りに誰もいないし、建物入り口内にも人影は無い。


気のせいかな、と思いながら動くが、今度はもっとはっきりと声が聞こえてきた。


(もしもし……聞こえますです?今は私はあなたの脳内に直接語りかけているのです)


「もしかしなくても、スライムが、か?」


(その通りです。アタシと戦闘はしない方が良いのです。傲慢(ごうまん)は何も生み出さない、のです)


「と言われても、俺はその先に行きたいだけなんだがな。避けてくれるなら良いけど」


(……やはり、人と魔物は分かり合えないのです。さらばコミュ障よ、です)


という感じで戦闘が勃発。


なんというかあまりにも理不尽過ぎやしないだろうか?


俺、避ければいいって言ってるだけなのに。


だが、まぁいい。


スライム如き、ここで倒してしまおう。


『第一ターン』


(三ターン待ってやるです。それまでに懺悔しやがれです)


くそ、スライムの癖に随分と生意気な事を言いやがる。


よろしい、ならば速攻で石の藻屑にしてあげようじゃあないか!


「石投げを選択!先制攻撃だ!!」


『ショウの攻撃 しかし不発に終わった』


「はぁ!?」


なんでだ!?


石投げの技をちゃんと選んだのに、なんで出来ないんだよ。


そう怒り心頭になっていると、スライムからマジレスが来ました。


(ここは砂浜です。砂浜に石はありますです?だからおにーたまはそんな事も分からない朴念仁コミュ障なのです)


そうですよねー砂浜に石はありませんよねー!!


というか何で俺はボコスカ言われないといけないのか分からんし、しかもおにーたまなんだ。


絶対舐めてるが故に言っているのだろう。


くっそ、なんとしてもやっつけてやる!


『第二ターン』


やはり相手は行動しない様だ。


ならここで一旦冷静になって、行動を決めていこう。


まず攻撃。


定規(ぶき)があるから通るが決定力に欠けると予想。


次に技。


自動防御、身体強化光主は使えない。


光牙滅斬は一発は打てる。


他には……


「ってあれ、技増えてる」


今まで気付かなかったが技が二つほど増えている。


身体測定(フィジカルサーチ)と糖分波……」


我が吸糖鬼ながら変な技を覚えたもんだ。


身体測定はなんとなし敵の能力を調べる系だとは思うが、問題は後者だ。


あれか、吸糖した糖分を放出するってか?


もしそうならお笑い技確定だ。


……ええい、ここは安パイな切り札で行かせてもらう!


俺は定規を天高く構え、呼吸を整える。


『ショウの攻撃 光牙滅斬』


(!?)


俺の定規は光を纏い、剣の形へとなる。


スライムも何をするのか予測したようで、明かに焦る表情を見せる(顔ないけどそんな気がした)。


もう遅いってもんよ。


俺の渾身の一撃を食らうがいい、我が宿敵(ライバル)魔王よ!!


「光牙……滅、ざああああああん!!」


振り下ろした光は一直線にスライムへと向かい、光の柱の中へと消えていった。


ふっ、これで勝ったな。


いくら俺が弱いとはいえ、舐めたからこうなるのだよ、スライム君。


(それ、フラグなのです)


ーー青い体がそこにはあった。


その電波に驚き、スライムがいた場所を見ると、そこに奴はまだ健在していた。


なに、あの技を受けてなお生きているというのか!?


エイレたちも倒せる技だぞ、これ!


(……しょうがないです、その身体検査だか測定だかを使ってみるといいです)


『第三ターン』


「フィ、身体測定(フィジカルサーチ)!」


俺は言われた通り、能力を調べる系だろう技を使う。


すると敵の周りに色々なものが表示されていく。


例えば血圧、脈拍、血糖値など。


最後辺りにステータスが表示されたが。


「ハァ!?」


HP 1991

MP 823


攻撃 923

防御 1130

素早 1210

魔力 923

魔防 1130

命中 96

賢さ 96

幸運 10


え、これスライム?


(良いです?人を見かけで判断するのはダメなのです)


呆気にとられている俺を、スライムは嘲笑うが如く俺に覆いかぶさる様に飛びかかる。


(死ぬが良い、です)


その声がした時には視界が完全スライムのみになり、一瞬変なのが見えた気がしたが、だからといって俺は特に何も抵抗出来ず。


俺の意識は途切れてしまった。


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