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その後、ミーコさん達と合流。
交渉の末(と言っても何もしてないが)、仲間になってくれた。
これで人数はエイレらを入れて8人、後2人足りない状況だ。
「後2人どうしようかしら。ショウ的にはどう思う?」
マニが俺に訊ねてくる。
そうだなぁ……
「現状、前衛2人、中距離2人、遠距離1人、オールラウンダーが俺も入れて3人。術キャラが後1人くらいは欲しいところだな」
「そうね、それじゃあ1人つかまえて後は余りにしましょうか」
「じゃあその余りに入れて欲しいネ」
と、2人で会話している最中に、後ろから男の声がかかる。
この片言語で男性ボイスといったらあいつしかいない。
「……よく私たちチームに声かけれるわね、変人」
覗き見ナンパ男、惰之であった。
ここにいる女性陣全員が白けた目で見ている。
そりゃあ覗こうとした男、ナンパをした男が「チームに入れてー」って言ってきたらそうなるわな。
この場じゃなかったら間違いなく警察通報案件だろうなぁ。
マニの方を見ると俺と同様に思ってるようで「警察に通報してぇ……」みたいな表情をしているし。
「一応理由を聞かせていただける?」
マニはその面倒臭いゴミを見るような目で惰之に訊ねた。
「他のチームから断らレタ」
すると何とも悲しい返答が返ってきた。
まぁ参加者に女性陣も多いし、覗きの首謀人物をチームに入れたくないに決まってる。
「ショウ的にはどう思う?」
マニが俺に訊ねる。
恐らく唯一の男子メンバーということもあるからなのだろうか。
コイツをお前は抑えられるのか、的な意味合いで。
「逆に聞くがこの人、さっきのイベントでどうだったの?」
俺は逆にマニへ聞き返す。
例え俺が抑えられたとしても、惰之が弱ければチームに入れる意味合いはない。
あん時は強い人と予想していたがあくまで予想。
実際に戦いぶりを見ていた人に聞きたかった。
「……成る程、そういう理由ならちゃんと答えるわ。残念ながらこの人、こと対人戦・単体戦では強い部類だと思うわ。大型エネミーということで本来の強さが発揮されていなかったけれど、それでも十分満点な立ち回りしていたわよ」
「ということは戦力的に問題は無い、か」
となれば俺は反対する理由はないな。
後は女性陣の気持ち次第だろう。
俺はそんな判断だ。
「りょーかい。みんなはどう思う?コイツを入れていいか、入れない方がいいか」
今度はマニが宇佐美様達に振り向き聞いてみる。
全員やはりいい顔はしないものの、共闘したメンバーからは
「戦力的には申し分ないとは思うんですけどね」
「……強いのに性格だけ難あり」
との評価。
マニは頭を抱え熟考したのち
「渋々だけど認めるわ」
と言った。
「お、それはありがたいネ」
「ただし、もし変なことしたら国外追放される気持ちで過ごしなさい」
マニは惰之に念押しして話す。
惰之は「あーはいはい」的な感じで聞いているが……実は本当なんだよなぁ。
変なことをしない事を切に願う。
特にエイレやマモリさん相手に。
「さーて、これで9人になったわね。話的にこれでも良いみたいだけど……」
当初入れようと思っていた後衛、魔術師系のユーザーが足りていない。
強いユーザーが揃っているから問題ないのだろうが、どしても今回も変なことが起きそうな予感がするんだよなぁ。
故にしっかりバランスの取れた編成で挑みたいところ。
しかしながら惰之とやりとりしているうちに、大体のメンバーは決まってしまっているようだ。
俺と同じ色のチームは全員決まったようだし。
俺とマニでどうするか悩む最中、またもや後ろから声がした。
「あの……まだ空いていますか?」
振り向くとそこには見たことのない女性がいた。
赤毛ショートの美人さんだ。
正直、一瞬気を失いそうになったけど。
突然知らない声、知らない人が話しかけてきたから。
「ええ、まだ空いているけど。あなたは?」
「私はこのイベントに参加している、弓田ラギリといいます。ぼーっとしているうちにどこも埋まってしまって……。あ、私は弓兼魔法使いのキャラですよ!」
おお、いきなり好条件の人がやってきた。
弓兵でもあるってことは耐久力も十分あるってことだろうし。
これは中々いいんじゃないか、マニ。
「そうねぇ……。じゃあ是非入っていただけるかしら?」
「勿論です!!」
ーーという具合で俺らのチームが決定。
運営の人に言い、これで受理してもらった。
前衛、宇佐美様・マモリさん・惰之
中距離、マニ・ブンコさん
遠距離、イイレさん・ラギリさん
全距離、俺・エイレ・ミーコさん
何とかバランスの良い編成になった。
これで上手く立ち回れると良いのだが。
……まぁ何よりも親しい人が多いメンバーでイベントできるのが素直に嬉しい。
ここはそう気を重くせず、素直に楽しむとしよう!!




