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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
イベント開幕!襲いかかる雷帝龍
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9話おまけ 「雷帝龍スサノミズチvs紅の剣達」

「さて、と。それじゃあいきましょうか!」


私たち赤チームはある程度の段取りを決め、今まさに敵エネミーと対峙するところであった。


こちらの作戦は至ってシンプル。


温存して、温存して、最後に大技で締める。


MP回復系のアイテムがあればもっと色々できたんだろうけど……今はこれがベストな選択だろう。


それにこっちには宇佐美やイイレもいる。


ショウの石投げが不安だけれども、何とか先に倒したいところだわ。


『討伐開始します』


その声と共に部屋の壁が取り払われ、一気に視界が開けた。


黒い雷雲が立ち込み、削り取られた岩山に囲まれたフィールド。


そんないかにもなこの場所に彼はいた。


雷帝龍スサノミズチ。


巨大な雷の角、4対の翼、鞭のようなしなやかで長い尾。


明らかに強い見た目だけれども、果たしてこれはその通りなのか見掛け倒しなのか。


確かめてみようじゃないの!


『準備ターン開始です』


「前衛を強化します!」


後衛、魔法使い系の人たちが前衛に攻撃バフ、全体に防御バフをかける。


他の面々も攻撃・防御アップ系の技を使用していた。


よーし、私も準備するとしましょう。


凰颯の翼(フェザーフェルクス)!」


凰颯の翼は自身の素早さと回避率の上昇、空中移動が出来る様になる、風属性の攻撃を半減、攻撃時風属性の追加攻撃という沢山の効果を持つサポート技。


強いけど、余り使う機会がないのよね。


色々武器や防具があるからバフに頼る機会少ないの。


『第一ターン』


「では各自決めていた通りの行動をよろしく!」


私の掛け声により全員が選択を始める。


バフを持っているからある程度の攻撃は問題ないのだけれど。


唯一の問題はスタン系の技。


雷系のエネミーだからありそうな気がするのよね。


私は問題ないけど、結構な人が刺さりそうだから怖いわ。


『先制攻撃 惰之 疾風突き』


「初手一番槍はもらうネ!!」


意外にも先に行動したのは、あの変人男であった。


疾風の様な速さで敵の腹部めがけ掌底を放つ。


敵は苦しそうな悲鳴をあげるもすぐに切り替えこちらを向いた。


「チョット浅カッタ!スマンが各自避けてクレ!!」


惰之が敵から離れた瞬間、敵は足元から電流を全域に渡って放った。


『先制攻撃 スサノミズチ 地走り』


あまりにも早い一撃に大体の人がヒット、そのまま怯んでしまっていた。


あの技、威力が低い割に先制と怯みがつくのね、中々厄介だわ。


『攻撃 宇佐美 重力砲撃(グラビティーシュート)


「私は動けるので行きますッ!!」


そんな中、種族耐久力により怯みに耐えた宇佐美さんが攻撃を放つ。


月天で重力の塊を作って、それを射出って感じの攻撃。


何気に私初めてみる技ね。


当たった時の反応を見るに威力も申し分ないようだし。


ここは私も頑張らないと、かしら?


「次は私が行くわね!」


『攻撃 シーメル 風狼の牙(ライガエアファング)


私の攻撃、狼の姿をした暴風が敵の体を引き裂いていく。


更に凰颯の翼の効果で追加ダメージ。


これは良い塩梅なんじゃないかしら。


「これは良いタイミングね!」


風雷帝を使って避けていたイーレも攻撃に参加する。


『魔法 イーレ 雷撃砲』


「同タイプだからそんなでもないかもしれない。なんて思わないで、ねッ!!」


彼女の杖に纏っている雷が収束し、強大な砲撃となって放たれていく。


その一撃は敵を包む程のものであり、流石の雷帝龍といえど大きなダメージを負った様だ。


「……チッ、やっぱり予想より低いダメージ量だわ」


それでも満足しないイーレ。


完璧なプレイングを求めるあたり、やはり北方五英神ってところね。


素直に尊敬するところだわ。


『第二ターン』


こうしている間にも次のターンに移行したみたいね。


この調子でいきましょう!






ーーという事を繰り返し、8ターンが経過。


結構強い技を入れつつ攻撃していたものの、中々倒れる気配がまったく無い。


どんだけ頑丈なのよ、全く!


「そろそろだと思うのダガ……。意外としぶといナ」


「タフすぎます!残り体力が全く読めないです」


「……四の五は言っていられないわ。そろそろ重い一撃を叩き込みましょう!」


その最後のイーレの言葉にみんなが賛成。


もてる最大火力を次のターンにぶつける事となった。


『第十ターン目』


「じゃあ各自攻撃耐えてやって頂戴な!」


相手の素早さが高い様で、よほどの事がない限り先手を取ることは無理。


素の速さでたまに惰之が先制できるくらい。


故に敵の攻撃を耐えるから攻撃って流れになるんだけど、予想している以上に技の練度が高い。


それにここで怯みありの地走りをされてしまっては無意味となる。


私達にとっていいAIを引きたいものだけれど、どうなるかしら。


『スサノミズチ 攻撃 雷一閃』


何が来るか構えていると、威力高めの複数攻撃が選ばれた様だ。


一筋の光が走り去ったと思うと、上から雷が落ちてくる。


その雷は大きいもので、人を軽く焦がしてしまうレベル。


何とかみんな直撃はしなかった様だけれど、それでも結構大打撃で行動不能者がちらほら出てしまった。


これでもいけるかしら。


一手足りなくならないと良いけど。


「クッ、このまま行くしか無いカ!!」


惰之も同様に思った様だけれど、覚悟を決めたのか動き始めた。


『惰之 攻撃 昇掌龍(のぼりしょうりゅう)


下から上へ、まるで鯉が滝登りをして龍になったが如く。


的確に敵のいたるところを攻撃し、空中へと舞い上がっていった。


「私も続きますよ!!」


「以下同文、だわ!!」


次は宇佐美さんが月天を構え高く飛び上がり、イーレが杖を構え八卦の軌跡を描く。


『宇佐美 攻撃 重力衝撃(グラビティーインパクト)


『イーレ 攻撃 八卦封陣』


一方は凄まじい重力の一撃を、一方はあらゆる属性の魔法が同時に襲う八撃が敵にめがけ放たれた。


見た感じもう一息ってところね。


なら、私が決めようじゃない!


「行くわよ、エアミドナ!!」


私は自身の武器の名前を呼んだ。


今からする技はとっておきだけれど、武器自身にも負担が大きい諸刃。


耐えてくれるよう、おまじないな意味を込めて。


「耐えて頂戴ね!」


暴風を武器、エアミドナに纏わせる。


その大きさが私を覆い隠す程の大きさまでになり、まるで一つの巨大な球体となった。


球体はまだまだ大きくなっていく。


『シーメル 攻撃  飆龍の息(ドラグブレステンペスト)


「いっけぇ!!」


武器を敵に向ける。


その瞬間、強大な暴風、もとい嵐が地面をえぐり取りながら敵を飲み込む。


切り刻み、強打し、全てを巻き込みながら。


暴風が晴れた時には傷だらけでボロボロの敵が虫の息になっていた。


ちっ……仕留め損なったか。


技の反動で私は思わず地面に伏す。


後攻撃できる人はいるのだろうか。


何とかこのターンで決着をつけたいのに!


だが結局、味方の攻撃では削りきれず次のターンを迎えてしまった。


『第11ターン』


「いい加減終わらせたいネ!!」


惰之がその発言とともに敵に立ち向かっていく。


『先制攻撃 惰之 疾風突き』


どうやら先手を取る事ができたようで、敵より早く行動し、相手の頭に強烈な一撃を与えた。


けど、やっぱり倒れない。


「こ、これでもダメなのですか!?」


徐々に焦りが生まれるこちら陣営。


倒せたと思っても倒せず、渾身の一撃耐えてきた敵。


これは私も思うようになってきたわ、絶望ってヤツを。


「……ちょっと待って、なんかおかしくない?」


イーレがふとそのように言った。


みんなは何がおかしいのか考える余裕が無いようだけど、私は何となくわかった。


「素早さの値的に次は敵の行動順のはず。でも動く気配はないわね」


と、私が付け加える。


倒したらアナウンスが出るはずだし、違うと思うのだけど。


そう思っていたら敵は動き出した。


が、やはり様子がおかしい。


一体何が起きたっていうのーー


『スサノミズチ 混乱中』


「あっ」


『スサノミズチは自身を攻撃した』


『スサノミズチは倒れた』


…………


‥…言うまでもなく、私たちは物凄く拍子抜け。


そして何だか悲しくなりながら戦闘を終えた。


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