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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
イベント開幕!襲いかかる雷帝龍
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9-2


「こちらが会場となります」


ブンコさんについて行くと、とある会議室のような部屋の前へと辿り着いた。


扉は二つ、それぞれ例の紋章が書かれた張り紙が貼ってある。


「今から該当する部屋に入り、案内に従ってゲームを起動してください。私はここで失礼いたします」


そう言って巳渡は一礼してから奥に消え、代わりに中から別なスタッフが扉を開けてきた。


「では青チームの方、こちらへどうぞ」


案内された通り入ると、そこはちょっとワクワクする男の子大好き部屋となっていた。


だってすごいメカメカしいんだもん!


下は鉄の床、壁には配線なんかもある近未来な感じ。


ディスプレイが一個、大きいのがあって色々なデータが映し出されている。


そして何よりも人数分ある謎の装置!


嫌な例えだけど、棺みたいな機械があってゴウンゴウン言っている。


間違いない、これが“ゲーム機”だ。


こんなタイプ、今まで見た事ないけど最新機かな?


「皆様ようこそいらっしゃいました!今から簡単に最新ゲーム機の説明をしてから実際にプレイしていただきたいと思います。ゲーム機にネームプレートがございますので、自身の名前のある機械の隣にお立ちください」


確かに近くのを確認すると名前が書いてある。


どうやらアイウエオ順っぽいから……俺はあそこかな?


「お、あったあった」


自分の名前が書いてあるゲーム機、何とも嬉しいじゃあないか……!


最大限の笑顔になりながら、俺はゲーム機を軽く物色することにした。


よし、まずは中をこっそり確認してみるか。


こっそりちょっと開けて見てみると、中は人が1人入れるくらいの大きさ。


周りは触ってみた感じシリコン製。


上蓋にいつも使ってるVRの機械発見。


後は手のところに色々あるところをふまえると、心拍数なんかを計測することもできそうだ。


スタッフの話ガン無視で見ているけど、どうやらまるで現実にいるかのように錯覚する、フルダイブ型という最新型らしい。(そこだけ聞こえた)


確かにこいつは凄そうだ。


楽しみでしょうがないぞ!!


「……以上で話は終了です。質問等がない場合、そのまま各機に搭乗してください。間も無くイベント開始いたします!」


よっしゃ、じゃあ早速入るか!


俺はだいたいこうだろうなーという予想の元準備を始める。


まずボタン押して蓋開けて、中に入って……って柔らかっ!


凄いブニブニしてて気持ちいい!


これだったら事故とかあっても大丈夫そうだな、なんて。


閑話休題。


んでゴーグル付けて、指の機械をはめて、指先にある起動ボタンをスイッチオン!!


すると蓋がゆっくり閉まり、ゲーム起動のアナウンスが流れる。


うん、どうやらあっていたようだ。


こいつは楽しみだぜぇー!


凄いワクワク感の中、俺の意識は電子の世界へと落ちていった。











目が覚めるとそこは知らない部屋の中だった。


内装は窓がない全面真っ白という殺風景な部屋で、扉一つとスピーカーが一台あるだけだった。


むーん、早速戦闘かと思ったのだがなぁ。


雰囲気ない待機場所というのもあって、とってもガッカリ。


『皆様全員ログインしましたね』


スピーカーから、先程の案内人の声がする。


おそらくゲーム外、現実世界の部屋から見ているんだろうけど。


マイクあったっけなー、なんてよく分からんこと考えながら耳を傾けた。


『第一イベント開始まで後5分となります。それまで大体の説明と作戦タイムとなります。ではまず今イベントの説明を開始いたしましょう』


ーーということで案の定、説明は俺からしよう。


今回は先程説明があった通り、大型エネミーの討伐RTAである。


討伐対象は「雷帝龍スサノミズチ」


風や雷を使う龍タイプの敵だそうだ。


エネミーに関してはそれしか説明されず、後は仕様の話のみ。


武器防具は自前、アイテムは運営が用意した物。


内訳は回復剤×5、全体回復剤×1、状態回復剤×3、蘇生薬×1って感じ。


下準備ターンを経て戦闘が開始、討伐した時点で終了。


通常の仕様通りターン制バトル、死亡してもリスポーンせずその場にとどまる。


死亡時も話す事ができ、先述の蘇生アイテムは使えばすぐ復帰できるそう。


最後に、両チーム戦闘後、経過ターンと討伐時間を加味して勝敗を決定。


勝ったチームにはボーナスつくとのことなので、是非積極的に戦って欲しいとのお願いだった。


んで、作戦会議場面。


「3分しかない、単刀直入に聞く。有効打、持っている奴はいるか?」


明らかに前衛騎士って感じの重装備の人が全体に訊ねた。


「私は対ヒューマンは強いけど、ビッグモンスターだと微妙デース。精々サポートが関のマウンテンってとこネ」


「自分は銃火器メインっスけど、場合によってはサポートメインになるかもっス。暴風で壁とか作られたら銃弾無理っスから」


その問いに対し、ミーコさんとブンコさんは丁寧に返答する。


他の面々もこれだという有効打は無いようで、みんな苦い顔をしながら返答した。


「君はどうだい?」


そんな感じでついに俺の番が来たようですが、「あ、うう……」なんて言っていたら時間になっちゃったようで。


『開始まで10カウント!』


というアナウンスが流れてしまった。


「……しょうがない、仕切るようで悪いが、各自最大の技を打ち込んでくれ!先手必勝、早期決着だ!!」


そう言って騎士様は剣を構える。


他面々も納得してるようで、それぞれ戦闘の準備に備え始めた。


しゃあない、俺も定規を構えるか。


「って、あれ。マモリさんは?」


ふと周りを見たら、マモリさんらしい人影が無い。


現実世界の部屋までいたの確認したんだけど、そういえば最初からゲーム上で見ていない。


彼女なら誕炎帝・操水皇という有効打、もとい強武器があるから主力になってもらいたかったのに……なんでいないんだ?


バグなのか、仕様なのか、はたまた誰かの意思なのか。


その事を考えている間に、カウントは0となっていた。


『討伐開始ッ!!』


ーーその声と共に、一気に視界が開ける。


黒い雷雲。


削り取られた岩山。


奈落のような崖。


そんなフィールドに奴はいた。


今回の討伐対象、「雷帝龍スサノミズチ」


幻獣、麒麟(きりん)の様な姿をし、2メートルはある電気走る角を持ち。


雷の様な迫力のある4対の翼を持ち、帯電した尾を振り回す。


正に雷帝という名称がお似合いのドラゴンが。


「各自、出来るだけ全員にバフをかけてくれ!!」


騎士様の声に合わせ、各自身体強化の準備やらを始めた。


さて、俺も身体強化しようかな。


ーーなんて思った時、俺はなんとも言えない悪寒に襲われた。


理不尽で最悪な目に遭う時、必ず起きていたあの“嫌な”悪寒が。


「みんな止めろッ!!」


俺は柄にもなく大声を出して叫んだ。


しかし……間に合わなかった。


それは誰かが強化の魔法を使った時。


スサノミズチの足元に電気が集まったと思うと、それが一気に放出。


『スサノミズチのカウンター先制攻撃、地走り』


刃の様に激しい電流が、フィールド全体を駆け抜け、俺らを襲った。

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