表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/104

8-5

あれから時間が少し経過して、夜の8時くらい。


俺、マニ、宇佐美様のメンバーでまったり(くつろ)いでおりました。


なお晩御飯は特に見所も無く、ただただご飯が美味しかっただけだったので割愛。


それ以外もデースさん達とマニらが和気藹々(わきあいあい)とおしゃべりしたり、旅館によくあるレトロゲームばかりのゲームコーナーで遊んだりしたのだが、やっぱり特に無く。


ストーカーで覗き魔な惰之が絡むかなーとも思ったのだが、あれ以来姿も見せず。


本当に何事もなく、まったり平和に過ごしていた。


「ショウー、それフラグになりそうだからやめてくれないー?」


大部屋に敷いてある布団に横になり、スマホをいじりながらだらけているマニが言った。


おかしいな、扉は開けてるとはいえ、視覚外でかつ隣の部屋にいる俺の考えを読み解くとは。


ここまできたら超能力じゃね?


そう思いながら空いている布団を見ながら答えた。


「というかフラグ確定してるでしょ、これ。これからどんちゃん騒ぎするって」


マニが寝ている布団、その隣に空いている布団が3つ。


1つは宇佐美様として、もしも俺もそこで寝るとしても一個多い。


(一応だが、俺は大部屋隣の部屋、今いる場所で寝るつもりである。ハーレム就寝では断じてない事を宣言しておく)


間違いなくあの奴様が来るだろう、そうに違いない。


そして奴様がきた場合、絶対疲れる案件になると確信している。


何故かって、それはとっても簡単。


奴様のパターンを考えるに、こんな修学旅行みたいな状況下の現在。


「枕投げをしましょう!」って絶対言う。


100%断言できる。


「それにもう1つの空き部屋見た?謎に枕が10個以上あったわよ。あれは絶対やる気ね」


とてつもなく大きいため息をしながら、また超能力でマニは俺に相槌(あいづち)をうった。


またコイツは……なんて俺が思っていると、窓際で簡単な仕事をしていた宇佐美様が「何かあったのですか?」と聞きながら、マニの隣の布団に腰を下ろした。


そりゃあそうだ、マニの言動は傍目(はため)から見ると、独り言を言っている様な状態。


さっきから何をしているのか、と思うのは当たり前の事だろう。


今度から気を付けていかないといけませんなぁー、とマニに念を送ると渋い顔をした。


やっぱり超能力者だわ。


「聞かない方が良かったかな?」


なーんて横になりながら1人頷いている最中。


マニの渋い顔を見てか、宇佐美様が申し訳なさそうに聞いてきた。


これにはマニもすぐ訂正をした。


「いや、大丈夫。変な顔をしたのは別の事でだから。えーっと何かあった、だっけ。あの枕の量を見たら、枕投げでも考えてるのかなーって思って」


「ああー!確かにそう思いますね。エイレちゃんの事ですし、間違い無いですね!!」


マニの言葉に安堵しつつ、にこりと良い笑顔をしながら宇佐美様は答えた。


でもねうん、訂正できたけれどこれは予想にしてなかったですわ。


こりゃあ間違いなく宇佐美様も楽しみにしているパターンですよ。


明らかにワクワク顔だもの、目を輝かせているもの。


マニも超能力で察して、困惑呆れ顔をしているし。


絶対枕投げが開催されたらどうなるこ


「ご機嫌様、諸君。唐突だけれど枕投げ祭り、開催よ!」


とか考える前にやって来てしまったよ、王女様。


えらい勢いで扉をスパーン!と開けて。


「エイレ様、枕は別室にて準備されています。今お持ちしますので暫くお待ちを」


俺は嫌悪感全開の顔を枕に(うず)めていると、なんだかエイレの方からエイレではない女性の声がした。


何というか聞いたことがあるけど記憶にない凛々しい声だ。


「うわー昼間の巳渡って人でもいるのかよ、正直苦手なんだよなぁ」なんて想像しつつ。


明らかに大量の枕を置いた音がしたので、ちらりとその方を見たら……驚きだった。


「マモリさんなの!?」


「あら、ショウ。そんなとこにいたのね、見つけられなかったわ。さあ枕投げをするわよ」


何だ、黙っていれば枕投げ回避できたかもしれなかったのか。


なんて事をしてしまったんだ……いや、じゃないじゃない。


それより今はマモリさん。


だって姿はオフ会と変わらないものの、雰囲気が全く違うんだもの。


さっきも言ったが、まさに凛。


マモリさんの周囲が何処となく張り詰めていて、雰囲気が常人のものじゃない。


明らかに騎士、現代風に言えばSP。


これならエリートって呼びたい。


「ってショウ、聞いているのかしら!?」


完全にマモリさんに気を取られていると、無視されたと思い怒ったエイレが、枕で俺の頭部を強打。


そのまま枕を2、3発当てられ。


「ふん、他愛も無いわね。弱すぎるのよ貴方」


最終的には俺の背中に乗ってマウントポーズ+勝利宣言。


これにはコミュ障の俺もおこであります。


俺はエイレを気にせず、勢いよく起き上がった。


「うわっ……ひゃふ!!」


当然バランスを崩したエイレは、後頭部を床に強打。


ふおおおー!と唸りながら、床をのたうち回った。


「誰が、弱すぎる、だっけ?」


俺は追撃と言わんばかりに、投げられた枕を確保。


両手に構え、起き上がりを待つ。


「ふふ、ふふふふ……。コミュ障風情がァ!!」


エイレは幼女とは思えないドスの効いた低い声で唸り、素早く立ち上がって俺がさっきまで使っていた枕を奪わんと不意をついてきた。


それに対し、俺は片方の枕を投げつけるが寸でのところで避けられ。


枕を取り、少し離れたところで対峙した。


「来いよ、王族。お前に歳の差という絶対に埋められない壁を嫌という程分からせてやる」


「いいでしょう、社会不適合者が語るその差とやら。私に見せてくださるかしら?」


お互いに何ともいえない痛めな台詞を言い合ったのちーー嫌だった筈の枕投げ祭りが開催されてしまった。


「どりゃあー!」


まず先手はエイレ。


枕をこちら側に投げてきた。


幸いなことに、今は大部屋の方に俺はいる。


枕の行く先を考えなければならないが、だいぶ避けやすい状況にある。


だが、その行く先とやらが一番の問題だ。


俺の背後にはうつ伏せでめんどくさがっているマニと、嬉々としている宇佐美様。


そして現在エイレの味方だろうマモリさんがいる。


マモリさんは敵だろうからいいが、問題は前者2名。


避けた故に枕が当たれば間違いなくマニが怒り、エイレ側についてしまうだろう。


(なお宇佐美様はただ単に当てたくない、我が女神だもの。そういう理由です)


これを早急にかつ安全に終息させるにはマニの力は不可欠。


……そもそもの枕投げのルールは分からないが、マニがあちらにつくリスクがあるならこうするまでか。


俺は投げられた枕を片手でキャッチ、そのままの勢いで体を少し捻り、マモリさんに投げつけた。


そしてすぐ足元にあった枕を回収、強めにエイレに投げつける。


よし、これで様子見だ。


上手くいけば両方KOのいい状況だ。


ーーだが、やはりそんな都合は良くなかった。


「ショウ様、中々やりますね。仕事モードでございますし、少々本気を出すといたしましょう」


「いい攻撃だけど、まだまだね。これじゃあ“壁”とやらは学べそうに無いわねぇ?」


俺の投げた枕を片手で掴む、仕事モードとやらのマモリさん。


俺の投げた枕を別な枕で防ぎ、沢山の枕を備えたエイレ。


コイツは……面白くなってきたじゃあねぇか!


俺も枕を持って2人になげむぎゅう!?


「私も参戦しますね!枕投げって憧れだったんですよねぇ……。思う存分楽しみます!!」


くそ、参加していなかった筈の宇佐美様不意打ち投げに当たってしまった。


ありがとうございます、ファンとしてはご褒美です!


しかもすごく嬉しそうな笑顔、実にレア表情で幸福感が止まりません!!


……じゃない、じゃない。


今、宇佐美様は敵なのだ。


どう3人を捌ききるか考え、勝利への道筋を作らねば。


もう早く終わらせるだの、やりたく無いだの言わない。


真剣勝負となった以上、ゲームとなった以上は負けるわけにはいかないんだ!


リアルであろうと関係ない、持てるものを全て出し切り勝者となるまで。


俺は……絶対負けない!


「行くぞォ!!」






それから10分後






「うるさい」


最後の最後までうつ伏せ非参加を貫いていたマニさんが、キレて全員に枕で頭部強打。


全員倒れてしまいましたとさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ