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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第二章 真相編
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第2-26話 粗合わせ

オーナー「なぁ花城。なぜお前は今ここにいるんだ?」

花城如音「…何言っているんだ?」

突如として問われたなぞの質問。オーナーと花城如音は場所を移動した瞬間に戦闘が始まり、それから二時間が経過した。互いに一歩も譲らず拮抗状態が続き、休憩がてらオーナーが先ほどの質問を投げたのだ。困惑する花城に対し、オーナーがその質問に補足を加える。

オーナー「なーに。ちょっとした雑談だ。なぜお前は極楽の地下牢で囚われて今はこうして脱走しているんだと気になってな。」

花城如音「悪魔探しだよ。伊敷季と俺は神楽の悪魔を使った計画とやらを止めるために別行動している。」

オーナー「ふーーん。」

悪魔探しという言葉にオーナーの目は確実に何かが変わった。

オーナー「なんだよ、お前らも知ってんのか。」

花城如音「!?」

オーナーは即座に攻撃に移りだした。さっきまでの二時間にあった攻撃の速度とは比にならないほどに。さっきまでの二時間にあった攻撃の威力とは比べるまでもないほどに。そんな威力と速度で巨剣を振りかざしたオーナーの攻撃に花城は右手にある剣をその巨剣とぶつける。剣越しに威力と重みは伝わり花城の表情は焦りで歪み出す。

オーナー「一つ教えといてやるよ。幸奪戦争には五人の重要決定者がいるよな。今後の幸奪戦争をどうするのかを話し合うメンバー。」

花城如音「それがなんだ?」

オーナー「神楽士郎、榎宮優、桝田小春、石井泰和、黒田竜位の五人。あの五人でお前や失格者の処遇を話し合っていた。そして悪魔の利用が可決された。なぜだと思う?」

オーナーの問いに花城は少し考える。獄人を利用した計画はあまりにもリスクがある。獄人を知性が失われた化け物に変えてはやつらが何をしてがすのかわからない。そんなリスクをなぜか全員が呑んだ。この謎の理由に花城はひとつの仮説を立ててしまった。そしてそれは考えうる最悪の理由だった。

花城如音「まさか、、いや、でも、それになんの意味が…?」

オーナー「勘づいたみたいだな。あの五人のうち2人は神楽の奴隷なんだよ。」


~極楽にて~

伊敷季毎伽、才原清一、桝田結城の三名はあるところへ向かっていた。三人は情報を整理しながら歩き続けている。

伊敷季毎伽「一度整理するか。まず、神楽士郎は悪魔を使って何かがしたいらしい。その計画の試作品として既に七次の参加者が悪魔にさせられていた。その試作品の一部を桝田小春に譲り渡していた。」

桝田結城「そして桝田小春の主である石井泰和もその計画に関与している可能性がある。」

伊敷季毎伽「結城、、ほんとによかったのか?実の姉を手にかけて。」

その質問に桝田結城の表情はわずかに曇る。それでま伊敷季に対しては繕った笑顔をみせた。

桝田結城「えぇ、あのまま残してたらきっと大事になってましたから。」

才原清一「伊敷季といったな。なんで悪魔を利用するのに反対なんだ?」

才原の質問に伊敷季の足は止まる。

伊敷季毎伽「どういうことだ?」

才原清一「お前らは俺たちのことを憎んでいるんだろ。だから悪魔を利用して獄人同士で潰しあって勝手に消えてほしい。神楽士郎の提案が可決されたのも納得できる。なぜお前は反対なんだ?」

伊敷季毎伽「…考えが賢くないからだよ。」

意味がわからずポカーンとした表情の2人に伊敷季は説明を加える。

伊敷季毎伽「獄人同士で潰し合わせるなら幸奪戦争の際に他の参加者を消せば極楽に行くことができるみたいな餌をちらつければいい。わざわざ悪魔とかいう変なものを生み出す理由はないはずだ。」

伊敷季の言葉に確かにという共感と例示されたその案が出てくる伊敷季自身に二人は若干引いていた。

伊敷季毎伽「千歩譲って悪魔を生み出したなら、それの試運転とかをやってもいいはず。なのに神楽がしたのは試作品を桝田小春に渡したこと。悪魔を極楽に持ち込むこと自体、そもそも獄人の抹消には一切必要ない。」

桝田も才原も次第に神楽士郎という男の目的について深刻に考え出した。彼の行動の意図には何があるのか。冷静に考えれば神楽士郎は現在、なせかbの会場に潜んでいる。悪魔を利用した計画とやらを実行できないはずの場所になぜか居座っている。二人も神楽士郎という男の行動に違和感を覚える中、伊敷季は最後に一番の疑問を語り出す。

伊敷季毎伽「そんな穴だらけの提案に気づけないほど石井も結城の姉もなんなら他の二人も馬鹿じゃない。何で神楽の提案が可決された??」

この質問に桝田結城は一つある仮説が浮かび上がってしまう。しかし、その仮説を心の中に押し留めて黙りこんでしまった。それをみた伊敷季は再び歩きだし、やがて目的の場所へと到着する。

伊敷季毎伽「久しぶりにきたな…」

ある家を眺めてこの家に初めて訪れた際の過去を想起させる。才原はその家の扉に手をかけやがて扉を開く。

才原清一「坂縞雷火。あんたに聞きたいことがある。」

三人が向かった先は第二次幸奪戦争の勝利者のもとだった。


~aでの一階層でのこと~

カイリ「ねぇ、何でbがそんなに危険なの?」

伍代はある少年が個人的なゲームを持ちかけ、そのゲームを開始させたときにbが危機的状況にあると判断した。あそこまでの光景に伍代がどこまで状況をつかめたのかカイリはまだ把握できていない。一階層にワープし、何キロか進んだところでそろそろ答えてもらえるだろうと判断し、カイリは尋ねた。伍代は少し焦った表情で説明し出す。

伍代翔地「超簡単に言いますね。あの少年、本当は地獄にいないんです。」

カイリ「どういうこと?」

当然伍代の答えには疑問が残るだろ。地獄にいるのにいないとかいう矛盾しきった回答に困惑するのも無理はない。しかし、伍代は焦りと悲哀を顔に浮かべ、現状に対してこれ以上ないほどに嫌悪していた。その気持ちを堪えながら自身の回答に修飾を加える。

伍代翔地「あの少年は柳原敬太。年齢は今は10歳頃でしょうか。サッカーが好きでよく深夜に親に黙って公園に抜け出すようなヤンチャな子だったみたいです。」

カイリ「ねぇ、さっきから何の話?」

伍代翔地「私とあの少年、現界のときに面識があるんですよ。」

カイリ「…え?」

何度、今の伍代翔地に困惑と衝撃を与えられたのか。焦りと悲哀を浮かべた表情による伍代翔地らしからぬ姿。唐突な話にカイリの脳はフリーズする。伍代はその少年との過去を想起させながら語り続けた。

伍代翔地「あの子は、、ある事故によって昏睡状態に陥りました。生命維持装置をつけながらの入院が必須の状態で、何年も目を覚まさなかったんです。」

カイリ「その子は結局、どうなったの…?」

ある程度察せられるが恐る恐る尋ねてみる。あの少年が地獄にいることは恐らくもう、そういうことなのだろう。しかし、伍代から発せられた答えはカイリたちの予想とは少し違っていた。

伍代翔地「わからない。でも、彼より先に僕が死んだんです。」

カイリ「じゃあ、あの子は?」

伍代翔地「まだ、現界で眠っているはずです。」

カイリ「ちょっとまって、どういうこと?」

伍代からの説明にさらに困惑したカイリは頭を抱える。そんな中、伍代からあの少年が地獄にいる本当の理由を語られる。

伍代翔地「これは推測にすぎませんが、先ほどのオーナーや私が戦ったオーナーの部下、彼らと柳原は一緒の存在だと思います。」

カイリ「一緒?」

伍代翔地「えぇ、彼らは【まだ死んでいない。】現界と冥界の狭間にいる。いわば三途の川で立ち止まっている状態です。」

カイリ「冥界の人間と現界の人間が互いに不干渉の存在であるとして、オーナーたちはそのどちらの世界の人間でもないから誰にも手出しできないってこと?」

仮定の話にさらに仮定を付け加えたその仮説。しかし、それが正しければ辻褄は合う。オーナーたちはどちらの世界の住人でもなく存在しないゾンビのようなものなのだから。

伍代翔地「倒すことができるとしたら、同じゾンビにしかできないでしょう。例えば、致命傷を喰らって脱落が確定したものとか。」

カイリはその言葉に息をのむ。自身の記憶を掘り起こしその記憶にあったはず、そしてあり続けているべき存在がなぜか忘れていることに気がついたから。同様に伍代ももう気づいていた。

カイリ「今bにはオーナーの他に二人の部下がいるよね…」

考えたくないが、そうとしか考えられなかった。

カイリ「名前も教えられた。でも、思い出せない。」

伍代翔地「…私もですよ。」

誰かが不可抹の存在を消すことに成功した。それはそのものが脱落が確定するほどの致命傷を受けたから。花城如音とオーナーが戦闘中であることを考えると、考える対象は二人。その二人は伍代や榎宮愷にとっても関係のある人間の…

佐藤要「やっと見つけた。お前らどこ行こうとしてたんだよ。」

タイミングがいいのか、悪いのか、その対象が二人ともいた。こちらへ近づき佐藤は手を振っている。木崎はぎこちなく歩を進めている。この光景で伍代とカイリは理解した。木崎印の脱落が避けられない現象となってしまったことに。その事実に悲哀の素振りを見せるのは後回しにし、伍代は口を開いた。

伍代翔地「佐藤さん、木崎さん、状況は?」

木崎印「オーナーの部下は一人消した。もう一人は逃げられたが、どうする?探しに行くか?」

伍代翔地「…そうですね。部下を逃がすのは危うい。2手に分かれましょう。榎宮さん、あなたはaの方へ向かってください。」

そういいながらカイリの額に手を触れる。二人はテレパシーを通じて会話をする。

カイリ(いいの?bよりaの方がやばいのに僕一人って。)

伍代翔地(オーナーやその部下を消せるのは木崎さんだけです。ですが彼はもう長くはもたない。木崎さんのサポートに回らせてください。)

カイリ(わかった、bの状況や柳原たちの情報を推測でもいいから教えてくれ。)

伍代はそれに応じ、アナリストの種性を通じてカイリに情報や推測を伝える。数秒後に伍代の手は離されて、再度口を開いた。

伍代翔地「私たちはオーナーたちの討伐に向かうので残ります。花城さんを消させてはいけませんし。」

佐藤要「わかった。オーナーはどこにいる?」

伍代翔地「なんとなくの心当たりはあります。数値は?」

木崎印「佐藤はクラインドを15発は打てるほどにある。俺は14辺りだな。」

伍代翔地「数値の整理だけして、向かいます。異論は?」

伍代以外の全員が無言で頷き異議のなしを唱えた。かくして佐藤の数値は100。木崎は佐藤から50の数値をもらい64。伍代は佐藤から50の数値をもらい141。カイリは佐藤がもつ100の数値を伍代を通して振り込まれ101へと変わる。そうしてカイリとそれ以外の三人は分かれ、オーナーたちの暴走を止めるべく再度動き出した。佐藤に木崎の状況を伝えないまま…


ゲーム開始から19時間

残り参加者3889人

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