表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
若頭は溺愛を隠せない 〜極道×箱入り娘の危険な契約〜  作者: 春夜夢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/11

第5話:紅蓮の怒りと、震える背中

「……てめぇら、俺の女の家で何をしてやがる」


氷のように冷たく、それでいて血の匂いを纏った蓮さんの声が、玄関に響き渡った。


敵対組織の男たち三人が、一瞬で凍りつく。

私の目の前には、黒いジャケットを血で汚し、息を荒げた蓮さんが立っていた。その眼光は、先ほどまでの穏やかな顔とは全く違う、獲物を狙う猛獣そのものだ。


「なっ……! 若頭、なぜここに……!」


「てめぇらの動きくらい、とっくに読めてるんだよ。俺の目を盗んで、お嬢の住処を荒らそうとした代償は、高くつくぜ?」


彼が懐から黒光りする銃を取り出すよりも早かった。

蓮さんは圧倒的な体捌きで間合いを詰め、敵の腕を容赦なく捻り上げた。鈍い骨の音が響き、男が悲鳴を上げる。


無駄のない、あまりにも残酷で美しい暴力。

私はキッチンの隅で、自分の口元を手で押さえた。


「蓮さん……っ」


「(……怖い。でも、私を助けに来てくれた)」


わずか数分で、敵の男たちは床に転がり、動かなくなった。

蓮さんは乱れた前髪をかき上げながら、ゆっくりと振り返り、私の方へ歩み寄ってくる。

その足取りが少しだけふらついていたことに、私は気がついた。


「……お嬢、怪我はねぇか?」


「私は大丈夫です……! でも、蓮さん、その腕……血が……!」


彼の右腕の袖が赤く染まっている。

私は我慢できずに立ち上がり、彼の胸に飛び込んでしまった。蓮さんの温かい体温と、タバコや火薬の混ざった匂いが全身を包み込む。


「ばか、触るな。汚れるだろ」


「汚れてなんていません! ……本当に、死んじゃうかと思いました」


私が涙ぐみながら蓮さんの背中にしがみつくと、彼の腕がゆっくりと上がり、私の背中をそっと抱き締めた。いつもよりずっと強く、けれどとても優しい力で。


「……泣くな。俺がいるって言ったろ。お前を傷つける奴は、この街のどこの穴に隠れていようが、俺が全部消し去る」


蓮さんの声が、耳元で震えている。

彼は強がっているけれど、きっと私を守るために、ものすごい数の敵と戦ってきてくれたのだ。


「……はい。ごめんなさい、蓮さん」


「……ちっ、まったく。お前は本当に目を離せねぇな」


彼はそう言って、私の頭を優しく撫でた。

裏社会の若頭が見せる、不器用で、誰よりも温かい愛情。私は彼の腕の中で、心からこの場所が自分の居場所だと確信していた。

第5話・完

面白いと思ったら、ブックマーク登録と「★★★★★」の評価をお願いします!


皆様の応援が、ひなたと蓮の危険な恋を後押しします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ