第四話 女騎士
「では次の狩場へ」
討伐する魔物をアーマービートルに変え依頼を受け狩場へ移動。今度の相手は動きが鈍く戦いやすいが非常に硬く通常攻撃がほぼ通らない強敵。しかも集団で現れるため単体魔法しか持たない低レベルの魔法使いでは戦えない相手だ。狩場につくと早速5体のアーマービートルに襲われる。
「スキル全体化」
魔法をスキルで全体化、敵全員に攻撃が可能に。
「ファイアボール!」
巨大な炎の玉が魔物たちを襲う。四体が黒焦げになり力尽きた、多くの経験値を手に入れたが一体残る。しかしこれは計算通り。
「マジックサクション」
敵からSPを吸収し回復する。SPを回復する方法は原作では寝るしかないがリメイク版にはSP吸収魔法がある。その後二回ほど吸収してSP全開、魔法で倒す。こうして魔法を使っても戦い続けることができる永久機関が完成した。
「一気に上げるぞ」
アーマービートルを倒し続け、宿舎の無料期間が終わり出ていく頃にはレベルが15まで上がりいくつもの魔法とスキルを入手した。
「さて、これからメインストーリーが動くからギルドで待っていよう」
今日は狩りをやめて朝からギルドでのんびりと過ごす。しばらく時間が経過すると隣のテーブルから話声が聞こえてきた。
「聞いたか? 騎士団の話」
「ああ、不穏な動きがあるようだな」
メインストーリー、騎士団。彼らが裏で色々と悪さをしているといった内容。騎士団の後にすぐに次のメインストーリーが続く。
「ああぁーー!」
叫び声と共にギルドの奥から職員が飛び出してきた。
「やばいやばいやばい、貼り忘れてた!」
手には依頼紙が握られている。ギルド内を見る男、時間が悪いこともあり冒険者は俺だけ。男性はこちらに近づいてきて依頼紙を見せ頭を下げる。
「お願いです、この依頼を至急やっていただけませんか。忘れてしまっていて」
内容を確認する、民家に配達の依頼だ。日にちは昨日までと完全に過ぎてしまっている。彼が困っているしもちろん受け取り主も困っているから受けることに。
「ありがとうございます!」
依頼を受けると大きな荷が出てきた。これを背負い目的の場所へ向かう。場所は森の奥、しばらく進むと二階建ての家が見えてきた。見た目はかなりボロボロ、人が住んでいるかどうか怪しい。依頼は荷物を家の入り口に置くこと。
「よっと」
荷物を置き帰ろうとすると突然家の扉が開く。
「リオか?」
「はいそうです。お荷物遅れてすみません、忘れてたって泣きつかれましてね。しかしこんなところでミリアさんに会うとは」
「色々あってな。昼食でもどうだ、食べていくか」
返事とばかりにお腹が鳴り出す。今日は気合を入れて朝起きてから朝食も食べずにギルドで待機してたんだよね。
「よしよし返事は食べていくだな」
荷物を家の中へ入れ俺を招待してくれた。居間に通され座って待つ。一か所だけカーテン、後は閉じていて部屋の中は暗い。昼食を食べ終える、その間も彼女はずっと剣を携えているという奇妙な光景が。こちらの視線に気が付いた彼女。
「そうなんだ、大失敗をしてしまってな、一生装備し続けることになる呪いの剣を身につけてしまったんだ」
詳しい話はしてくれなかったが呪いの剣のため何もできなくなり騎士団をやめてしまったとか。三回攻撃が可能と超強力な剣だがダメージがすべて1になるというキツイ呪いの効果がついている。しかもこの世界は呪いを解く方法はない。装備してしまうと一生呪いにかかってしまう。騎士を辞めて一時的に昔住んでいたこの家を使っているのだとか。
「身の振り方を考えているところだよ。それから悪いが私に会ったことは秘密にしてくれないか」
話を聞きこくりとうなずく。彼女の身に何が起こったのか、それは当然知っている。彼女は剣を振るう優秀な騎士団員だった。しかしある日騎士団が国の実権を握ろうとしている話を彼女は聞いてしまった。知人に相談しようとしたが先手を打たれ罠にかかる。このままでは危険と判断し騎士団を辞め現在身を隠しているわけだ。現在彼女は誰とも接触できない状態。過酷な状況、あまりの苦しさに俺に声をかけてしまったのだろう。
「話をして少し気がまぎれたよ、ありがとう」
「そんな呪いにかかってしまうとは」
挨拶をして家から出る。少し離れてから振り返り彼女の家を見る。
「彼女と会えるのはこれが最後とはな」
ミリアは話が進むと死んでしまう。リメイクでも同じ。助けるルートがあるのではといろいろ手を尽くしたが結局助けられなかった。
「バッドエンド回避の前にやることができたな」
人類滅亡を阻止しようとを考えていたんだ、人一人助けられないようではな。




