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4話
胸の高まりが、やまない。
ゆっくりと僕の目の前で落ちていく。
僕は、階段の上で立ち止まる。
静かに落ちていく彼女。
冷たい風が、彼女の髪をかき分ける。
ああ、これだ。似ている。
そう思った。
打ちどころが悪かったのだろうか、彼女はそこから動かなかった。
死んだかどうかは分からない。
遠くで車の音がした。
誰かが歩いて来る気配もする。
僕は、少しだけ迷った。
もう少しだけ見ていたかった。
でも、足が動いた。僕は反対側から歩道橋を降りた。
振り返らなかった。
死んでいてくれるといいな。
その日の帰り道は何度もその光景を思い出した。
静かだった。
でも、何かが足りない。
花壇で倒れていた彼女とは、違う。
あの時ほどの魅力はなかった。




