表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
乙女の銅像
67/67

最終回 理想の未来

 7月も終わりに差し掛かかった頃花野女学校は終業式を迎えていた。

「ももか」

袴姿のももかは洋装のお姉様まりに呼び止められる。傍らには美伶もいる。

「これから美伶さんのご自宅で宿題をする予定ですの。ももかもご一緒にいらっしゃらない?」

お姉様と一緒に宿題。悪い話ではない。しかし

「ももかちゃん!!」

正門からももかを呼ぶ声がした。

「えりさん。」

えりである。

「お姉様ごめんなさい。今日はえりさんと先約がありますの。」  

ももかはまりに断りを入れるとえりの元へと走る。手を繋いで歩き出す2人。その様子をまりは見ていた。  

「まりさん、貴女寂しがってらっしゃるの?可愛い妹をえりさんに取られて。」

「そのようなことではございませんわ。」

しかしまりの声は寂しそうだ。

「仕方ないわ。私が慰めてあげるわよ。」

美伶はまりの手を引くと待たせていた車に乗り込む。




 その頃えりとももかは喫茶店に入っていた。

「えりさん、今度一緒に行きません?のぞみさんのお墓参り。」

「ああ、そうだな。」

 中原夫人は手紙でのぞみを呼び出し岬から彼女を突き落としたと自供した。部下がのぞみの部屋から見つけた手紙が証拠になった。

「でも不自然じゃないですか?」

あの岬にある銅像は身投げした女学生の供養のためにたてられた。妙な噂もあった。そんな場所に1人でそれも夜遅い時間に行こうなんて思うのだろうか?

「妙な噂があったから行ったんじゃないか。のぞみさんは好きな人と一緒になれない女学生を自分と重ねていた。もし夫人が呼び出さなくても彼女は1人で行っていたと思うよ。」

ももかはなんだか悲しくなった。

その時

「ねえ、新作読みました?」 

「仙多ゆき先生の書いたものでしょ?私も読んだわ。」

向かいの席で袴姿の少女達がおしゃべりをしている。彼女達は少女雑誌を開いている。

「ええ、男装執事と令嬢の禁断の恋、ろまんちっくだわ。」

少女達が話していたのはゆきの新作の話だ。中原夫人の事件が解決した後えりはゆきに別れ話を切り出した。ゆきはすんなりと受け入れてくれた。私は小説があるから大丈夫だと言って。そして今えりの隣にはももかがいる。

「ねえ、この話の場所って身投げで有名な海岸でしょ?」  

「そうね、確かゆき先生は取材に行ったと書いてあるわ。」

「私、この二人が心中なんてしなくて良かったわ。だって好きな人とはあの世じゃなく生きて一緒にいたいもの。」

女学生達はゆきの小説の話で盛り上がっている。

「ねえ、えりさん。」

女学生達の会話を聞き、ももかはえりに話しかける。

「どうしたんだい?」

「この先男でも女でも好きな人を結婚相手に選べる未来になったらいいですね。」

「そうだな。でもそんな未来は案外遠くないんじゃないのか。さあ、行こうか。」

えりはももかを抱き寄せると店を後にした。

                   FIN


えりとゆきのカップルも好きですが、ゆきは職業婦人志望ということで合えて一人になることにしました。

 結婚相手だけでなく生き方も選んだのですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ