ももかの危機
えりは岬へとたどり着く。乙女の銅像がある場所だ。
銅像の周りは人だかりだ。
「ちょっとすみません。」
えりは人混みをかき分け進んでいく。
崖の先端には地元の刑事達が来ていた。
「あの」
えりは刑事達に話しかける。
「君、捜査の邪魔だよ。あっちへ行った行った。」
刑事達はえりを追いやろうとする。
「あの僕はこういう者です。何かお役に立てればとおもいまして。」
えりは刑事の1人に名刺を渡す。、
「小宮えりさん、探偵ですか?」
「はい。僕は被害者の婚約披露の席で護衛を依頼されまして、彼女の父が所有する別荘に泊まっていたのですよ。」
「でしたらこれを。先ほど遺体の元に落ちていたんです。」
刑事はえりに遺体の傍で見つけたという物を見せる。
(これは?!)
「宜しければお預かりしてもいいですか?犯人の残した証拠かもしれません。」
えりはハンケチで包んで遺留品を受け取る。その時
「えりちゃん!!」
えりは大声で自分の名前を呼ばれた。
馬車から降りてくる洋装の女性の姿が見えた。ゆきである。
「ゆきちゃん、どうしてここが?」
「中原夫人から聞いたのよ。事件のこと調べに岬へと向かっているって。それと朝霧会長のアリバイは取れたわよ。重信さんと飲んでいたし、メイドもお酒を運んだとき彼の部屋に重信さんがいたって証言してくれたわ。」
重信のアリバイは成立した。
「ありがとう。君はそれを教えるためにここまで来たのか?」
「それもあるけどももかちゃんいない?部屋に行ったけどいなくて中原夫人が探しているのよ。」
「なんだって?!」
えりは焦る。
「ゆきちゃん、今すぐ別荘に戻ろう。刑事さん、あなた方も来て下さい。」
えりはゆきの乗ってきた馬車に刑事達と乗り込む。
その頃別荘では。ももかは目を覚まし散策がてらに中庭へといた。
「ももかちゃん。」
ももかは声をかけられる。中原夫人だ。
夫人はももかを手招きする。庭のテラスでお茶をしている。
「さあ、お座りになって。お茶にしましょう。」
ももかは夫人に言われるまま席につく。
「そうだわ、ケーキもあるわ。貴女、持ってきて下さる?」
夫人はメイドにお願いする。
メイドはかしこまりましたと言って席を離れる。
「夫人、宜しいのですか?ケーキまでご馳走になって。」
「構わないわ。貴女はあの娘と仲良くしてくれたから。感謝しているの。それにわたくしはよくこうしてあの娘とお茶したわ。あの娘は苺のケーキが好きで。」
夫人は娘との思い出に浸っている。自分の娘が死んで余程衝撃を受けているのも仕方ない。
「さあ、お飲みになって。あの娘が好きだったローズティですわ。」
ももかは勧められるままカップの中のお茶を口にする。次の瞬間
(どうしてかしら?頭がぼうっとするわ。)
ももかはその場に倒れ込んでしまう。




