ドールハウス
「君はリリカさんだね?」
「なぜわたくしの名前を?」
えりは荻島公爵から預かった写真と目の前の貴婦人を照らし合わせる。
「私は探偵です。貴女の夫である荻島公爵から依頼を受けやってきました。」
えりは名刺を見せる。
「小宮えりって貴女男装探偵の?」
「はい、今は潜入捜査のためにこのような姿ですが。ところでここはどこですか?」
周りを見渡すと長椅子やテーブル、テーブルの上にはティーセットがある。壁はピンクの花柄で他にも女性がいる。端の椅子に座っているのはモダンガール風の女性、どこかで見たことがある。絨毯の上に座っているの袴の少女。髪は肩くらいまでの長さだ。
可愛らしい内装に中には少女達。まるでドールハウスだ。
「とにかくここを出よう。」
えりは扉を開けようとする。しかし扉はびくともしない。
「もしかして押戸か?」
今度は扉を押してみるがやはりびくともしない。
「無駄よ。」
袴の少女が声をあげる。
「私達気づいたらここにいたの。私達はここから出られないわ。」
「気づいたらってそれまでは一体どこに?」
「私はマダムの店に旅行のお土産を届けに行ったときまで覚えてるわ。」
声をあげたのはリリカだった。
「マダムってマダムリーズですか?」
袴の少女が尋ねる。
「ええ、わたくし以前マダムのブティックで働いていたのよ。」
「まあ、妹がマダムのふあんで。先日そちらでワンピースとカチューシャを購入したばかりですの。」
(カチューシャ?)
「もしかして君はえりかさん、妹というのは日向坂梅子ちゃんのことか?」
「はい、そうです。」
えりかとリリカの共通点はパリから来た貴婦人だ。犯人は彼女なのか?えりはそう思った。しかしかつての同僚をこんな場所に監禁するだろうか?その時
ガチャ
部屋の扉が開かれる。リリカやモダンガール、そしてえりかもうつ向く。
「気分はどうだい?私の人形達。」
「やはりあなただったのですね。ムッシュガローラ。」
部屋にやって来たのはムッシュガローラだった。後ろには彼の使用人らしき少女達もいる。
「彼女達をどうするつもりですか?」
「安心しなさい。決して貴女達を売り飛ばしたりはしませんよ。皆可愛い私の人形ですから。さあ、新入りの貴女、私と一緒にいらっしゃい。」
えりは使用人に両腕を捕まれ連行されていく。
えりが連れていかれたのは寝室だ。テーブルに長椅子、シルク。ベッドが置いてある。
「さあ、お座りなさい。」
えりは長椅子に連れていかれ座らされる。
「お待ちしておりましたよ。美しいマダム。」
ガローラはえりの隣に座ると軍服のジャケットを脱ぎ捨てブラウスのボタンを開ける。
「嘘でしょ?!」
えりは声をあげる。




