えりかの誕生日プレゼント
今作は過去に書いた「マダムリーズの帝都レフィーユコレクション」とのコラボ作品です。
過去に書いたキャラが沢山登場します。
ももかとまりが浅草少女歌劇団の舞台を観に行ってるその頃、梅子は日比谷に来ていた。
「梅子。」
「えりかお姉様。」
黒髪を肩くらいの長さまで伸ばし、赤いカチューシャを着けている。黄色い振り袖を振りながら梅子に手招きをする。それがえりかお姉様もとい雛河えりかだ。
梅子のもう1人のお姉様である。
「お姉様、やっと来てくれました。」
「ごめんなさい。お華のお稽古が長引いてしまって。」
えりかは梅子より2つ年上であり、華道の家元の娘だ。それゆえかえりかは普段から和服を好んでいる。
「梅子、今日はどちらへ参られますか?」
「お姉様、今日は私の贔屓のお店にご案内致します。」
「まあ、梅子の?楽しみだわ。」
梅子が今日連れていきたいところがあった。
遡ること2か月前。5月の半ばの頃、えりかは自身の邸宅で誕生日会が行われた。梅子も招待されていた。 えりかの家は旧家であった。玄関を入ると着物姿の女中が現れ長い廊下を渡り、和室まで通された。ここでえりかのお祝いをするのだ。
お祝いの席にはえりかの家族は他、華道の師範の方々が招かれていた。梅子は洋装のドレスで来たが周りは皆和服ばかり。自分は場違いなところに来てしまったのではないかと思う。和室にはお膳が並べられていた。今日の主役であるえりかの席は上座にある。
「梅子、こちらよ。」
梅子はえりかの隣にの席に案内される。
「お姉様、宜しいのですか?私こんな格好で場違いではないでしょうか?」
「格好なんて関係ないわ。わたくしは貴女に隣にいてほしいのよ。」
大好きなお姉様にそう言われ梅子は隣の席につく。
お祝いの宴は料亭の料理長を呼び海、山の珍味が並べられる。
日舞の舞やお琴の演奏も続き華やかに締めくくられた。
えりかの元に届いたプレゼントは京都の西陣織の着物や高級な打掛、日本人形ばかりだった。
梅子は周りの豪華さに圧倒され自分が持って来たプレゼントを渡すべきか躊躇してしまう。
「梅子。」
えりかは梅子が持っている包みに目をやる。
「そちら頂けるかしら?」
「お姉様、私のは豪華な物ではありません。」
「構わないわ。貴女が選んでくれたものであれば。」
「はい、こちら私の贔屓にしてる店で購入したのです。」
中を開けると赤いカチューシャが入っていた。
以前えりかと二人で銀座の喫茶店に行ったことがあった。洋装のウェイトレスが髪止め用にカチューシャをつけているのを見て「可愛い」と言っていたのを思い出して梅子はプレゼントにこのカチューシャを選んだ。
今日はそのカチューシャを売ってる店に行くのだ。
「ここです。」
二人は店の扉をくぐる来客を告げるベルが鳴る。
「ごきげんよう。」
現れたのはエプロンドレス姿のフランス人の店員だった。
「ごきげんようサリーさん、ねえマダムリーズはいらっしゃる?」




