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乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
紅はこべからの挑戦状
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スカーレットピンパーネルとの対峙

本ベルが鳴り緞帳が上がる。

幕が上がればそこは18世紀のイギリスだ。わっかのドレスで貴婦人に扮した娘役達が出てくる。彼女達はドレスを翻し歌い踊る。

「ねえ、パリの噂ご存じ?」

「ええ勿論ですわ。」

彼女達が噂しているのは「紅はこべ」フランスのパリに現れる謎の貴族集団だ。当時パリは王政を廃止し、国王ルイ16世とその妃マリー・アントワネットが処刑される。それを機にジャコバン派のマクシミリアン・ロベスピエールが実権を握った。

彼はフランス国内にいる貴族達を捕まえては収監、そして国王一家と同じように処刑。貴族達に居場所はなかった。

そこでそんな貴族貴婦人を隣国に亡命する手助けをしているのが「紅はこべ」だ。彼らは変装の名人で正体は誰も知らない。唯一分かっているのは全員男ということだけ。彼らが現れた場所には椿の花が残されてるという。

 場面は代わりパリのコメディフランセーズ。ここでは日々芝居が行われている。

現れたのは主演娘役花城ゆりな演じるヒロインマルグリットだ。彼女はコメディフランセーズの主演女優だ。美しい歌声で観客を魅了する。

 ソロが終わると中幕が降りマルグリットは1人舞台に取り残される。 

「やあ、」

現れたのは恋人の主演男役襖庭そのは演じるパーシー。

「パーシー、来てらっしゃったのね。」

「ああ、素敵だったよ。今日の舞台。」

「ありがとう。」

「それから君にプレゼントだよ。」

パーシーは椿の髪飾りを渡しマルグリットの髪に翳す。

「椿、私の好きな花。嬉しいわ。」

マルグリットには黙っているがパーシーは実のところ今パリで噂になっている紅はこべのリーダーである。椿の花は証にしているのは恋人の好きな花に準えてだ。

「マルグリット。僕と一緒にイギリスに来ないか?」

「貴方と?」

「ああ、フランスはロベスピエールによる恐怖政治を皆恐れている。次は自分の番じゃないかと。君だってもっと自由に舞台に立ちたいだろう。」 

「でも私でいいの?」

「君がいい、君じゃなきゃ駄目なんだ。僕と結婚して下さい。」 

「はい。」

パーシーはズボンのポケットから指輪を取り出すとマルグリットの左手の薬指にはめる。

 ロマンチックなプロポーズにももかを初めとする観客達はうっとりとする。

 

 しかし物語の終盤、舞台は思わぬ方向へ向かった。 

マルグリットは革命を批判する歌を歌ったとして革命委員会に連行される。

 そこに現れたのは公安委員のショーブランだ。彼は部下の衛兵にパーシーの始末を命ずる。

 パーシーの殺陣回りが続くなか、そのはは異変に気づく。衛兵役の下級生だ。1人だけそのはの剣を見事に華麗に避けている。衛兵役達が次々に退却するなか彼女だけが残った。

衛兵は剣をそのはに突き出す。

(まさか真剣?!)

衛兵役の下級生が持っているのは小道具ではなく、本物だ。

「どけ!!」

そのはを突き飛ばすとマルグリット扮するゆりなに向かって剣をおろす。

「きゃあ!!」

ゆりながもうダメだと思ったとき、

「そこまでだ!!」 

帽子を被った謎の騎士が現れた。 

衛兵は剣を弾きとばされる。


「あの方誰?!」

「紅はこべってこんな話だったかしら?」

観客達は目の前で起きていることに気が気でなくなりあたふためく中、急遽幕は降ろされた。


 一方緞帳裏の舞台では。

騎士が衛兵に問いかける。

「スカーレットピンパーネルの正体は君だね。城ヶ崎多江子さん、旧姓大崎多江子さん。」

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