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乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
紅はこべからの挑戦状
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開演!!紅はこべ

「ごきげんよう。」

「ごきげんよう。」

劇団に予告状が届いてから2週間が経った。ここは花野女学校の4年生の教室。袴姿の乙女達に交ざり華やかなドレス姿で登校してくる生徒がいた。

誰であろうまりである。今日のまりはピンクのサテン生地に丸襟で白いレースのついたドレスを着ている。

「あら、まりさんごきげんよう。」

「ごきげんよう。美伶さん。」

まりには話しかけるのは親友でもあり試験で1位の取り合いをしている好敵手(らいばる)でもある。

「まりさん、今日はいつも以上に華やかね。」

「ええ、今日は学校が終わったら浅草少女歌劇団の新作を観に行くの。星組の新作紅はこべの初日なんですの。」

「ももかさんと?」

「良かったじゃない。姉妹でランデブーなんて。」

美伶がまりをからかう。

「いえ、2人だけではありませんの。」

今回はももかの妹の梅子も一緒だという。

「まあ、宜しいの?ももかさんに梅子さん取られてしまわれてよ。」

「あら、その心配はないわ。」

ももかと梅子はエスではなく本物の血の繋がった姉妹だ。それに梅子にも彼女の通う学校に1つ上のお姉様がいるのだ。



 放課後、学校が終わると校門の前でももかと梅子と最寄り駅で待ち合わせした。

「お姉様。お待たせ致しました。」

現れたのはももかと梅子である。珍しく二人は洋装である。

二人は白いブラウズを着ている。丸襟で袖はふんだんにレースが使われている。しかし胸のリボンはももかはピンク、梅子は赤と色違いである。スカートもお揃いでももかは白地にピンクの花柄で裾にフリルがついている。梅子の方は生地はピンクだが花模様とフリルは水色である。

「これでは貴女方がエスのようだわ。」

「この服梅子が贔屓にしているお店で買ったの。」

梅子はマダムリーズというパリから来た貴婦人が経営してるブティックのふあんなのである。

ももかも一度連れて行ってもらったことがある。




 3人は電車で浅草へと向かう。劇場が見えてくると多数の人だかりでごった返している。 

今日は星組の初日、それも新しい主演娘役花城ゆりなの御披露目公演だけあってのことだろう。

ももか達の席は真ん中あたりだ。

「まりさん?!」

「麻友さん!!」

声をかけてきたのは麻友であった。前回会ったときの和装とは違い白いドレスを着ている。麻友の後ろには後援会の仲間と思われる女性達がいた。

「まりさん、良かったわね。妹さんと仲良くやっているようで。」

まりの耳元で囁き席へと向かう。後援会の人達は最前列の真ん中という最優良席を取ってある。

 本ベルが鳴ると同時に客席が暗くなり、主演男役そのはの挨拶が会場内に響き渡る。

舞台上は照らされ幕が上がる。

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