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乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
大正シンデレラ
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最終話 モンメールとの再会

 ある日の日曜日向坂公爵家のお屋敷にて

「お母様、お母様。」

母を呼ぶ娘の声が響く。

「そんなに大声を上げてどうしたのですか?はしたないですよ。梅子。」

母である公爵夫人が娘を嗜める。ブルーのドレス姿で庭園で本を読んでいたところだ。

「これから同じ級のみどりさんと高島屋へ行ってきます。」

「ええ、遅くならないでね。」

夫人は娘を見送る。娘の梅子は今年女学校を入学した1年生である。

夫人は約束があるためお屋敷に残っている。

今日は夫の大学時代の友人夫妻がやって来るのだ。

「失礼致します。奥様。」

メイドがリビングにいる夫人を呼びに来る。

「奥様、湖山伯爵夫妻がご到着されました。」

「まあ、ありがとう。今行くわ。」

夫人は読んでいた本をテーブルに置き、玄関へと向かう。すでに夫やメイドがいた。

外の門の前には二台の馬車が止まっていた。

前方に止まった馬車からは春花が夫に手を取られ降りてくる。

春花は夫が日向坂公爵と挨拶を交わしている最中夫人に声をかける。

「お久しぶりですわ。今日はお時間作って頂き光栄です。花江さん。」

「春花さんこそ、ようこそいらっしゃいましたわ。今日はどうなさって?」

「実は合わせたい人がいるの。」

後方の馬車の扉が開く。中からはももかが御者に手を引かれ降りてくる。ピンクのドレスを身にまとい。その後ろからはスーツ姿のえりが降りてくる。 

「あのドレスは?!」 

花江夫人はももかに目をやる。

ももかは花江の前で立ち止まり挨拶をする。

「お母様、私がももかです。」

「やはり、貴女がそうだったのね。」


 ももか達がお屋敷に上がると花江は手紙と写真を見せる。

それは日向坂公爵夫妻の若い頃の写真だ。花江はももかと同じドレスに桃の花の髪飾りをつけている。そしてティアラも。 

「これ。被せられるわね。」

花江は執事が持ってきたティアラをももかの頭上に被せる。これは花江が日向坂家に嫁いだときに夫が作ってくれたものだ。

「ももか、これで貴女も日向坂家の一員よ。」

花江はももかに手紙を渡す。これは花江がももか宛に書いたものだ。

 舞踏会の日ももかは手紙を広間で落としていた。それを偶然花江が拾った。自分が婚約の時に着たドレスを着たももかを見つけて追っていったが見失ってしまい、夫には見違えで片付けられてしまった。

「貴女が産まれたばかりの頃華族の令嬢が誘拐される事件が多発していたの。」

高宮公爵の事件だろう。それで花江は女中にももかを預けたのだ。

「だけど結果的には貴女をあの方々の餌食にしてしまった。」

「お母様、もういいのです。だってこちらの方が守ってくれたから。」

ももかはえりを紹介する。えりは自分が探偵をしていると名乗った。

「ありがとう。貴女はももか、そしてわたくし達の恩人です。何かお礼をしたいわ。宜しければ貴女の事務所を援助させて頂けないでしょうか?」

ももかには願ってもみない話だ。そうすればえりとまた一緒にいられるのだから。

仕事が少ないえりにとっても嬉しい話であった。

「ありがとうございます。うちは秘書と二人で自宅兼事務所の小さい探偵事務所なので助かります。」

「えりさん」

春花が声をかける。

「貴女の秘書は今日は一緒じゃなかったのかしら?」

「彼女は今頃新作を書いてる頃でしょう。秘書兼新米の小説家なので。」

次回はスピンオフ。えりの女学生時代を書きたいと思います。

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