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乙女探偵団が通る  作者: 白百合三咲
大正シンデレラ
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男役達の一芝居

船長に扮していたのはみずきだった。みづきに続いてウォンの部下達も帽子を取る。

この場にいるのは皆みづきの少女歌劇団時代の後輩の男役だ。この日のためにみづきが集めたのだ。皆船の乗組員やえりの部下に紛している。中には鈴の姿があった。

「鈴ちゃんも少女歌劇団に?」

「いえ、私はまだ附属の音楽学校生です。」

鈴の姉がかつて男役をしていた。本当はえりと特訓した人員全員でかかりたかったがゆきの電話があまりにも急ぎであったため欠員補助で鈴も助っ人で加わった。ちなみに鈴は娘役志望だ。

その時

「警察だ。」

憲兵達が集団でやってきた。

「公爵、お前の負けだ。」

「誰が警察なんて呼んだ?!」

「わたくしでございます。」

倉庫の影から晴れ着姿の春花が現れた。

「お久しぶりでございますね。高宮公爵。」

「お前まさか?!」

「ええ、貴方に天津に売られた湖山春花ですわ。」

「どうしてここに?」

「娼館で今の夫が身請けしてくださいましたの。憲兵さん、この方一生牢屋に閉じ込めておいて下さいね。」

「分かりました。」

公爵は仲間と共に憲兵に連行されて言った。事件は解決したのだ。



 その後郭の少女達は無事保護された。翌日の新聞は高宮公爵夫妻逮捕の話題で持ちきりであった。

容子夫人も同時刻に逮捕された。

「えりちゃん、どうしてあの場所が分かったの?」

事件解決後事務所に戻ったゆきがえりに尋ねる。

「あの場所は公爵が取引に使っていた場所よ。わたくしもあの場所から売られたの。」

春花も事務所に来ている。

 ゆきの電話が切れた後えりは妙な胸騒ぎを感じた。まりの邸宅を訪れみづきと春花に急いで来てもらった。

みづきが一晩かけて後輩を集めてくれたのだ。

「そうだったのね。ありがとうえりちゃん。えりちゃん逞しかったわ。」

「やめてくれ、逞しいなんて男に使う言葉だろう。」

「あら、いいじゃないえりさんは『男装』の麗人なんですから。ふふふ。」

「それもそうね。」

春花の新聞にゆきも納得する。2人の間に笑いが起きる。その時

「誰か来たみたいだな。」

来客を知らせるチャイムがなった。

えりが扉を開けるとまりとももかが立っていた。

2人はお礼も兼ね手土産を持ってきた。

「高島屋で買ったケーキです。お姉様と2人で選んだんです。」

「ありがとう。ゆきちゃん、頼んだ。」

ゆきは台所に持っていくと人数分に切り分ける。

 ももかは今はまりの邸宅でお世話になっている。母親探しも協力してくれることになった。

容子は人身売買目的でももかに母親と嘘をついていた。つまりももかはまだ本当の母親には会えていない。

「手がかりはあるんです。」

「手がかりって舞踏会で着ていたドレスか?」

「はい、それもあるのですが、母の名前。」

舞踏会で落としてしまったが手紙には花江と名前が記されていた。

「花江?!」

春花が口を開く。

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